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2019年06月30日12:56

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星の王子さま

こ星の王子さま
まず浮かんで出るのは 唯一この文章。

J'ai vecu seul sans personne avec qui parler veritablement jusqu’a une panne
dans le desert du Sahara eloigne a mill milles de toute terre habitee.

多分、レコードかなんかで、耳から入って、記憶の引き出しに格納されたものと思います。

いささか旧聞となりましたが、5月にフランス語科総会で行われた、
我々の後輩で、翻訳家の河野真理子さんの講演について、ご報告致します。
フォト
手前の頭は難波さんです。

まず翻訳に至った経緯。
一斉に新訳が出てきたのは、St-Ex,の版権が没後70年経過して切れたためとここと。
通常、没後50年だけど、彼の場合は戦争が入った為、特例で版権消滅がおくれた。

で、彼女に出版社から、翻訳のオファーがあり、新訳に取り組んだ由。

彼女の訳は評判となり、100万部を超える売上で、大成功。
三田誠広とか、池澤夏樹そうそうたる文学者の訳を抑えて、売上topらしいからスゴイ。
私もその場で一冊贖い、販売部数に多大の貢献をしました。

翻訳のテクニックについては、キツネと王子さまの出会いの場面の一節を載せて
彼女自身の訳文と内藤濯と、池澤夏樹さんの訳を対比させての説明でした。

その一部だけ、紹介すると、

Le renard se tut et ragarda longtemps le petit prince:
s’il te plalt, apprivoise-moi! dit-il.

キツネはだまって、長いこと,王子さまの顔をじって見ていました。
「何なら・・・・おれと仲よくしておくれよ」と、キツネがいいました。

内藤訳は我々が親しんだ、おなじみの訳だけど、如何せん文章が古く我々が読んでも
なんとなく違和感があったのを覚えている。でも、名訳だそうです。

キツネは黙って、長いあいだお王子さまを見ていた。
「お願いだ・・・・おれを飼いならしてくれ!」
池澤さんのは文章が硬く、漢字が多くて子供が読むにはどうかな?

キツネはふと黙ると、お王子さまを長いあいだ見つめてた。
「おねがい・・・・・なつかせて!」
なるほど、彼女の文章は、先達さんのを徹底的に改善しており、文章も滑らか、
漢字も制限してあり、すごく読みやすい。

けど、この”apprivoiser”の訳はなんだか変だな。こんな日本語はないよ。

この訳に至った経緯を彼女は熱心に説明していたけど、
それについて出席者は皆、フランス語については一家言ある人達だから、
議論百出、面白かった。

70年前の本の改訳でも、当たればすごいんだな!
あなた挑戦してみない?




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