都響スペシャル
[アラン・ギルバート首席客演指揮者就任披露公演]
2018年7月16日(月・祝) 14:00 開演 サントリーホール
指揮:アラン・ギルバート
東京都交響楽団
シューベルト:交響曲第2番 変ロ長調 D. 125
マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
1、シューベルト
シューベルトの交響曲といえばサラッとした清涼剤のようなイメージを持って
いたが、今日の演奏はそんなイメージを覆すものだった。
ゴリゴリした質感と彫りの深い音楽つくりにより、いつもは通り過ぎてしまうような
フレーズまでがはっきりと描き出せれていた。
弦楽器をはじめ12型のオケのアンサンブルも見事であり、またシューベルトの交響曲の
演奏に新しいアプローチを発見した気がした。
さしずめベートーヴェン交響曲第2.5番といった感じか。
2、マーラー
ちょっと変わったことをやりたいという指揮者の意向が2014年新校訂版を選んだの
であろうが、通常版に慣れ親しんだ耳としてはちょっと変に感じる。
花の章があるのはいいとして、ガツンとくるところが来なかったり、弦のスラーが
あるところがなかったり、全員で弾くところがプルート前だけだったりと違和感を感じた。
そんなことより指揮者が細部を強調するあまり、全体の流れをぶつ切りにして
しまっているのが残念だ。
特に4楽章、音響的にはたいしたものだが、金管(特にホルン)が下手なのは
仕方ないにしても、音楽の流れが寸断されるのは聴いていて興ざめだった。
確か2年位前、フルシャの指揮で同じサントリーで都響のマラ1を聴いたが
今日のようなド迫力な音響はないものの、音楽の流れがずっと自然だった。
まあ、音量はあってもホルンがあれではあまり意味がないかもしれない。
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