mixiユーザー(id:31691303)

2020年03月01日18:27

32 view

77 詩・短編を書いてみた (第1903回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
だいたい1000字以内なので暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b


78「ロケットを見つめる女の子」

■■■■■■■

地球外生命体との戦いに負けた西暦2191年から5年。
我々
地球人は生き残るために地球外生命体と交渉を行った。

人類を殺さないようにしてほしいと…。
1年にも及ぶ交渉の末。
このような約束が交わされた。

「設けた猶予期間の間に、人類は地球を離れて別の惑星へ移住すること。移住せずに地球に残った人類の命は保証しない。」

この約束により
多くの人類は
開拓が進んでいた火星に移住し
新しい人類史を作り始めていた。

しかし
その中には移住する選択を放棄して地球に残る者もいた。
その一人である少女は
期限の最終日に
火星へ向かう最後のロケットを見送っていた………。

――――

ロケットに乗る少し前のこと。
僕は自分の心を緩ませようと
ロケットが良く見える発射基地の屋上兼展望台に立っていた。

そこから見える今日の空はとても青く。
地球最後の日とは思えない美しさだった。
これなら
いつもよりもロケットがハッキリと見えるだろう。

ゴゴゴ……。

僕が乗る前のロケットが打ち上がっていく。
爆音を撒き散らしながら上空へ登り
そのロケットの後に作り出された一筋の飛行機雲は
まるで人類の希望が形になったかのようで
僕は不思議と見続けてしまう。

期待と不安が入り交じる感情を抱えながら…。

ロケットは小さくなり
僕はため息を吐きながら視線を左に移す。
すると
その視線の先に
白いワンピースを着た
僕と同じくらいの女の子が立っていた。

あの子も乗るのかな…?

そう思った僕は珍しく話しかけた。

人見知りが少し入っている僕からすれば珍しい行動だろう。

「こんにちは」

声をかけると
女の子はそれに驚いて僕を見た。

突然
話しかけたからビックリしたのだろうか…。

「……。お、驚かせてごめんね。こんな状況だからお話ししてみたくって」
「……そう」

彼女は僕からゆっくりと視線を空に戻す。

「き、君もロケットに乗るの?」
「……。私は乗らないわ」
「えっ…? 乗らないの!?。どうして!?」

僕はその理由を尋ねたが
彼女は黙ったまま答えてくれなかった。

教えたくなかったのだろうか…。

僕は彼女の雰囲気に
一体どうしたらいいか分からず
ただただ彼女と同じ方向を見るしかなかった。

原っぱの匂いを掴んだ風が吹く。
それは僕の意識を彼女から離そうとしているようだった。

もう帰ろうかな…。

そう思った時
彼女がこんなことを聞いてきた。

「ねえ、人類はどうしてこうなったと思う?」

その突然の質問に動揺しながらも僕は答える。

「え…? そりゃ…。人類が負けたからだろ?」
「違うわ。人類が愚かだったからよ」

そう言って
彼女は手を伸ばして
その人差し指で飛行機雲をなぞるように動かす。

「人類は間違えたの。自分達のあり方を」
「あり方…? 一体、どういう意味?」

この問いにも彼女は答えてはくれない。
「ねぇ、アナタはロケットに乗るの?」
「えっ、うん…。最後のロケットに乗る、予定…」
「そう…。ねぇ、人類はどうあるべきと思う?」
「どうって言われても…。僕には分からないよ…。」
「そう…。まぁ、いつか分かるときが来れば良いわね」

寂しそうに空を見る彼女。

「君は一体…」
そう尋ねようとした時
搭乗時間が迫っていることを知らせに
母が展望台へやって来た

「もうすぐ発射するわよ!」
「わ、分かった。じゃあ……。あれ…?」

母から彼女に視線を戻すと
さっきまでいた女の子がいなくなっていた。

どこへ…?

「早く来なさい!」
「わ、分かったよ…!」

僕は後ろ髪を引かれる思いのまま展望台から離れた。
そして
ロケットに搭乗しその時を待った。

少しして
カウントダウンが始まり
ロケットは打ち上がる。

身体に刻み込まれるような振動を感じながら
僕を乗せたロケットは大気圏を出た。

その窓から地球を覗くと
カガーリンが言った「地球は青かった」その言葉の意味が凄く分かる。

「凄いなぁ…」

その感動と同時に
地球を一定間隔で覆う細長い無数の機械が落ちてきた。
おそらく
あれが地球外生命体の地球人を消滅させる物だろう。

女の子は大丈夫なのだろうか…。

それを知る術は自分にあるはずがない。
ただ
彼女のことを考えると思ってしまうのだ
彼女は地球の声だったのではないかと……………。
7 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する