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2018年10月30日14:46

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好きといふこといとをかし

10月30日(火)晴れ
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昨夜はほぼ日の学校番外編「たらればさん、SNSと枕草子を語る。」を聴きに行く。
ワタクシ、SNSに疎いもので、たらればさんのことも存じ上げず。(ご存知?ついった〜界では有名な方ですってよ)
ただ、古典の中で「枕草子」が一番好きで、娘の小学校の夏休みの自由研究では、枕草子の好きな段と似たような内容で毎日ひとつエッセイを書くってのを勧めたくらいだ。
提出後、担任の先生がなかなか返してくれなかった。
面談の時に、「先生、そんなに丁寧に読んでいただかなくても」と言うと・・・
先生いわく「ユーモアのある文章なのでとても面白いのですよ。私が全部読みたいので、もう少し貸してね、と頼んでるのです。」とおっしゃって、先生はバッグを開け、中に入っていた我が娘の「清少納言VS夏休み時々日記」を見せた。
通勤の電車で読むのです、と。

そんなことを思い出したりして、そう、ついでのように言うが、本人も忘れていたことだが、ワタクシ国文科卒なのである。
変体仮名だって若い頃は一瞬読めたのである。
覚えてないだけで、枕草子だって多分読了してるはず(・・・してないよね)
ってことで申し込んだ。
少しは予習してなきゃねと、図書館で「枕草子のたくらみ」(山本淳子著)を借りる。
枕草子の書かれた時代背景はうっすらとは知ってたつもりだったが、こちらを読み始めてものすごく納得した。
中宮定子様を好きな清少納言。
「好き」なんて言葉では軽い?
でも、昨日の浜離宮朝日ホール 小ホールは、「好き」という気持ちが充満していた。
たらればさんを「好き」な人たちは、たらればさんの登場にどよめき、一挙手一投足に反応し、笑い、そして、彼が楽しそうに話し、嬉しそうに質問し、進行を忘れるほど喜んでいるのを微笑ましくみていた。
「ほぼ日」が「好き」って人も多かっただろう。
品のいい人たちが多いほぼ日ファン(もちろんワタクシを含めます)ゆえ、客席に燃え殻さんがいらっしゃろうと、糸井さんがすっと登場されようと、騒ぎません。
休憩時間にロビーで燃え殻さんたちがお喋りされてる横を何食わぬ顔で、立ち止まりもせず、少しゆっくり目に通り過ぎます。
あ〜、この人たちがネット界の申し子達なのね〜なんて思いながら。
帰宅後、ついった〜上に糸井さんグループ(ちょっとこう書くといやらしい感じね。映画監督によくある○○組の方が近いかしら)の面々が続々とイベントの成功を呟く。
糸井さんが好き、いや、糸井さんの好きなもの、チョイスしたものが好きといった方が正確か。
そして、糸井さんの目に叶ったものがネットを通じて広がっていく。(あれ?ちょっとイヤな感じ?どうしても糸井氏には嫉妬心のようなものをいだいてしまうせいかしら)

第二部では、ほぼ日の学校長河野通和氏と山本淳子先生とたらればさんが登壇。
平安文学研究者の山本先生は、たらればさん憧れの方で、「好き」な枕草子のことを「好き」な山本先生と語れる幸せ。
それをみて幸せになるたらればさんを「好き」な人達の図。
もちろん、ただ「枕草子」が「清少納言」が「好き」なワタクシたちも楽しい。
そういう幸せな空間だったように思う。

「好き」という力はものすごい。
ワタクシは、大した趣味もなく、追っかけるほど好きなものもなく生きているが、「清少納言」と「定子様」の関係を読んだ時、自分と娘に思えてならなかった。
ワタクシは度を過ぎた親バカで、娘のことが「大好き」なのである。
だから、彼女がワタクシの好きなものを好きになってくれると嬉しいし、彼女の好きなものは好きだ。
清少納言は定子様より年上で、今の時代だったら少し異質な関係性にも思えるが、我が娘が成長して25歳になり、大人としての会話を楽しめるようになると、
彼女の考え方やものの見方などが素晴らしいと思え、尊敬すらするようになる(←それが親バカというものです)
きっと清少納言は定子様の利発さ、センスの良さ、機転がきくところ等々を尊敬しお慕いしていたのだろう。
その「好き」の気持ちを詰め込んだ「枕草子」には、定子様のお辛い状況などは一切書かれていない。
ただただ雅でキラキラした楽しく素敵なことしか書いていない。
はっ!娘よ、すまない。母は、あなたの失敗談やらを嬉々として綴っておる。
ここが清少納言と母との大きな違いである。
これからはあなたのキラキラしたところだけを書くことにするね。
そうそう!つい先日のことを書こう。
母は密かに感動したのだよ。
あなたの部屋に遊びに行った時、あなたが「これ、オヤジにあげて!パジャマにでもしてって。」
見ると「ぼのぼの」のトレーナー。
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「あたしは、ピンクなの。」とまっピンクのぼのぼののトレーナーを見せる。
母「普通は彼氏とペアで!ってなるんじゃないの?」
娘「う〜ん、こういうのは、分かり合える人じゃないとね〜」
確かに!母もぼのぼのは好きだけど、このトレーナーは・・・ごにょごにょ」
東京に出てきてすぐの頃、夫の蔵書の中の「ぼのぼの」を小学生だった娘は貪り読んでいた。
彼女の中の、どの部分を「ぼのぼの」が作ったかは不明だが、血肉になっているのは確かだ。
帰宅してトレーナーを渡すと、夫は娘にお礼のラインを送り、その日に行ってた筒井康隆展の「時をかける少女」の生原稿の写真を送ってた。
筒井康隆氏のことも娘は夫からその魅力を教わったのだった。
自分の「好き」なものを伝える相手がいるということも幸せなことだと思う。
好きなものをどんどん増やして、教えあって、ともに「好き」を競い合ったりして。
「好き」は最強です。
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