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2018年10月30日00:08

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《わりと有意義》《階段 03-1》《ちー+! 23》

《わりと有意義》

暇な本日。パチ屋に行く気がしなく、外に出る気もしなかった。
なので、会談話を耳にしつつ、シナリオに没頭してみたりする。
ここ最近は時間が無く、というか、進行に身が入らなく、10話先行で維持するつもりの進行が3話まで迫っていてしまって先行きが不安だったのだが、現時点でどうにか5話ほど進める事が出来た。
文字数では15000文字くらいかな? まあ、見直しはしていないけど。

腹が減ったので、ピザ買いに外に出たが、車から降りるとストーリーが変化してしまいそうだったので、バーガーキングへ路線変更。
さっさと帰ってきて、ハンバーガー食べて、再びシナリオを続行して…。
ああ、こんなの大好き。
明日は仕事か…。


《階段 03-1》

リチャード・まり・マリーちゃん

自分で初めて作った友達とでも言うべきか、そんな相手は女の子。
初めて乗る事になった自転車はすぐに慣れ、3歳ながらに周辺散策に出かけつつも、小さな視野では隣の町内に入り込む事も大冒険だった。当然、その頃は町内なんて言葉の意味も知らず、ついでに言えば、道を気の進むままに進んでいたら、いつの間にかそんなところまで進んでいただけの話なのだが。
当時住んでいた自宅からは直線距離で700Mといったところか、そんな場所だ。
交通量は今ほどではないので、幹線道路にさえぶち当たらなければ、比較的安全を確保できた良き時代だろう。
ちなみにその地点が自分の住む町内の隣と知ったのは、約5年後の小学2年生の頃だ。

新たな道に興奮すら覚えず、淡々と周囲の変化だけを楽しむ俺を呼び止めたのは、当然ながら初めての地で見る初めての女の子だった。
たどたどしい言葉で「自転車で来たの?」みたいな質問をする俺に、「そうだよ」と俺。
その後はなんだか訳の判らない会話が続いて、何故か「また明日」と。

その辺によく見かける平屋の借家に住んでいるようで、背の高い茶葉の壁が印象的な場所だった。

次の日、約束は既に忘れていた気がするが、道路の先を知りたい一心で再び同じ道へ。やや曇った、今ひとつ冴えない空模様が印象的な昼下がりだ。
俺の姿を確認したのか、道路の先には手を振る女の子の姿が。隣のネギ畑の隅っこの土で遊んでいたらしい。
『パパがちゃんとしなさいって』という事で、自己紹介をされた。名前は『リチャード・まり・マリー』というらしかった。なんか変に感じた名前だったので、「なんて呼べばいいの?」と、俺。
彼女が言うには、日本では『まり』で、アメリカでは『マリー』らしい。…アメリカってなんだ? てか、どうして名前が3つある? そこからが当時の俺には不思議だった。

まあ、そんな理由で『まりちゃん』と呼ぶ事に。
電気を点けない暗い台所に連れられ、何故か牛乳を頂く。まあ、超好物なので、遠慮なく頂いたのだが、当のまりちゃんは牛乳嫌いなため、りんごジュースを飲んでいたっけ。

家の中に入っているのに両親が見えない事を気にし、「パパとママは?」と俺。答えは『どっちも仕事』との事らしい。当時では珍しい共働きの家族で、そんな一人娘がまりちゃんらしい。ちなみに白人だ。眼球は…黒かった気がする。天然パーマのぽわぽわだ。

幼稚園の話が出たような気がする。そういや俺はどうした幼稚園…? 連日で自転車乗っていたから、春休みとかだったのかな? 暑くはなかった覚えがある。まりちゃんは幼稚園には通っていない様だった。保育園にも。両親から言われた事はといえば、『友達を作っちゃいけない』という事だった。
正直、当時の俺は『友達』の意味を知らなかったため、『ふ〜ん』程度の反応だ。まりちゃんも同じだったのか、こうして一緒に顔を合わせながら、あまり興味はない素振りだった。

