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2018年11月28日04:26

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《ハンバーガーの思い出その5》《本編のようなあとがき》

《ハンバーガーの思い出その5》

日本企業は他社の『良い点』に目を付け、それを『改良』した更なる製品を開発し、『良い品・良い味』を世に送り出し成長を続けるところが多いが、…まあ、極論すれば単なるパクリ行為で脳なしのする事だ。
もちろん、ハンバーガー企業もまた然り。昔はハンバーガーチェーン店にもそれぞれの味があったわけだが、気付けばどこもかしこも、どこかで見た事のあるパクリ商品が『当社自慢』みたいな見出しで堂々と販売されていたりする。(…まあ、拘りを徹底追及するモスに限っては完全にこの路線から外れているが。どちらかと言えばパクられ側の存在?)


そんな書き出しから始まる『ウェンディーズ編?』。

『ウェンディーズ』の名前を初めて聞いたのは19歳の時だった。
一言には説明出来る訳も無い複雑な関係下にあった、ごちゃごちゃメンバーの中の一人に教えてもらったのがきっかけであり、本人の認識では『関西方面でのみの展開』という事で、関東ではお目に掛かれない存在という説明だった。
そんな理由もあってか、『メチャメチャ旨い!』と、どうしてそこまで強調するかが不思議な程に声を震わせる彼の印象があまりに強く、名前は一瞬で忘れたが、関西方面にはそんなハンバーガーチェーンがあるのか、程度に記憶に留められた。

時は過ぎ、そんなごちゃごちゃメンバーも散り散りとなり、俺は俺で第一号警備士の道を歩むべく水道橋駅に降り立っていた。基本的に人ゴミが苦手だが、ギュウギュウの満員電車は悪夢の一言だ。

朝食は現地に着いてから適当に…。と思っていたため、警備講習の前の空き時間を利用して食べる手筈までは予定通りだったが、なにせ初めての土地。地理情報がまるでない。ちなみに携帯電話の『P-101』という型が最新機種の時代の話だ。『ナビ』なんてあるわきゃない。
目的地を見失えば、その時点でアウトくさい情報しか持ち合わせていなかったので、俺は目的地までのルートの中だけで食事地点を探す事に。

安易ではあるが、初めに目に入ったのはコンビニエンスストアー。飯は確かに売っている。…でも、食べる所が…。パス。
次に目に入った店は…レストラン。午後からの営業。…そうでしょうな。

そんな感じでてくてく歩いていたら、なんか雰囲気の暗そうな変な感じの店発見。見た感じが中で食べられそうなので、そこでいいやと足を運ぶ。

中の空間は一目見てファストフードを思わせる作りで、もちろんファストフード店だったわけだが、マクドナルドに存在するメルヘンさは存在せず、モスにあるクラシックな感じもしない。
なんつーかな、深夜のバーというか、映画館入場口手前のフードコートのような、ちょっと薄暗さを感じさせる雰囲気だ。ビリヤードなんかが置いてあっても違和感が無さそうな、そんな感じ。

偶然食事中の人の手を見ると、ハンバーガー店だったという事に気付く。なんて言う名前の所かは判らないが、ひとまず俺が知らない店である事は間違いない。
そんな思いと共にレジへ。
う…メニューがやたら少ない…。というか、『ハンバーガー』という言葉だけで、他の言葉の意味が分からない…。フィッシュとかてりやきって言葉は無いの???

結局意味不明なまま、無難そうなオリジナルメニューを買って席に着いた訳だが、食べながらレジカウンターの上方を見ると、様々なトッピング例が絵で説明されていた事に気付いた。
早い話がこの店、形の存在するハンバーガーはシンプルなベースハンバーガーのみで、『チーズバーガー』が欲しければ『チーズ』をトッピングすればいいし、『ベーコンレタスバーガー』が欲しければ『ベーコンとレタス』をトッピングすればいい。…というほぼ完全チョイスのスタイル。選び方次第で自由自在なハンバーガーに変身するわけだから、まあそんなヤツ居ないだろうが、『ピクルスだけバーガー』とかも実現可能なワケだ。『バンズのみハンバーガー』とか。ハンバーガーしてないけど。

