真楠ヨウ 先生の「第5回富士見ラノベ文芸大賞・金賞」受賞作にしてデビュー作。有数の
見鬼眼だけが取り柄という陰陽師を訪ねた4歳の女の子がもたらす生活の変化を描きます。
(イラスト 紀伊カンナ 先生)
【
https://www.kadokawa.co.jp/product/321804000773/ 】
「あのねサヤね、間宮のおじさんに言われてここの子になるの。」見ず知らずの幼女から
いきなり宣言されて困惑する陰陽師の“春明”とその式神“識”。元気いっぱいの彼女は
式神にも興味津々で・・・ということは彼と同じく「視える」能力者のようなのだけど──。
対称的に優秀な兄からの要請もあり“サヤカ”を引き取ることになった“春明”。見鬼眼
という能力の危うさについて説くも思うようにいかず、子育ての面からも“識”からは
ダメ出しの連続で“春明”のへっぽこぶりがコミカルな前半は楽しく読み進められます。
“サヤカ”との生活にも慣れてきた所で現れる彼女の親族。離れたくない彼女とは裏腹に
あっさり引き渡しを決める“春明”。それが思わぬ怪異を招いて後悔するあたりですとか
やるときはしっかりやる彼のシリアスさにご注目。新しい家族の姿を見守りたいお話です。
ログインしてコメントを確認・投稿する