mixiユーザー(id:57559642)

2019年05月17日19:30

88 view

小説 サングラス (姉妹)17

小説 サングラス (姉妹)17
 酒匂から尚美を撮影するので手伝ってと言われてから5日経った。その間、何度も尚美と顔を合わせたが尚美は一言も撮影の話しをしなかった。わたしが撮影を手伝うことは知っているはずなのにと、少しいぶかしんだが美穂は気にしないことにした。
 元々酒匂は助手など必要としない。1台のカメラにズームレンズを付けて、花もスナップも風景もこなす。
「本当はレフとかストロボとか使った方が良いのだけどね。重いし面倒だし、使い方を知らない。撮れないものは撮らなければいいのだから・・」
 それが酒匂の撮影スタイルであることを美穂は知っていた。何度か酒匂に撮ってもらい、雨で屋外撮影ができずに、店内で撮った時も外光を利用したのだ。冗談半分で美穂がセミヌードになった時、目隠しをしないと外から見えたら大変だと、窓ガラスにアルミホイルを張った。それで室内が暗くなったのだが酒匂は美穂の立ち位置を変え、身体のラインを強調する撮り方に変えた。白いテーブルクロスを肩から足元へ流し、光の当たる部分の肩紐を外したので、写真だけ見たらヌード写真に見えた。尚美はその写真を見てわたしがヌードを撮らせたのかと驚いたほどだ。わたしに撮影同行を求めたのは、押しの強い尚美の防壁になって欲しいのだろうと、美穂は理解していた。
「美穂ちゃん、すぐに出かける用意をして」
 尚美の撮影を翌日に控えた夜、母が突然部屋へ来た。
「駄目よ。わたしだって予定があるもの」
 めったに話さない母の訪問に美穂は愕いた。母には秘書がいて、資金調達や入金管理など、すべて秘書を通じて指示される。いずれは国会を狙っている母は、人脈造りと称してほとんど家にはいない。食事すら一緒に取ることは少ない。
「明日、東京で何人かの議員と会うのだけど、お金の流れに詳しいあなたの説明が必要なの。10分後に家を出る。飛行機も列車も間に合わないので高速を飛ばすわよ」
 母は言い出したら聞かない。わたしがいつも持ち歩いている書類や通帳などを整理する間も無く、母に急き立てられて部屋を出るしか無かった。
 車はキャンピングカーだった。運転は、秘書と運転手が交代で飛ばすと言う。美穂は、急用で明日の撮影に同行できないと、酒匂にショートメールを送るしか無かった。(続く)

獅子座クウネルのつぶやき獅子座
 明日は雨のようですね。油津のイベントは雨天決行との事ですが、さすがにあきらめるしかなさそうです。それにしても、昼間と朝晩のこの寒暖差は何でしょうね。昼間は半そで1枚で暑い暑いと感じていたのですが、夜になると寒くなってジャンバーを着ています。心はそうでもないのですが身体はデリケートなクウネルです(笑)
 軒下の鉢植えあじさいが咲きだしました。真ん中の写真はなんとか撮れたホタルの写真です。やっとパソコンに取り込みました。1枚でも撮れたから去年より進歩かな?
0 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する