…で、味の方だが、正直よく分からなかった。各トッピングの値段とか、『人気トッピング』みたいな説明を見るうちに食べ切ってしまっていたのだ。
説明の中で興味のあったのが、パティのサイズ。なんか通常のサイズとデカイのとがあるらしい。ふ〜ん。
あと、包みが昭和を感じさせる銀紙だった所が印象強かった。
『銀紙の包み』と言えば、どうしてもデパート等のフードコートのイメージが強く、大型チェーンというよりは個人経営の印象。地元自営店の出張テナントみたいな。いずれにせよ安っぽい。
初めての味わいはそういった、ハンバーガーとは無関係なものだった。

第一号警備士講習2日目。
またも満員電車に揉まれてへろへろの到着。偶然居合わせた正面の女性のケツ位置に俺の手があり、瞬間痙攣のような『ピクッ』という僅かな動きに敏感に反応され、思いっきり睨まれたのは殺される錯覚を感じた若きトラウマの発生…。そんな到着だった。
時間があり、目的地も覚えたので昨日とは違った所と思いはしたが、行動範囲の拡大を面倒に思うのは今も昔も変わらず、『同じ所でいいかぁ』という安易な考えで同じ店へ。

相変わらず暗く、どこか古さを感じる店だが、慌ただしい都心のイメージが全く無い所はなんだか落ち着く。…窓の外はそうでもないが。

せっかくトッピングの存在を知ったのだから、何か挟んでみようかと考えはしたが、そこはやはり優柔不断な俺。なんだかんだと悩んだ揚げ句、結局はレギュラー商品を購入する事になるだろうと自らを先読みし、素直に昨日と同じものを買う事に。

昨日は味わいなんてまるで考えなかった訳だが、今日は違う。きちんと味わうぜ。

もぐもぐ。
うん、ハンバーガー。単なるハンバーガーだ。
値段は少々高いようだが、マクドナルド基準で言えば、2倍の金額で2.5倍の量はある。
味は…、…普通だ。というか、シンプルだ。塩コショウ・ケチャップ・マスタード・やや多めのタマネギ。同じく多めのピクルス。
…ん? パティの形が…正方形だ。
周囲を見回してパンフレットの類を探す。パティの説明があれば何でもいい。…あった、バナー。
バナーの中のハンバーガーのパティも正方形だ。…へ〜んなの。

結論として、とりわけ美味いわけでもないが、かといって不味い訳でもないハンバーガーと言うあたりの印象となったわけだが、…なんか不思議。
『どこが取り柄?』と聞かれれば、その取り柄は分からない。…でも、なんか気になる存在という事は確かだった。
という事で、帰りにも2個ばかり買って帰る。
…で、食べて疑問。
とりたてて美味しいわけではない。…でも、食べる事に対する抵抗が全く無い。素材のうまさってこういう事を言うの? とか、美味いわけでもないハンバーガーを疑問符付きで食べ切った俺。悔しいが満足だった。

3日目。
水道橋での研修は最終日。
そして電車に乗り遅れ掛け、けっこうシビアな時間しか残されていない朝。相も変わらずギュウギュウ詰めの電車の中での俺は、昨日の女性の目線などすっかり忘れ、静かに迫り来る時間との真剣勝負の真っ最中だった。

来たぜ、水道橋!
猛ダッシュで研修の場へと駆け出し始めた途端、ハンバーガー店舗を思い出し、迷わず直行するバカ者、俺。
全力で買い、全力で待ち、全力で受け取り、全力で走り出し、僅か数百メートル間で袋を開け、包みを開き、ハンバーガーをバグバグ食べ、むせ、涙目になり、でも飲み物がないので我慢し、食べ切り、丁寧にゴミ箱を探して捨てる超全力。味わえるわけがない!(怒)

まあ研修も最終日だし、きょう水道橋を離れれば、きっとこの先来る事も無いだろうと思えるし、せっかく始まったハンバーガーな毎日でもあったから、最後もハンバーガーで締めようかと考えていたが、何故か二度と見る事のない存在確定の同僚(?)にタコヤキをご馳走して貰う運びとなり、あのハンバーガー店は朝の購入が最後となったわけだ。

