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2019年05月24日09:51

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よたよた日記143「レア・アイテム」

■「目玉焼き」に何をかけて食べる?「醤油」52.3%
(TOKYO FM + - 05月23日 11:40)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=257&from=diary&id=5631334

「目玉焼きには何をかけて食べる?」
「朝食に目玉焼きはめったに出ないからねえ、、、、」
「、、、、だから?」
「しっかり時間をかけて食べるのさ」

「ナイトーインー新宿」

予定時間を繰り上げて早めに新宿に向かうことにした。山手線のシートに座ると不運の連鎖による疲れの為かついうとうとしてしまった。たしか50年ほど前にも似たような顔つきの若い男がこの電車のシートに同じようなくたびれた顔をして座っていたはずだ。

男は大学にも行かず、田町から少し歩いたところにある貨物船の荷下ろしの検数請負会社のバイトに通っていた。当時東南アジア方面からおびただしい数のラワン材が東京湾に運ばれてきていた。貨物船の船倉に積まれた木材が3本、5本とワイヤーでくくられクレーンで吊り上げられて海面に下ろされる。ラワン材はてきぱきと筏に組み上げられ木場あたりに曳航されていく。そのラワン材の本数を数えるのが仕事だった。

日給にすれば千円だったのか2千円だったのか、、、、当時の家賃は畳一畳が1500円くらいで3畳間を借りていたのでとりあえずは家賃と食費だけはバイトで稼がなくてはならなかった。バイト上がりの電車に座って、おそらく今夜も食べることになるだろう袋入りの札幌味噌ラーメンのことを考えていた。味噌ラーメンを食べ続けて今日で四日目だ。そろそろ寒水の匂いが鼻についてきた。そうだ、今夜はちょっと贅沢をしてラーメンにコロッケをトッピングしてやろう。そんなことを思いながら若い男は電車に揺られていたはずである。

あれから半世紀、男はなんとか生き延びて同じような表情でシートに座っている。さすがに一週間毎日袋入りラーメンで食いつなぐような生活ではなくなったものの、その日暮らしであることに違いはない。もう新宿東口の週末の雑踏にもまれる体力も気力も持ち合わせてはいないが、50年という時間の流れが新宿という街とロクデナシ野郎との再会にどんな演出効果をもたらすのかを観察するのも一興かもしれない。そんな気分で新宿東口に降り立った。




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