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2018年12月09日23:51

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《動物愛護》《カラーひよこ》《ちー+! 053》

《動物愛護》

野良犬やら野良猫やらが保健所に連れて行かれると、その後、殺処分を受けるというのが少し前の俺の中にある定説だったが、ここ暫くは動物愛護の方針でそうでもない傾向にあるらしい。
…というのを、なんかのメディアで知った。

何でもかんでも殺処分を施す訳ではなく、なるべくの生命維持に努めるというのが実態らしいが、1ヵ所に集約するもともとの生命の維持には限界があるらしく、結局は殺処分なんかよりも惨劇極まる運命を動物たちは歩かされるとか。

犬同士の覇権争いではないが、弱肉強食は収容施設内部でも盛んであって、狭い空間での生き残り戦争となれば弱者は逃げる事もままならない。
しかも、おおざっぱに振り分けられた部屋の内部では小型犬が中型以上の体格に勝てる訳もなく、限られた食料にありつけず病気も患うようで…。

食欲旺盛な部屋の内部では共食いも発生しているらしく、一体何の為に収容しているかが理解出来なくなる始末。
動物愛護とはなんだろうねぇ。

確かに近所を見ても、昔ほど野良犬や野良猫の姿は見かけなくなったが、『野良』とは勝手に人間が表現するだけの話であって、むしろそういった対象の動物としては『そういった生活』が本来の姿という話。
普通に生活していて害獣扱いを受けるのだから、いい迷惑だろう。

動物愛護団体のイメージは俺の中では上辺すらも満たさない自分勝手な組織なのだが、表面上の『良さ』ばかりを重視するその考えは理解出来ない。

確かに野良猫や野良犬は時に人に害を及ぼすが、それは人が彼らの生活圏内に土足で踏み込み、奪うから発生するものであって、まだまだ人間の汚さに比べれば問題無いのではと。
人だけが安全に生きるための作業の一環なのだろうが、アレコレダメと訴える動物愛護団体がそういった動物の全てを引き受ければ、もっと考え方が変わると思うんだな。
『面倒』の一言で。


《カラーひよこ》

 動物愛護団体の話で思い出したが、昭和中期までは縁日屋台の一つに『カラーひよこ屋さん』があったという。

俺は実際に見た事が無いのだが、カラーひよこの性別の全てはオスであって、早い話、商品価値の無い存在に無理矢理商品価値を植え付けたのがカラーひよこという話だ。
カラーひよこの製作方法は極めて簡単で、カラースプレーを噴霧するだけ。シンナーばっちり。当然、製品化と同時に衰弱してしまう。

結果、店に並ぶ頃には既に弱っているらしく、飼ったとしても成鳥なんて夢のまた夢みたいな寿命の短さと言うが、いずれにせよ、短い期間でも購入客が可愛がればひよこ冥利に尽きる話ではある。視点を変えれば飼うに至った人間にも『生命の儚さ』というものを知るきっかけとなり、全員とはいかないまでも、動物を飼う事で得られる共存の素晴らしさや面倒臭さ等、色々な分野を学ぶ事は可能だろう。
意図して短期間に縮められた寿命期間は放置問題も最低限に抑えられ、ペットショップは追加の売り上げを達成でき、処理に困る養鶏所もオスを利用した売上を捻出できる。
美談そのものだが、それ以前に、そうやって人の世の一角は回っていた。

ところが、動物愛護団体が行動した事により、カラーひよこは消滅した。
人道に反するのかヒヨコがかわいそうなのか、それとも無力な動物を使った金儲けが許せなかったのかは判らないが、とにかくダメなものはダメだという事に。
…まあ、それが人道的っちゃあ、そうかもしれないけど、結果的にヒヨコのオスは、生まれた途端に殺処分される事になったワケで…。

言う事の願ったり叶ったりで動物愛護団体は潤うかもしれないが、その他の全ては何かしら枯れる原因に。
動物愛護団体って何がしたいの? これは結構前からの疑問だ。


《ちー+! 053》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-15

【ネメス中央大平原】

 魔法都市ペナ・リノの北東門を抜けると、そこは『ネメス中央大平原』と呼ばれる地域に入り込んだ事になる。
 南部平原から繋がる平原に大きな違いはないが、ネメス城と魔法都市ペナ・リノを繋ぐ主要経路が存在するため、辺境となるベレーレルからペナ・リノを繋ぐ経路とは異なり、頻繁に往来する馬車の影響で轍の跡が判り易く、この2つの拠点間で道に迷う事は極めて稀ともいわれた。
 ただ、良い事ばかりでもなく、平原の移動は遠目にも人目に付き易く、また、その移動方向からして目的地が容易に判断されるため、場所によっては盗賊などに先回りされて被害に遭う報告も多く、単独行動時に利用するべき経路とは言い難い。