水道橋駅前。何となく坂の上を振り返ると、距離がありそうでそうでもなかったハンバーガーショップが目視出来た。
『うぇんでぃーず…?』
何となく、聞いた事があったような、そうでもなかったような、ひとまず普段じゃ言葉にする事も無さそうな固有名詞に妙な気分を覚えながらも、俺は改札口に向かったわけだ。


その後のウェンディーズとの再会は『ららぽーと』のフードエリアにて。
印象深い正方形のパティがのぼりに描かれていて、『もしや』と思った。
そしてどういう訳か、かつてのごちゃごちゃメンバーが教えてくれた『美味しいハンバーガーショップ』が『ウェンディーズ』という記憶もここで蘇る。…タイミングがおかしい。

この頃のウェンディーズは既にゼンショーの魔の手(?)に落ちていたらしく、トッピングを自在に変更する事でオリジナルを食べる趣向ではなく、ショップ側が采配する特定メニューから選ぶスタイルになっていた。つまりはマクドナルドをはじめとする大手ハンバーガーチェーン店のお馴染みのスタイルだ。
興味を持ったスタイルが廃れたのは悲しかったが、反面ではメニューが定まっている事で、それぞれの写真を見比べる事が可能となっている所は優柔不断な俺には大きな救いだ。
迷わずトリプル系を幾つか購入して食べたが、そこで初めてウェンディーズの『味』を知った思いだった。

なんだろうね、モスに見られる『低価格の中で拘り抜いた美味さ』とかじゃないんだよね。
ウェンディーズとモスとの味の比較をしたら、確実にモスが美味しいんだよ。
でも、ウェンディーズのメニューの全ては素朴であって、少なくともソース任せな部分がない。『噛めば噛むほど』みたいな表現は数多いけど、ウェンディーズのああいった味もまた、そんなうちの一つなのかなってよく思ったなぁ。

そんな各メニューのお値段は、まあ、さほど安くない。取るものはきっちり取るらしく、後期にはセット価格も提案されたが、まあ、無理には程遠い価格設定はさして安く感じない。…けど、そういった値段を払う価値は充分過ぎるほどにあったな。

という事で『ららぽーと』には片道数時間かけて数回行った。ウェンディーズの為に。
ただ、それだけの為に数回往復した事だけでも俺にとっては勲章ものだが、さすがに頻繁に足を運ぶ事もアホらしく感じ、やがて疎遠に。
このまま思い出の味と化す事は…、まあ、想像に易かった。

が!

ところがどっこいで、わりと近くに新店が出来たとの事で早速突撃。
こちらは片道50分ほどだったが、深夜なら片道15分までに短縮が可能。都市部を越えるため、日中と夜との差が激しいのだ。

早速到着してチェーン店名確認。まぎれもなく『ウェンディーズ』だった。
値段はややパワーアップしていたようだが、まあ、かつては食べるだけの為に往復5時間以上と経費もろもろで5000円以上使った事もあり、そういった無駄を考えれば安いもんだ。散々食ったさ。

…で、さすがに飽き始めた頃、今度は往復20分を切る位置にまたも新店が出現!
という事で、昼間に食べる事も可能な状態に。なんだろう、メインメニューは当然ながら文句は出ないが、初めて『チーズ』と『ホットチリ』というサイドメニューに夢中になった。
『チーズ』はポテトなどに付けて食べるオプションメニューと言うか、サイドのサイドメニューと言うか、そんな位置付けのアイテムだが、ホント脇役なので30円と申し訳程度の価格ではあったものの、これがどうして、バカに出来ない存在だった。何に付けてもいける不思議。チーズバーガーを買うなら、普通のハンバーガーとチーズを購入し、それを掛けた方がよっぽど美味しく感じた。