なんだかんだと成立しない会話を終えて、家に帰る俺。
お互いに「また明日ね!」と言って。

続いた3日目。今度は道路散策ではなくまりちゃんの元へ。やっぱりネギ畑の隅で遊んでいたまりちゃんが、ピンクのシャベル片手に手を振っている。
「今日はお父さんに会わせる」と言って、すぐに家へと俺を引っ張り込むまりちゃん。
相変わらず証明を点けない薄暗い部屋には、日本人のそれとは比較にならない背丈の父親が笑顔で迎えてくれたのだが、その背の高さはそれだけで脅威だった。もし、それで太っていたら、それだけで俺は泣き出していただろう。
何やらモニョモニョとまりちゃんに言う父親。それをまりちゃんが俺の知る言葉に変化して告げてくれる。…通訳だ。
「『今までまりと仲良くしてくれてありがとう』だって」
「『まりと一緒に、お父さんたちは引っ越す事になっているんだ』だって」
「『行先はアメリカ』だって」
「『飛行機に乗って、とても遠いところ』だって」
「『まりもちゃんとお礼して』だって」
なんか、本当に当時は何とも思わなくて、引っ越しは理解出来たが、遠いとはいっても『茨城=福島』くらいの距離だと思っていた。アメリカが。まあ、これは父が福島出身で、俺の当時の最大の長距離がそこだったから。
まりちゃんの父親の真意を理解しないまま、2人で仲良く遊んでた。途中で出されたビスケットの味が、今なお印象深い。

空はやっぱり曇り気味だった。
夕方が近付き、俺は帰路へと自転車を持ち出す。
すると、まりちゃんの隣に父親が急いで出て来た。
「ホントウニ、マリーヲ、アリガトネ…」
白人と言う割には、なんか薄ら黒い肌の父親が、そう言って手を差し出す。それに対し、俺も右手を出しつつ、「あ、『マリー』って、日本じゃない呼び方だ」って、妙に細かい所に気付いていた。それにしても、巨大な手だ…。
続いてまりちゃんとも握手をした。こちらは俺と変わらぬ3歳の手だ。
またも父親がまりちゃんにモニョモニョする。
「『いつまでも元気でね』だって」
「『また会えるといいね』だって」
当然、その意味は2人とも理解出来ず、まさか互いに降り掛かる明日からの変化だと言う事なんて想像もつかない。
俺たちはこれまで通り、「また明日ね!」と言って別れた。

4日目。いつも貰ってばかりと気にして、俺は当時とっておきのラムネ菓子を持参してまりちゃん宅へ。やっぱり曇り空の、すぐれない昼下がりだ。
いつもの道路に差し掛かって、すぐに気付いた事は、畑の隅っこにまりちゃんが居ない事。なんか変だな、そんな気分で借家敷地まで自転車を乗り入れ、窓から中を見てみると…、何も無い。あれ?
畑で遊ぶためのシャベルやバケツが置いてあった場所を見ても、そこには何もない。おかしいなぁ???

仕方が無いので家へとんぼ返り。途中、何度か振り返ったが、まりちゃんは出て来なかった、当たり前の、当時の不思議。

家に帰ってきて母に聞く。
「ひっこしってなに?」
「どっかに行っちゃう事だよ」
なかなかにぶっきらぼうな答えだ。
「アメリカってどこ? 福島より遠いの?」
「外国だよ。日本じゃないよ」
外国ってなんだ?

母は俺の問い掛けけに対し、それぞれを言葉短かに答えてくれたが、そのほとんどが理解出来なかった。

5日目、6日目と、あいも変わらず手持ちのお菓子を持参してまりちゃん宅に赴いたが、今考えれば当然ながら、当時の俺にとっては不思議な事に会える事はなかった。

やがて、幼稚園が始まったのか、いつの日かまりちゃん宅に向かう事は無くなったのだが、ある時思い出したのは確か小学生生活中盤の頃の話。
懐かしいまりちゃん宅は当時と変わっていないものの、誰かが住んでいるらしく、曇りガラスの向こう側に洗剤などの消耗品が伺えたところが妙に苦い思い出だ。