 ラウニー率いる馬車隊は主要経路を辿り、ネメス城に向けて直進していた。
後方のペナ・リノは少し前に姿を草原の奥に消し去り、今は進行方向の前後に僅かな蛇行を見せる轍が見えるばかりである。
 そんな中、二番馬車の中では絶えない笑い声がずっと聞こえていた。
「そうだ、昨日、ナルに買っておいたんだった。コレあげる。なんか書き物する道具だって。ナルは使えるでしょ?」
 そう言ってチータスは馬車の隅に隠しておいた袋を取り出すと、その中から筆記用具をナルミに見せた。
「わぁっ!? ノート…3冊も!?」
 チータスが袋から取り出したのは、羽根とインク、そして3冊のノート。羽根とインクはありふれた道具だが、やはり紙はナルミにとっても値の張る存在なのか、それがまとまったノートを目にすると、絶句に近い口調で言葉を途切らせてしまったようだ。
「欲しい?」
 思った以上の反応に、思わずチータスが様子を伺ってしまう。
「欲しい! 嬉しい! いっぱい魔道書を書き写せるよ! ありがとう!」
「ど〜いたしまして」
 今日の出来事を純粋に喜ぶ女の子。そしてそれを悪用する女の子。2人は幼い頃からの大の仲良し。つい最近までの長い付き合い。そして短い間を経ての再会。
「あー…人生ってどこでどうなるのか分かったものじゃないわね」
 2人の様子を暫く黙って見ていたスケクは、わざとらしく声を上げる。
 その言葉を耳に、何も伝わらる事の無いナルミは笑顔のまま『?』の表情となり、瞬時にその意味を理解したチータスは『うっさい!』と、慌てて声を荒げた。
「…それでも時間は戻らないのよねぇ〜」
 なおも意地悪く目を逸らしつつ言い放つスケク。
「?」
「いいから黙って!」
 午前中に馬車を引き返せば全てが間に合った。
 しかし、今日も明るい太陽は、ある意味で残酷にも正午を迎えたところだった。


「ダーマンさんの手料理って素敵だと思います!」
 昼食後、再び荷台の中に入り込んだナルミは第一声にそう告げた。
「ありがとうございます。仲間として嬉しいですね。あの者の食事は様々な人に受け入れられるらしく、チータス殿にも好評でした」
 ナルミの言葉を受け入れるスケクは、言い慣れた口調でそう返す。
 昼食は終わり、今後は踵を返して魔法都市ペナ・リノに引き返し、ナルミとの別れを済ませた後、改めてネメス王国の拠点となるネメス城に向かう手筈となっている。

…表向きは…。

「はぁ〜…、美味しかった!」
 やや遅れて荷台に乗り込んでくるチータスは、そう言って目が合ったスケクに軽くウィンクをした。そんなウィンクに気付いたスケクは、ナルミとの会話に出していた笑顔を一瞬曇らせる。
 チータスが乗り遅れた理由はラウニーに最後の念を押すためだった。
 やはりというか、思った通りというか、昼食の準備が始まったと同時にラウニーはチータスに寄り、『ナルミについて』の確認を取りに来たのだ。
 食事中もラウニーだけが目立って沈んでおり、そこを気にしたチータス自ら『配慮』という名の『脅し文句』を言い付けて来たのだった。
 ラウニーはラウニーで、ある種の正念場を迎えていた。

『ナルミの事は全て自分が責任を持つ』

 チータスのこんな一言にラウニーは心底悩みもしたが、いずれにせよ、昼食の時間を迎える頃にはペナ・リノに引き返す時間が失われていた事は、少なくともチータスよりは理解していた事でもある。
有事に備えて時間を多く確保しているため、急げばどうという事はない距離の往復ではあるが、そうなるとチータスがどういった行動に出るかも測り知れず、これまでの生活で知った強気な姿勢の彼女の事だ。予告通り、国王に何かしら不利になる様な事を吹き込まれる事が容易に想像出来てしまう。
 これでも一応は国王の側近部隊。なんだかんだと悩みに突き当たる事は少ない話ではないが、こうも先の予測が立てられない悩みというのも、なかなかに珍しいものだとラウニーは軽く溜息を吐いた。


《あとがき》

メディアを見るまで気付けなかったのが我ながらアホだと思ったが、限られた予算、少ない関係者では、監視の限界は浅く、満足な食料を確保する事もままならない事は火を見るより明らかという話だ。
そもそも一ヵ所の施設内に数千の生命は驚愕的数字でもあり、残業問題をはじめとした無責任な待遇を考えても、動物愛護の方針は無理しか存在しない問題だ。

一応は自然界を我が物顔で闊歩する人間社会にも、飢饉による共食いが存在するのだから、圧制しか敷かれる事の無い動物社会を考えれば、むしろ惨劇ほど自然な話は無いわけであり、人に害を及ぼす動物の行動は問題と言えば問題だが、人のみが満足する社会というのもどうだか。…しかも、満足する人もまた限られている訳で…。
最も動物たちを虐待に導いているのは、もしかすると動物愛護を高々に掲げる団体なのかもしれない。…なんて事すら考えてしまう。
いずれにせよ、万物の共存なんて無理な話だ。


動物愛護団体が問題視した『タヌキマリオ』や『カエルマリオ』の結果はどうなったんだろう?

団体の申し出はゲーム内の架空キャラクタに対し、『タヌキやカエルを殺してその皮を剥ぎ、自分で着るという残虐な行為が問題だ』としたらしいが、その後の話を知りたいな。

『赤ずきん』とかは対象にならないのかな? 婆さんを助けるためとはいえ、オオカミの腹の中に石を詰め込んだ行為は非道では? しかも、苦しむオオカミを眺めて笑い、死んでしまうオオカミを眺めて歓喜した訳だろ?
愛護を追求し、徹底する気持ちが僅かにでも有るものなら、実在と架空とをわきまえない考えのまま、

『動物のお腹を開き、中に石を詰め込み、縫合して生かす行為は違反です』

くらいは言い出しても不思議じゃないと思うし、自然にも思う。

本当に不思議な考えを持つ団体だと思うし、理解出来ない存在だ。
………全員、菜食主義なんだろうな。きっと…。

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