もう1つの『ホットチリ』は、見た感じスープなのだが、そうではない。
メキシカン風とでも言うのかな、数種類の豆が崩されたパティと一緒にチリソースの中にごちゃごちゃに混ぜられていて、辛いような辛くないような…。でも、あとを引く美味さは確かにあった。
単体で頼めばスプーンが付けられ、『噛むスープ』みたいな感じで食するのだが、本来はチーズ同様、何かに付けて食べるものらしい。
そんな理由あってか、サイドと呼ぶワリにの充分な量はあっても、値段は100円とか随分と控えめ。具が多い…というか、ほぼ具なので、3つも食べればお腹いっぱいにもなりそうだ。

しかし、ゼンショーが本気でやる気があったのか無かったのか、大した宣伝らしき宣伝を感じた事もないまま、日本ウェンディーズは全店閉店。
俺個人としては最高のハンバーガーショップだったのだが、まあ、非常に残念な結果だ。
でも、当時のマクドナルドとウェンディーズの価格を比較されれば、確かに『マックが安い』と言われても仕方がない価格設定だったな。そのボリュームや味を知らなければ、尚更の話だ。


《ちー+!》

日記に気合が入り過ぎた。スペースが無くなっちまったい。


《本編のようなあとがき》

ウェンディーズがゼンショー入りした後も、実は各具材のオプションメニューと言うものは存在していたらしい。レタス1人前○○円、パティ1枚○○円、みたいに。
頼めばその追加量をオーダーメニューに挟んでもらっての提供となるわけだが、これら本来のスタイルは『裏メニュー』として存在していたとか。
つまりはゼンショーに吸収された事を知らない、前身のウェンディーズ客が来店した時の対応の一つと思われるのだが、せっかく存在するメニューならもっと表に出せばいいのに…。と思う本音。
裏メニューは結構な店が敢えて抱えるメニューシステムだが、裏も裏過ぎると誰にも伝わらないね。
まあ、スピード重視のゼンショーからすればハタ迷惑なかつてのシステムだろうから、失うに越した事は無い話だったんだろうけど…。


ドライブスルーを抱える店舗を悩ませる『万年問題』の一つに『入れ忘れ』があると思う。
店内なら入れ忘れに気付いても気付かれても互いに呼び合う事でケアが可能だが、ドライブスルーは車が出てしまえばそれまでなので、対処のしようがなく、鳴るかも知れない電話にドキドキしながら過ごす他ないわけだ。

俺は基本的に入れ忘れが発生しても電話しない性格なのだが、これまでに3回ほど連絡を入れた事がある。
ウェンディーズはそのうちの1回なのだが、理由はドリンクの入れ忘れだ。
向かっていた先に自動販売機の一つでもあれば電話なんかしなかった筈だが、あいにく森のど真ん中みたいな所に向かう最中だったので期待出来ず、気付いた地点がそれほど距離を開いていなかった事もあってドキドキしながら電話をした。被害者なのに、『忙しいだろうなぁ…』とか思いながら。

結果的に店側は入れ忘れに気付いており、時間とメニュー内容から俺が本人と認識された訳だが、電話しながらも目的地に向かっていたため距離が離れてしまい、今さら戻るのも更に時間を消費させるという考えから、『まあいいや』ってな考えに。そのうち見付かるっしょ、自動販売機。
…でも、店側としては当然『はいそうですか』とはいかず、頼むから、いつでもいいから来てくれ。という話になっていて変にもつれる。

『悪いけど代わりに飲んじゃってくれ』と言っても拒否されてしまい、『じゃあ、帰り際に』と言う流れに。『通り道だから』と付け加えて。
実際には全然『通り道』じゃない場所からの移動なのだが、待つ側にこれ以上に変な気を遣わせるのも嫌なのでそう言ったわけなのだ。…が、やはり遠いものは遠い。

直帰すれば20分。
しかし、ウェンディーズ経由では混雑する時間帯でもあるので、経験則で計れば90分は下らない。…でも行かねば…。

ひーこら気分で渋滞に揉まれ、どうにか着いた店舗ドライブスルー。臨戦態勢ではないが、ドライブスルーのマイクに『あの〜…昼間に電話した…』と言った所で遮られ、苗字確認をされ、『ソッコー窓口に来て!』と。…まあ、言葉は違うけど、そんな感じ。

