台風や勤務の関係で秋会期も終盤に入ってようやく、本島入りを決定。
秋桜の咲いた土手を登って今回はJRで出発です。券売機が調整中だったため車掌さんから購入しました。
丸亀駅に着いたのは8時半前。
駅からゆっくりと港までを昭和レトロな町並みを歩いて・・・
9時出航のフェリーに乗るべく、往復券(1070円税込)を購入します。
乗り込んで港を見ると・・・
前回以上にお見送りがよく見えました。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1956318510&owner_id=10363401
丸亀城やボートレース場を見ながら・・・
さらに、すれ違う船や造船場なども見えてきます。
ウーム!多島美とはこのことですな!!
瀬戸大橋も東にあって実に美しい。
本島が見えてきました。
約35分で3年ぶりの本島へ!
すぐに自転車を借ります。(一日500円)。
まずはサイトにも載っていた島娘で・・・
用意したばっかりであろう山積みになった数種類のメニューから・・・
島娘弁当(1000円税込)をチョイス。
本島の食材で作っていてたこ飯やたこ天に小エビと野菜のかき揚げなども美味しい!
残念ながら地元の人しか食べられないコバシラの天ぷらは今日はなかったです。
腹ごしらえした後は、いよいよ作品巡りと参りましょう。
まず港周辺の泊(とまり)地区から!
※はサイト作品説明。
本島作品ナンバー1石井章作「Vertrek『出航』」2013年。
キャッチフレーズ「往年の航海を思わせる鋼の彫刻」。
※日本で初めて太平洋を往復した咸臨丸には、塩飽諸島出身の船員が多く乗船していたという。これにちなみ、帆を上げ宙に浮く咸臨丸の彫刻を設置した。※
前回から健在ですが、やや腐食気味・・・。
うーん!いい天気。瀬戸大橋が近くに見える島です。
本島作品ナンバー3五十嵐靖晃作「そらあみ<島巡り>」2019年。
キャッチフレーズ「島から島へ、海のつながりを広げる漁網」。
※本島、牛島、広島、手島、小手島、高見島、佐柳島、志々島、粟島で漁網を編むワークショップを開催。島に暮らす漁師や一般参加者が秋会期に向けて編み上げた漁網を、春会期に制作したものとつなげる。全長120メートルとなった漁網を泊海岸の波打ち際に垂直に設置。天候の移り変わりと潮の満ち引きによって見え方が刻一刻と変化する。漁網を編むことで、人と人、海や島の記憶をつなぎ、網の目を通して土地の風景をとらえ直す。※
春開催の沙弥島もそうですが、毎回、一から作っているのが好印象。相変わらずきれいですね!
本島作品ナンバー2川口豊・内藤香織作「シーボルトガーデン」2013年。
キャッチフレーズ「シーボルト由来の植物でつくる庭」。
※江戸時代に、瀬戸内の魅力をヨーロッパに伝えたドイツの医師、博物学者のシーボルト。彼が持ち帰ったという日本の植物を育てる庭を長期的に展開。※
あまり変わり映えしないですね!
しかし維持するための手入れが大変そうです。
キリギリスが乗っていたのでパチリ。
本島作品ナンバー4中村厚子作「海境」2019年。
キャッチフレーズ「スモークと光で潮流を表現」。
※網元の家であった築100年を超える古民家を舞台に、本島周辺ならではの複雑な潮流を再現。室内に入る隙間風や人の動きによって動くスモークに、レーザー光を当て、流動的な水面を表現する。危険と隣り合わせの漁師の暮らしや文化を思い起こさせる、体感型インスタレーションになっている。
タイトルは、生と死、平穏と危険といった境界を、神話に出てくる海境(人間界と海神の世界の境界)ととらえて付けられた。※
新作。
体感的な境界と煙から海のさざ波が感じられて良かったです。
本島作品ナンバー5村尾かずこ作「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」2013年。
キャッチフレーズ「昔話や言い伝えなどを絵看板に」。
※島の人から聞いた言い伝えや、島に活気があふれていた時代のエピソードを調査し、図案化。絵看板にして、島内の店や民家の軒先に設置した。※
位置や作品ともに前回そのままでしたが、少し減っていました。
本島作品ナンバー6眞壁陸二作「咸臨の家」2016年。
キャッチフレーズ「様々な絵画の文化を超えてつくる家」。
※咸臨丸の水夫だった横井松太郎氏の生家が会場。江戸時代の杉戸絵やモスクのタイル画、教会のモザイク画などを発想の原点にした多様で色彩豊かな空間を制作。※
こちらも前回同様でしたが、今回は入場の人数制限をしていました。
さて、甲生(こうしょう)エリアに向かいます。
道中の名もなき缶アートがカワイイ!