茶葉が形成する壁の背が、心なしか背を高くしている気がした。


《ちー+! 23》

第一章 勇者志願見習い(笑)2-8

【ベレーレルの村】

 チータスが一緒くたに考えていた『城兵』にも色々と専属の持ち場があるようで、彼らは『王宮騎士団第三部隊特殊任務専行隊』というらしい。いや、自己紹介の際を含め、何度か重複して耳にした言葉ではあったものの、どうにも言葉が長くて覚え切れなかったのだ。明日にはきっと、再び知らない名称となっている事だろう。
『王宮騎士団第三部隊特殊任務専行隊』とは、緊急を要する突発的な調べ事や、特別な護衛などの特殊任務のみを行う部隊という事で、『部隊』と聞けばそれなりの人数を思わせるものだが、この隊に関してはここに居る4人で行うのが通例らしい。つまり、部隊の総員数が4人となる。当然、任務遂行のスペシャリスト揃いと言う事だ。
 任務の全ては国王自ら、若しくは国王を隣に控える状態で大臣たちに言い渡され、その内容への結果は絶対完遂が唯一にして最低限の規則という、極端なものだった。任務失敗時は部隊の即時解体となり、同時にリーダーである『レオトロンド・ラウニー』は即座に死刑が言い渡されるという。
 どこまでが本当でどこからが嘘かも理解出来た話ではないが、とにかく重要な任務だけに身を運ぶ立場であり、同時に城全体…、特に国王の寄せる信頼性の結晶のような存在という事だけはチータスにも理解できた。
 そんな4人が今回持つ事となった絶対任務というのが、『チータス・レジエンを無傷のまま、ネメス城へと予定日に迎え入れる事』だそうだ。
 絶対任務…。彼らにとって、これこそが今現在の生きる理由のようなものだろうが、田舎育ちの村娘1人に対して城の特別隊が動くその重要性が、当の対象人物、チータスにはさっぱり理解出来なかった。

「これは…、必要な情報が足りなかった様で…。これまでの巡回兵が誰かは生憎存じませんが、城に戻り次第、伝達し、このような事は今後発生しないように致します」
 ひとしきりの会話を終えると、ラウニーが深く頭を下げる。
 出発の前祝いという名目でレジエン家にて昼食を進めていたのだが、話題が旅の準備品になった際、情報の食い違いが出てしまったのだ。
 向こう1年間の生活品となると、それなりに前準備が必要という話題だったのだが、ネメス城周辺で1年間を生活する見込みの対象者に対しては、その対象者が生活に困らないように城側が配慮する義務が生じるとの事で、極端な話、ベレーレルから離れて暮らす事になる見込みの強いチータスに関しては、手ぶらで赴いてもそれなりの生活資金援助は受けられるとの話であり、既に城側も規定に則った準備を終えているという話なのだ。
 もちろん、個人が重要視する何かを持ち込む事は認められるが、向こう側で調達出来る物をわざわざ持ち込むまでもないといった配慮でもあるという。
 この話はこれまでの巡回兵との試練の年の会話内容にも含まれておらず、ノルンとエマの両親もすっかり自分で用意するものだと思い込んでいたのだ。数日かけて多くの物資をひたすら細かく掻き集めた両親にとって残念な話ではあったが、いずれにしても身軽なスタートが可能という事は有難い話でもある。
 何より、当事者のチータスとしては願ってもない話だ。城での謁見終了後、数多くの荷物を抱えて見知らぬ土地を行き来するのは考えるだけでも骨が折れる話なのだから。
「まあ、無駄になっちゃったけど、その方がちぃちゃんにもいいものね!」
 努力が無駄になった事には多少の曇りを見せたエマだったが、考えを直すとチータスの身になって喜んでくれる。そんなエマにはチータスも内心で一緒に笑うものの、視界に入り込む城兵を意識すると、どうしても試練の年へのいい知れぬ不安が先走ってしまい、素直な喜びを表現出来なかった。
「ここで荷物が無くなるってだけで、結局は向こうで増えるんでしょ。…買い物一つ自信が無いのに」
「試練の年で城下町に身を置く人たちは、ほとんどが全てに関して未知の体験なのですよ。チータス殿もそんな一人。小さな勇気から始めましょう」
『スケク』と言っただろうか、ややふてくされ気味に放つチータスにやんわりと助言を差し出したつもりのようだ。紹介にもあったが、『同じ女同士』という事だろうか、先ほどからこうしてチータスが文句を口にする度に助言めいた言葉を口にしていた。
「…ところで、準備された道具の中で、これは持って行きたいと思われるものはありますか? 別に持ち込みを規制している訳ではありませんので、必要に感じるものであれば遠慮なく持ち込んで下さっても結構ですよ」
 話の路線を維持しつつも方向性を変えるつもりか、これまで様子を伺っていたアッベシがそんな事を言う。
「必要なものねぇ…、んーーー……………、なんも無い」
「何も無いのですか!?」
 予想外だったのだろう。勢い良く会話に参加した筈のつもりだったアッベシが早くも言葉を詰まらせてしまう。
 だが、チータスの立場からすればこれこそ正論だった。試練の年だか勇者志願だか分からないが、兎にも角にも初めてばかりの今後なのだ。今は食事を作る為のフライパンすら思い浮かばなければ、明日の着替えすら想像出来ない状況である。
「では、お使いの武具は?」
 続いてラウニーが加わる。
「『ぶぐ』? 何ソレ?」
 話を逸らす意味ではない、チータスにとって聴き慣れない言葉だ。
ラウ:「いや、武器や防具の事ですよ。剣や盾…、ご自身の使用されていた物があるでしょうから、せめて使い慣れた…」
チー:「あー…ごめん、あたし、そういうの無いの」
 ラウニーの話を打ち切る。…だが、ラウニーはチータスのこの言葉で勘違いを起こした。
ラウ:「もしや魔力重視の方ですかな? 魔法はいいですな。一気に敵を蹴散らせる…」
チー:「ごめん、そうじゃないの。武器とか手にしなくて…」
ラウ:「…ん? まさか体術派…!? 失礼ですが、その見た目からは想像…」
チー:「…つかない筈だよ! 手足でバキバキなんて無理だよ」
ラウ:「となると、古代術の…あ、先祖が伝説の…」
チー:「先祖も伝説も古代も関係ないの! な〜んも関係ないの! あらっ!?」
 言ったついで、勢い余ってゆで卵に箸を突き刺すチータス…だったが、中心軸が逸れたらしく、狙ったゆで卵が弾んでダーマンに向かってしまう。…しかし。
ダー:「…………(ぱしっ! ………。もぐもぐ…。にっこり)」
 もともと無口なのか、それとも人見知りする性格なのか、これまで一切、話に参加する事の無かったダーマンは黙々と食事を進めていたのだが、チータスが弾いたゆで卵を素早くキャッチすると、一瞬眺め、そのまま無言で食べて笑って見せた。

