医者になるまでなってから　〜高校卒業〜

　徳島大学の記念受験から帰った俺は、高校の卒業式を迎えた。
　
　ほとんどの奴らは内部推薦でほぼエスカレーター式に上の大学へ進学していく。
　しかし俺を待っているのは浪人生活。
　でも内部進学に何の未練もない俺は、別に何とも思わなかった。
　むしろ高校生活とおさらばできることに、すがすがしさを感じていたよ。
　ちなみに覚えている範囲では、俺以外に内部進学しなかったのは数名。
　一人はめちゃ優秀なやつで、某旧帝大の理系学部に進学。
　一人はよく分からんのだが、好きな音楽の世界に飛び込んでいったらしい。
　んで、実は2人留年した奴がいたのだ。これには俺もビックリしたが。
　なんでも内部進学の簡単な試験で落とされたそうで、翌年の再挑戦のためもう1年高校生活を送るとのこと。いやはや俺には理解できん。

　とにもかくにもようやく高校3年間が終わった。
　俺はその日が来るのをどれだけ心待ちにしていたことか。
　このMARCHの附属校、とにかく俺には全く合わなかった。
　勉強してるってだけで白い目で見られるし、そもそもこんな環境では医学部を目指す人間なんて異端だし、切磋琢磨できる同級生はいないし、実に孤独な3年間でしたよ。
　まあ、そんな高校だから俺も完全に勉強しない人になっちまったんだが。
　
　人間って弱い生き物です、環境ってホント大事ですよ。

　そして4月からは浪人生活の始まり。
　代々木ゼミナールの生徒になるのでありました。