そして塩飽勧番所も門構えだけで作品まで急ぎます。
本島作品ナンバー7ラックス・メディア・コレクティブ作「恋の道」2019年。
キャッチフレーズ「意識という流れに漂う船」。
※レンチキュラー(見る角度によって色や絵柄が変わるプラスチック製のシート)で覆われた、子供が紙を折ってつくるようなかたちの船を、実際の船に乗せ水に浮かベる。幾何学的形状と光学的性質の素材を利用して表現される船である。櫂がなくなって漂い、どうなるとも知れない恋の行方を歌った平安時代の短歌から着想を得ている。潮の干満や流れとともに水面で炎のように揺れる。※
新作。
ホント折り紙で作った様な角度と色あい。干潮ですね〜。
近くには小さな神社がありました。
本島作品ナンバー8古郡弘作「産屋から、殯屋から」2016年。
キャッチフレーズ「生と死を見つめ、過去からの力を未来へつなぐ場」。
※本島でゆったりとした濃い気配を感じた作家は、死者を埋葬する場所と霊をまつる場所を分ける両墓制習俗に着目。島で感じた空気や大地のエネルギーを作品に置き換えた。※
前回同様に異様な雰囲気に包まれました。今回は魔除け的な赤、炎の赤を感じました。
さあ、まち並保存センターのある笠島地区に移動です。
今日は天皇陛下の即位の儀がある日なので神社も祝っています。
そして瀬戸芸の青い旗は、どの島に行っても道標の役割も果たしてますね〜。
本島作品ナンバー9齊藤正×続・塩飽大工衆作「善根湯×版築プロジェクト」2013年。
キャッチフレーズ「船大工の存在を風化させないために」。
※ 高さ8メートルの塔などを備えた建物。かつて塩飽諸島には優秀な船大工が多くおり、江戸中期以降、宮大工や家大工となった。その復活を願い、続・塩飽大工衆として建設。※
前回同様どこか中東っぽい印象なんですよね〜。
ここからは岡山側の鷲羽山ハイランドがよく見えます。
さあ、「丸亀市塩飽本島町笠島伝統的建造物群保存地区」に入ります。
こちらには本島瀬戸芸作品が3か所あります。
本島作品ナンバー10ツェ・スーメイ作「Moony Tunes」2016年。
キャッチフレーズ「かつて産地だった石をモチーフに」。
※旧家に直径2メートル超の円形大理石と赤い糸で吊った火山岩を設置。「石と月」「海と宇宙」の関係を暗示。※
前回もありましたが、大阪万博のズバリ「月の石」って感じですかね〜。
本島作品ナンバー11ピナリー・サンピタック作「笠島ー黒と赤の家」2019年。
キャッチフレーズ「失われたものへのオマージュ」。
※塩飽水軍の子孫、最後の塩飽大工の作業場だった空き家で、黒と赤を基調に、家主が残したものやタイと日本の伝統工芸品でインスタレーション作品を展開。「黒と赤」は作家の考える日本の美学の本質を表す色であり、木炭と縁起の良い花の色でもある。玄関には、タイの伝統的な花輪が飾られ、工芸品のキッド枕は来場者が自由に使用できる。失われた工芸品、文化、人々の出会いの場となる。島の他所ではタイの食も提供する。※
新作。
作品もさることながらタイレッドカレーが美味しそうでした。最初にお弁当食べたのでここでは食べられませんでした・・・。
本島作品ナンバー12アリシア・クヴァーデ作「レボリューション/ワールドラインズ」2019年。
キャッチフレーズ「伝統建築の中の特異な空間と宇宙」。
※重要伝統的建造物群保存地区に選定されている笠島地区。塩飽大工の建てた建物の中で柱や梁、畳や建具のもつ均整を利用し、残された備品も使用して、実像と虚像が織りなして展開されるインスタレーション。
また大阪城築城で石を供出したこともある本島の石を使い、ステンレスのリングと共に惑星の軌道をイメージさせる作品を発表。欧州出身の作家の空間、時間、科学そして哲学の概念が、日本の伝統的な建物の中で展開される。※
石とステンレスのリングを使った作品よりも鏡に映った空間を鏡の裏では対として現実に再現していたり少し変えてあるインスタレーションに虚構と言うか、そんな哲学的な衝撃を受けました。
ここで最後の作品に向かって笠島まち並保存地区を後にします。
本島作品ナンバー13アレクサンドル・ポノマリョフ作「水の下の空」2016年。
キャッチフレーズ「風で揺れる、砂をまとった船」。
※作家は島で漁師の重労働や造船技術を知り、また文化をかたちづくった時の流れを感じたことで、和船を思わせる立体作品を制作。船底には古い網やロープがもつれ合い、幻想的な町のようなレリーフに。※
前回は気付かなかったけど、これもある意味、現実と虚構をテーマにしていると思いました。
そんなこんなで新作は13作品中5作品とそんなに多くはなかったですが、新作の中でも特に本島作品ナンバー12の鏡を使った作品がダントツで秀逸でした。
この作品は実際に観るべきですね〜。
帰りは12時35分のフェリーでゆったり舟をこぎながら(笑)丸亀港までのひとときを過ごしました。
ログインしてコメントを確認・投稿する