『少々お待ち下さい!』
レシートを渡した従業員にそう告げられて窓が閉まり、待つわけだが、これが長い…。
俺は自分の忘れられたジュースの補填で終わると考えていたが、そうではなかった。

『大変お待たせいたしました!』
出てきた…。入れ忘れの補填ジュース。
『あ、はい、わざわざすいません…』
受け取る俺。

『メニューはこちらで宜しかったですか!?』
…と、今度は昼間に頼んだセットが2つとサイドメニューが出てくる。もちろん、補填とは異なる俺のジュースも付いている…。
『え…?』
反射的に受け取ってしまった袋を目に硬直。…でも、これ拒否したら、この袋の中身って問答無用で捨てられるんだよなぁ…?

『こちらは返金分です!』
…今度は、こちらが頼んだ総額分の全額返金…。2000円届かずの、2人前のファストフードと考えれば、まずまずの金額だ…。
『………は???』
またも反射的に手が伸び、お釣りを受け取る格好で手の中のお金を直視する俺。

『いやいやいや、こんなに要らないよ! 別に怒ってないし!』
『本日は申し訳ありませんでした! 大変込み合っていますので失礼いたします!』
ぱたん。

…………なに? この洗練された流れは??

後続の無いドライブスルーで店内に入ろうかと僅かに考えたが、あの感じだと絶対に困ってしまいそうなのでやめておいた。…それにしても…。

つまりはアレだな、昼間のメシはジュース一つを受け損ねただけで、俺個人としてはさほど大きな不満にならなかった訳だが、そのおかげでもう一食がこうして作られ、更にもう一食分がお金で渡された訳だ…。

コレ絶対過剰サービスだろ?
『こんなことするからクレーマーが生まれる。』とか、何となく思った。


ついでなので、2回目の入れ忘れ電話の思い出をば…。

2回目はマクドナルド。俺個人でもドライブスルー利用は最多なので、それなりに入れ忘れ遭遇が多い事は仕方がないと諦めてもいるが、この時は問題が俺だけではなかったのでやむなしの電話だ。
内容はバーガー系2種3個ずつ、ドリンク3個、ナゲット3個、ポテト3個…と、こうして書けば分かると思うが、要するに3人前の注文をしたわけだ。

車内でワイワイしていて確認しなかったのがそもそもの原因と思われるが、いざ家に帰って来て分けようとすると、全て1個ずつしかなかったから、さあ大変!
『重さで気付けバカ』『袋の大きさで気付けバカ』『レシート捨ててないだろうなバカ』…等と、互いを励まし合い、同時に話し合った結果、『電話しよう』と。

俺の家での話だったので、当然、電話は俺が掛ける事に。本当はじゃんけんで負けたヤツがする事になっていたが、勝ったのに押し付けられたわけだ。

電話が繋がると忙しそうな店内の声に紛れるようにして女性の声が。
『え〜、ソレ本当ですかぁ? レシートありますぅ〜?』
この瞬間、悟った。まともに話し合う事が出来ない相手だと。
と言う事で、俺は友人2人の見守る中、
『え〜と、レシートですね…?』
とだけ言い、受話器を大きく振りかぶり全身全霊の力を込めて本体に叩きつけて戻す。きちんとリセットボタンよりも先に会話口が先に本体へと当たるように角度を調整して。『どーか電話の向こう側の女が耳を当てがってもんどりうってますよ〜に。』…と、願いも込めて。

『どうしたの?』
友人の一人が尋ねる。
『ブサイク3人相手にしてらんねって』
とりあえずそう答えてみた。

ひとまずレシートを確認し、間違いなく3人分頼んでいた事を確認だけして、コレは3人分の量じゃなくて、3倍の価値があるマック商品なんだと自分たちに言い聞かせる事で無理矢理理解し、3等分して処理に走った。…虚しかった。空腹は満たされなかった。
あと、割り切れないナゲットで奪い合いになった。ジュースは俺が一気飲みしてやった。


