mixiユーザー(id:25849368)

2020年06月28日21:24

71 view

幻想植物の講演会

 幻想植物の講演会を開催しました。ええ、私が、幻想植物について、一時間以上、しゃべり倒しました(笑)

 東京は池袋の某所にて、ささやかな集まりとなりました。平日の昼間ですからね。幻想植物というテーマは、あまりにもニッチですし。
 参加して下さった方々には、心から感謝いたします。世話役を引き受けて下さった松原さんにも、感謝申し上げます。

 参加者が、私の顔見知りばかりでしたので、気楽に話すことができました。
 非常に申し訳ないことに、こんな時に、自宅のプリンタの調子が悪くなってしまい、皆さんにお配りした資料は、インクがやけに薄くなってしまいました(^^; 読みにくくて、すみません。

 プロジェクターで、津田沼人さんの華麗なイラストを写しながら、話しました。これらの幻想植物のイラストは、雑誌『Role&Roll【ロール・アンド・ロール】』の連載コラムのために、津田さんが描いてくださっているものです。毎回、無茶ぶりなのに、津田さんは、いつも素敵なイラストを仕上げて下さいます(^^)

 幻想植物の話を聴くのは、初めてという方が多かったので、入門編的な話をしました。
 なぜ、私が幻想植物を集め始めたのか、幻想植物が多い国はどこか、幻想植物は、どんなふうに分類できるのか、といったことです。

 私が幻想植物を集め始めたのは、単純な理由です。「世の中に、幻想動物を紹介する書籍やウェブサイトはたくさんあるのに、なぜ、幻想植物を紹介する書籍やウェブサイトはないのか?」と思ったからです。
 自分で調べ始めたら、少なくとも日本語の環境では、そのような書籍やウェブサイトは、皆無にほぼ等しいことが、わかりました。
 「じゃあ、自分で拾い集めるしかないんだな」と思って、世界各地の神話や伝説を読んで、幻想植物を集め始めました。

 幻想植物は、世界中に伝承があります。おそらく、どの国でも、探せば、幻想植物の伝承が、一つや二つ、あると思います。わが日本にも、私が調べた範囲で、十種くらいあります。

 世界の中で、ずば抜けて幻想植物の伝承が多い国があります。それは、中国です。中国だけで、何十種もあります。中国に比べれば、他の国は、どんぐりの背比べです。
 なぜそうなのか、明確には、わかっていません。一つの理由としては、中国人が、「記録マニア」だからでしょう(笑) 記録を残すことが、とても大事なことだと思っていて、何でも、書き残してくれています。
 これは、後世の歴史家にとって、非常にありがたいことですね(^^)

 幻想植物の伝承があったとしても、書き残してもらえなければ、その伝承は、ほとんどの場合、消えてしまいます。口承は、語る人がいなくなれば、それまでですからね。

 私より先に、幻想植物を研究している人は、ほとんどいません。このため、幻想植物の分類も、ほとんどなされたことがありません。
 手探りで幻想植物を集めてゆくうち、何とか、分類ができるようになってきました。現時点で、私は、以下の五つのグループに分類しています。

1.世界樹グループ
2.異世界の象徴グループ
3.人間の願望充足グループ
4.動物との混淆【こんこう】グループ
5.その他

 これは、あくまで、仮の分類です。今後、変わる可能性があります。
 幻想植物は、実体がないものだけに、上記の二つ以上のグループにまたがる植物もあります。「その他」は、どうにも分類のしようがない幻想植物の寄せ集めです(笑)

 1の世界樹グループは、何となく、わかっていただけると思います。世界の多くの民族に、「この世を支える、巨大な世界樹がある」という思想があります。
 世界樹と言えば、北欧神話に登場するユッグドラシルが、有名でしょう。世界樹と呼ばれる幻想植物は、ユッグドラシルばかりではありません。他にも、たくさんの世界樹があります。

 2の異世界の象徴グループは、「異世界であることを表わすために、そこに生える植物」です。
 幻想動物でもそうですが、普通に人間が暮らす街のど真ん中に、幻想植物が現われることは、まず、ありません。街中から遠く隔たった辺境や、冥界、神々の国、妖精の国などに現われます。
 幻想植物は、幻想動物より、その傾向が強いです。文字どおり、地に根差しているからです。

 3の人間の願望充足グループは、おそらく、薬草にヒントを得たものと思います。
 世の中には、数々の病気を治す薬草が、実在しますね? それなら、「万病を治す薬草」や「長生きをする薬草」、果ては、「空を飛ぶ薬草」や「美人になれる薬草」があるのではないかと、昔の人は期待しました。期待は願望となり、願望を充足する幻想植物が生まれました。

 4の動物との混淆グループは、植物なのに、動物の性質を持つ幻想植物です。
 例えば、有名なマンドラゴラが、そうですね。マンドラゴラは、根っこがヒトの姿をしているといわれます。引き抜く時に悲鳴を上げるというのも、有名な話ですね。
 ただし、マンドラゴラは、純粋な幻想植物ではなく、実在する植物です。実在するマンドラゴラのほうは、根っこがヒト型になることは、まれです。もちろん、悲鳴は上げません。実在するマンドラゴラの性質が誇張されて、幻想植物のようになってしまいました。

 講演会では、1.2.3.4.のグループを話したところで、時間切れになってしまいました(^^; 時間どおりにきっちり話すのって、難しいですね。

 大ざっぱな幻想植物入門編でしたが、聴いて下さった方々には、面白かったと言っていただきました。ありがたいことです。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する