 しばし、沈黙が訪れる…。


《あとがき》

久々ちー+大幅進行。こんな時間ならいつでも大歓迎だ。…まあ、そんな時間を調整するのが俺自身なんだけどね。


まりちゃんは今頃どんな感じなんだろう? とは、わりと昔から思い続ける俺特有の癖のようなものだ。
初めて自力で作った友達がハーフで、しかもすぐに行き別れるなんてドラマだね。…実際、笑い事ではないが。でもまあ、運命なんてそんなものか。とも思う。幼い年齢での出来事と言うのが救いといえば救いだな。
『友達を作っちゃいけない』という、両親のまりちゃんへの躾は、きっと近いうちに海外に引っ越す計画が既にあったからだと思われる。…でなければ、普通の環境を揃えた家庭がそんな事を言う訳が無い。別れを悲しませない為の配慮だったと信じる所だな。そんで、そんな別れを作るきっかけとなったのが俺と言うトンデモガキだったのかも知れないが、まあ、救いかな、その別れの悲しみすら理解出来ないほどの幼さだったのだ。まりちゃんも『長い旅行』みたいな口実で連れて行かれた事を願う。

本文には書いていないけど、他にもけっこう話したんだよね。
まりちゃんの母親は怒りっぽいとか、父親は日本語が下手とか、何かの研究員だったって話も。ただ、話した事は覚えていても、何日めかの話かが覚えていない。

俺に牛乳をくれたのは、一日一杯を義務付けられていたらしく、それを俺に飲ませることで回避していた事も思い出した。最後の日、なんかの話で「牛乳飲んだ」とまりちゃんの父親に告げた時、なんか笑いながら拳を振り上げ、まりちゃんを叩くふりをしていた覚えがある。当然、まりちゃんは謝りつつも笑って逃げ回る。なんか典型的なアメリカンファミリーかもしれない。いや、ホント今更だけど。そんで通訳がなかったので真実かどうかは知らんが、まあ、雰囲気でそう感じた。

あー、なんかまだありそう。こういった内容って、本題を打ち切った直後に思い出すから厄介だよね。
あ! 書きそびれた! みたいな。

そういえば、俺の子供も幼稚園に入園し、初めて作った友達がハーフの女の子。やっぱアメリカハーフ。…血は争えませんな。まあ、偶然だろうけど。

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