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2019年03月31日08:14

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『きみの声を聞かせて』(小手鞠るい)を読みました。

小手鞠るいさんの本
1冊読んでよかったから
図書館で小手鞠るいで検索して
(どんな物語なのかしら?)と思った、この作品を借りてみました。


”きみの声を聞かせて”


タイトルだけをみて、中身(内容)を想像する。

声をだせない人がでてくるのかな?



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私の場合、小説は、文庫本でもハードカバーでも、全部読むとなると、時間がかかるし、まだらっこい、と思っちゃうことがしばしば。
だから、小説で気になるタイトルがあると、まず、パラパラっとめくって、目に飛びこんでくる文章から、なにか響くものがあれば最初から読みはじめる。


今回の小説は、まさに、『読みたい。物語がどう終わるのか気になる!』と思った本でした。

30分くらいでさらっと1冊読んでしまいました。(途中、ちょっととばしちゃったとこもあったけどね)

日本に住む中学2年生の少女と、アメリカに住む16才のピアノ弾きの男の子の交流を描いた作品です。


少女は、あるときから言葉を発することができなくなり(=失語症になった)
男の子は、生まれたときから目が見えないひと。

「ベストフレンド」という、「ツイッター」に似ているが、ツイッターと大きくちがうのは、写真のかわりに好きな音楽や音を送りあうようになっているツールで交流するサイトがある、という設定。

少女は、ある日、「海を渡る風」というハンドルネームを見つける。
すてきな名前-----
そう思いクリックすると、自己紹介が載っていた。
コメントも、音楽も、不思議な感じだった----
不思議だけど美しい。そして、悲しい。わたしのかかえている「悲しみ」が、そのまま音楽になっている、そんな気がした。

男の子のピアノの曲をきいた少女は、詩だけを返す。

少女は、「いちまいのこのは」という名前で登録している。
男の子は、それを、美しい名前だと思った。

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という出会いをする2人。

音楽を送り、詩が返ってくる。 というやりとりをしていく2人。手紙のようなメッセージはまったくなかった。


最終的には、男の子が日本でコンサートを開くことになり、少女を招待し、会場で会う、というラストになっています。
(ふたりが対面したとき、どんな描写になってるんだろう・・・・・・)と思いながら読んでいたら、その場面は、書かれていませんでした。ウーン、さすが作者。


随所に詩がいくつもでてきます。
美しい詩。
文章も、詩も、バランスが良いの。

かなしみ を表現したものが多い内容です。だんだん、すこしずつ少女の詩は明るくなってきます。

アメリカとにほん。
とおいけど、インターネットだと、すぐにとどく。

だけど、やりとりをしていくうちに、あいたい、あってみたい、というきもちが芽ばえてきます。
だけど、少女の側は、(会えたとしても言葉を発することができない私をみて嫌われてしまうだろう)と思ってしまって、ギリギリまで「コンサートにいきます」という返信ができないでいます。



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いや〜 ほんとに よかった。
読んで、よかった。

漢字よりひらがなのほうが少し多いし、改行の多い文章だったので、読みやすかったです。
しかも、主人公2人の名前が素敵だった……

小手鞠るいさんの他の作品も気になります.
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