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2020年02月02日13:47

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永遠の門 ゴッホの見た未来(At Eternity's Gate)

 「潜水服は蝶の夢を見る」「夜になるまえに」のジュリアン・シュナーベル監督が画家フィンセント・ファン・ゴッホを描き、2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、ゴッホ役を演じた主演ウィレム・デフォーが男優賞を受賞した伝記ドラマ。画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。やがて弟テオの手引きもあり、待ち望んでいたゴーギャンがアルルを訪れ、ゴッホはゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。しかし、その日々も長くは続かず……。作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家が人生に何を見つめていたのかを描き出していく。ゴッホ役のデフォーのほか、ゴーギャンをオスカー・アイザック、生涯の理解者でもあった弟テオをルパート・フレンドが演じるほか、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリックら豪華キャストが共演。(映画.comより)









 絵の才能や美的センスはないけれども、有名な人の人生をたどることはできる・・・そう思っていろんな映画にチャレンジしている私。これは、音楽に関しても同じです。で、ゴッホに関しては、カンパーバッチさんの映画(向こうではテレビ映画だったのかな?)を鑑賞してみましたが、イマイチ理解できず。少し前に来た「ゴッホ 最後の手紙」という油絵タッチの映画も見逃して、無粋街道まっしぐらだったところに、たまたま田舎で公開していたという理由で「世界で一番ゴッホを描いた男」という中国映画を見たのです。これがおもしろかった!中国の実在する街で贋作を制作している人々の話なんですが、だんだんとゴッホに体ごと、人生ごと飲み込まれてゆく彼らが魅力的で、何とも言えない味わいでした。贋作と言えどもやっぱり才能が必要で、また他に仕事もない逃げてきたような人も多いため、ちゃんと描けない人に対する指導も「描き直せ」としか言えず具体的なボキャブラリーが少なかったり。それでもゴッホに囚われてしまった人々はその足跡を訪ねてヨーロッパに行く機会を作るのです。私はこの映画で初めてゴッホについてきちんと認識することができました。

 そこで来たのがこの映画!しかも主演は名優ウィレム・デフォーです!幸運でしたね〜。ゴッホの人生は大方の人が把握していると思うので割愛しますが、素晴らしい映画でした。仲良しで有名な弟テオがルパート・フレンドだったので、「あれ?いかに言っても年齢が違いすぎるんじゃ・・・。この兄弟って、腹違いだったっけ?」とここで初めて違和感を抱き、早世だったゴッホは30代で亡くなったから、そもそもデフォーだった時点で違和感を感じるべきだったことを後に知りました。恥ずかしい。超貧困人生だったうえ、変人過ぎて自分に構わな過ぎたため、歯は早くからボロボロ、見かけは老人のようだったと記されているのを見た時、一昔前のイーストウッド御大の映画「バード」を思い出しました。

 監督が芸術家だからか、人生をたどるだけではなく「感じる」映画になっていると思うのですが、私のような凡人でも難解さを感じることなく見れたので、よかったと思います。名優のなせる技かもしれませんね。ちょうど日本で「ゴッホ展」が開催されているので行ってみたいのですが、メディアに映るあまりの人出に物おじしているこの頃です。そうそう、エマニュエル・セリエがゴッホが下宿する部屋のおかみさん(?)役で出ててビックリでした。色気と毒味で勝負、みたいな女優さんだったのに(いやもちろんいい人の役もあったけど)、すっかり落ち着いちゃって。誰かと思いました。

 ともかく、出会えてラッキーな映画でした。

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