そろそろもう冬なのかしらね。
夜になると冷えるものね。
あ、マスター、私にボウモアの12年を頂戴。
ロックでね。
それと、宜しければマスターも一杯如何?
あの人もよくここでボウモアを飲んでいたわね。
ここに来てもう随分経つけど、ボウモアをちびちび飲みながら生まれ故郷の話をしてたっけ。
大きい猫みたいな人だったわよね。
人懐っこいけどすばしっこくて、ね。
ま、それはあたしも良くマスターから言われるけれどさ。
あたし達ほら、最初は4人でやってたけどさ。
みんな居なくなっちゃってジョージと二人きりになって。
そしたら今度はジョージが死んじゃって、さ。
気がついたらあたし一人になっちゃった。
でも、いい男だったわ、ジョージ。
「チーコ、寒くないかい?日本の冬は厳しいから暖かくして眠りな」なんて、さりげなく優しい言葉をかけてくれるような、そんな男だったわ。
年下なのにね。
はぁ、なんか、こうやって歳を取っていくのね。
嫌だわ。
でも、あたし決めたんだ。
一人でもさ、元気にやっていこうって。
あたしね、あんまり辛気くさいの好きじゃ無いのよ。
フフ、あらやだ、煙草の煙が目に染みちゃった。
べ、別に泣いてる訳じゃ無いからね、マスター。
じゃあ、献杯しようかしらね。
マスターも一緒にお願いね。
あなたの事は忘れないわ。
おやすみ、ジョージ。
チーターのジョージが天国へ
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