3回目の電話、こちらもマクドナルド。

みんなもあるのかどうか分からないけど、けっこう俺って『中身違い』が発生する…。
例えばビックマックを頼んで外装はビックマックなのだが、中身がハンバーガーとか…。
この時もそうで、チキンタツタを頼んだら中身がチーズバーガーで…。悲しい…。
そんな時、個人的には電話をしないで『これはチキンタツタなんだ』と強烈に思い込む事で我慢に徹するわけだが、隣で見ていた友人が『電話しなよ』と…。

う〜んと悩んで渋るには、俺なりの理由がある。閉店時間直後だったんだよね…。店は終了し、『はぁ〜疲れた…』とか言い合うマック店員の仕事後のひと時を思うと、なんだか忍びなくて…。
『いや、電話番号を調べるのもめんどいし…』
と言い訳がましい事を言う俺に、さっとレシートを出し、『ここ…』と指差される。はぁ〜、…知ってた。

しゃーねえ、電話するか…。『もしもし…?』
なんか恥ずかしいその一方で、かつてのウェンディーズの過剰サービスの思い出が蘇る。
『こちらから向かいますよ』という俺の言葉を押しのけ、向こうから来て頂く事になったのだが、入り組んだ場所にある当時のアパートの説明がこれまた面倒で…。

待つ事10分、案外早い到着のマック店員は男性。真冬の寒さに耐えながらの登場…。うぅ…ごめんよぉ…。
『こちらが商品です』
と手渡されたものはチキンタツタ一個。ちょっと安心。…で、
『あの…、間違えちゃったチーズバーガーは…?』
と聞くと、
『食べちゃってください』
とのこと。
そりゃそうだよな、一口だろうとかじられたチーズバーガーなんて、戦力ガタ落ちのアンパンマンの期待性にすら劣るというものだ。
ちなみにこの店員はレシート確認もせずに帰ったわけだが、コレってありなの?

何も確認せずに商品を手渡しする行動って、これまた過剰サービスだよな。悪い客が図に乗るぞ。


《あとがきのあとがき》

なんだろ、今日のこの長文…?


客優先という言葉や理念は素晴らしくも、様々な取引相手にあって当然な言い分だが、ここのところの客優先と言うのは如何なものかと考えさせられる。
客あっての商売と言う事はどんな分野でも共通する話だが、そういった中に『招かざる客』と言う存在も、昔から少なからず存在した筈だ。
でも、ここ最近はそういった招かざる客がどんどん増えてきているような気がし、同時にそういった客層を様々なメーカーが育てている環境にもなっている。

店と客とのバランスが崩れ去り、何かと言われれば一方的に頭を下げる売り手側。内容をきちんと聞く前に頭を下げてしまえばそこで全責任が自分側にあるという状況を作り上げてしまい、負の環境に陥る事を理解しながら、それでも第一声には『大変申し訳ありませんでした』が口癖だ。
俺も俺でかつては様々な資材メーカーと規格発注取引をしたが、客側に準備された『圧倒的優勢な立場』とは、なかなかに見ていて虚しさを感じてしまう。
と動じに、その相手の信用性と言うものも落ちてしまうものだ。

謝るまでの手順じゃないが、
まずは用件を聞き、クレームとなる内容を聞き、自分の立場と製品の性能やノウハウとを比較し、例えばの話で相手のミスを探し出し、相手に落ち度が無い事を確認し、どうあがいても51%以上の確率でこちら側に失態があった時に初めて『申し訳ありません』を口にし、その場で可能な対処を施し、無理ならば相手の要求を引き出し、『そうする』のではなく、『それに近い』対応をし、最後の最後で『大変申し訳ありませんでした』と話を括る。
これが普通の対応じゃないのかな?

まあ、ハンバーガーなどの『現物が異なる』みたいな場合であれば、最終的に非は売り手側にある事になるが、それでもレシートの表記と現物は一致しているか、いつごろ購入したものなのか、その他に問題は無かったか、等の質問があった方が、例えば騙そうとする側も一目置く事になりそうだし、何より店側の問題がどんなシチュエーションで発生し易いかという今後の対策にも繋がるとも思う。

あ〜ヤメヤメ。また長くなりそうだ。(9571文字)

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