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2019年11月04日16:39

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71 詩・短編を書いてみた (第1895回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
だいたい1000字以内なので暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b

71「思い出のビー玉」

■■■■■■■■■■
【あらすじ】
街の外れには
幽霊が出るという家がある。
その見た目は人間の身勝手さに負けたようなボロボロの家で
僕の冒険心がくすぐられてしまう。
僕は準備を整えてその廃墟へ入るのだった………。

――――

生い茂る草木をかき分けて
開いている玄関の隙間から廃墟の中へ入る。
床は腐り足元は穴が空いていて
柱は白蟻に食べられたかのようにスッカスか。
きっと
僅かな震動でも倒れてしまうだろう。

そんなスリリングな1階を巡り諸々と楽しみ
僕は二階に向かう。
そこは1階よりも
もっとスリリングで自分の探索心を満たすことが出来た。

『満足、満足』

そう心の声をこぼしながら
自宅へ帰ろうと僕が1階へ降りようとした
まさに時だった…。

「お兄ちゃん。誰?」

僕はその声に驚き
階段下に視線を動かしてピントを合わせる。
すると
そこにいたのは『双子』と呼べるくらい似ている子達だった。
子供らしいとても可愛い二人だけど
彼達は互いに手を強く握り
精一杯の勇気を僕に向けている。

僕は言葉を間違えないように
「悪い人ではない」ということを伝えた。
すると
僕が危害を与える人ではない
というのが伝わったのか
彼達は不安を抱えながらも
緊張した顔が少し緩んだ。

僕は胸を撫で下ろす。

良かった。
安心してくれたみたい。

そう思った時
彼達は僕に向けて手招きをしてきた。

「どうしたの?」と聞くと
どうやら彼達は僕と遊びたいらしい。

まさか誘われるとは…。

僕は彼達に近づくかどうか迷った。
恐らく二人は幽霊。接触すれば身の危険があるかもしれないからだ。
しかし
そう思って警戒はしたものの
二人の姿に僕は警戒し続ける事が出来ず
つい「そっちに行っても良いの?」と聞いてしまった。

それから
僕は彼達に近寄り
家の中で一緒に遊んだ。
かくれんぼ。
鬼ごっこ。
キャッチボール。
今ここで出来る昔ながらの遊びをたくさんと…。

彼達はどれも楽しそうで常に笑顔だった……。


それから時間が経ち
役所が設置したスピーカーから蛍の光が流れた。
それは今日の終わりを教えてくれる音楽。
腕時計を見ると
それなりの時刻になっていた。

彼達もその事に気づいたようで…。

「あぁ、楽しかった〜。お兄ちゃん。ありがとう」
「どういたしまして」
「はい、お礼にこれ!」

彼達の一人が僕に何かを掴んだ手を差し出した。

何だろう…。

それを見ると
それは赤と青のラインが入っているビー玉だった。

「ありがとう。大切に……。あれ…?」

お礼を伝えようと顔を上げたが
その時には既に彼達はいなくなっていた。

名前ぐらい聞いていたら良かったかな…?

そう思いながら
ホッとした気持ちと
寂しい気持ちを感じていた……。


それから数年後。
僕は結婚して子供が生まれた。
子供は2歳くらいになり少しだけ言葉を話す。
その仕草は本当に可愛くて
ちょっとした仕草に胸が熱くなるほどだった。

そんなある日。
昔の荷物を整理していると
あの廃墟を探索した時に履いていたジーンズが出てきた。
それは所々が泥で汚れている。

懐かしさを感じつつ
不思議な体験の思い出を懐かしんでいると
ポケットから何かが落ちた。
それはあの子供達から貰ったビー玉1つ。

まだ、あったんだ…。

そのビー玉を拾うと
後ろから息子が声をかけてきた。

「お父さん、何してるの?」

私は振り返り
そのビー玉を息子の手に見せた。
すると
息子はそのビー玉をジッとビー玉を見つめる。

どうしたのかな…?

私は少し心配になった。
すると
息子は顔をあげて私の目をジッと見ながら純心な笑顔でこう言った。

「ありがとう」

その言葉に何故かドキッとしてしまった。
まるで
あの時の子供がお礼を言っているようだったから。

私はどのように返せば良いか分からず
「どういたしまして」と返す。

すると
息子は笑顔のまま
そのまま部屋を出ていった。


不思議な時間だったと感じている。
でも
この感じは今日だけなのだろう。
何故かそう思うんだ。

私は大きく背伸びをして
ビー玉をあのジーンズのポケットに直した………。



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