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2020年04月08日21:19

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「血清検査」でロックダウンからの解放なるか、新型コロナ(記録・公開)

「血清検査」でロックダウンからの解放なるか、新型コロナ

AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3277717?cx_part=top_latest

【4月8日 AFP】「血清検査(抗体検査)」は、新型コロナウイルスへの対策として世界の国々が実施するロックダウン(都市封鎖)からの解放でカギとなる──。この検査では免疫によって作られた抗体を検出するため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった人で理論上は職場復帰が可能な人を断定できる。

■高まる関心
RT-PCR法として知られる現行の検査方法は、検体採取に侵襲性を伴う場合があり、個人がウイルスに感染しているかどうかを調べるのに遺伝子解析を用いる。

 血清検査は、血液1滴だけで実施でき、ウイルスの抗体を見つけることに重点を置いている。抗体があれば、その個人はCOVID-19にかかっていたが、すでに免疫を獲得している可能性が高いということになる。

 英バース大学(University of Bath)のアンドルー・プレストン(Andrew Preston)准教授(微生物病因学)は「抗体は免疫応答の重要な構成要素の一つだ。感染から約1週間で検出可能になり始める」と説明した。

 COVID-19の免疫応答に関連する抗体は2種類ある。人体がウイルスへの反応の初期段階に生成するIgMと、感染の後期に出現するIgGだ。

 現在開発段階にある検査は、IgMとIgGの両方の抗体を同定できる。これらの抗体は、新型コロナウイルスに対する患者の自己免疫反応を示す重要な特徴となる。

■供給の問題

 血清検査が極めて重要な役割を果たすのは、COVID-19の罹患者のうち、症状を示していなくても、他人にウイルスをうつす可能性のある人が大きな割合を占めているからだ。

 血清検査が広く適用可能になれば、現在世界中で数十億人が経験しているロックダウンから解放・職場復帰できる状態の人を確認するために利用できるようになる。仏生物学者連合(French Union of Biologists)のフランソワ・ブランシュコット(Francois Blanchecotte)会長は、AFPの取材に「主要な課題は、皆が職場に戻れるようにするにはどうすればよいかだ」と語った。

 だが一部の専門家からは、血清検査の世界的な需要が供給を著しく上回る可能性が高く、生産が追い付かないとことを指摘する声も上がっている。

■落とし穴

 血清検査は、完璧な解決策というわけではない。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のマイケル・スキナー(Michael Skinner)准教授(ウイルス学)は、「血清検査の使用は慎重に行われなければならない。使用する時期が早すぎると、回復期にある患者にはまだウイルスが残っていて体外に放出する恐れがあり、他者へのリスクとなる可能性がある」と指摘する。

 こうしたリスクを考慮し、世界では今後もRT-PCR検査の生産と使用を継続し、血清検査と組み合わせて利用する可能性が高い。これについて前出のブランシュコット会長は、「二つの検査が組み合わせて用いられるかもしれない。RT-PCRで検査対象者にまだ感染力があるかどうかを調べ、血清検査で対象者が抗体を持っているかどうかを明らかにする」と説明した。

 また、この他にも落とし穴となる可能性があるのは、COVID-19から回復した人が再感染に対して免疫があるかどうかが正確には分かっていない点だ。

 ロックダウン状態にある国々の大半では、いまだに検査能力が不足している。そのため、たとえ抗体検査が広く利用できるようになったとしても、移動規制の解除がいつになるのかはまったく見当がつかない。

 だが、血清検査は人類の何パーセントがCOVID-19に感染しているかを確実に知る唯一の方法だ。この割合は現時点でのさまざまな不明な点、とりわけ致死率に関する判断材料の一つとなる。(c)AFP/Paul RICARD







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