音楽の話。
6/20、ユニバーサルから出た「ハイレゾCD」を購入しました。
配信が当たり前になり、CD販売が縮小に転じている今、
最後のCDの高音質への”あがき”かもしれません。
そこに至る道を振り返ってみました。
以下は私が知っている範囲の知識を並べてみますが、
この日記を書く際に、参考としてblogとか雑誌は見ていませんから、
勘違いしていないと良いのですが。
気になったら、こんな世界が有るんだ、という事で調べられてくださいな。
★音楽制作の環境
大ざっぱに説明すると
業務用のPCMフォーマットであるDXDというフォーマット等を用い
編集作業を経て、映画用、ハイレゾ用、SACD用、CD用という出力を行います。
DXDは、24bit 384kHz、ないし24bit 352kHzというフォーマットで
CDの実に9倍、ないし8倍ものファイル容量を必要とします。
それを編集機内部では32bitという加工時の無劣化を考慮した拡張を行いますので
更にファイルサイズが1.5倍になり、それが、音源の数だけ必要になると言う。
ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、効果音、などなど
そういった風に、何十種類も音源が積み重なるわけです。
それを可能としたのはTB単位のHDDやSSDといった収納手段が有るからですね。
★ハイレゾ配信とは
ミュージシャンは、出来るだけ良い音、自分がスタジオで聴いている音を
ユーザーに届けたいと考えられているようです。
だが、現在主流のCDでは物足りないと感じているようです。
(まして圧縮フォーマットは論外)
特にCDでは、軽薄短小化が進むユーザーの再生環境を考慮し、
聞き易いような詰め込み加工を行う場合が有り、加工の弊害も出ています。
だが、売るためには派手な加工も仕方がない、という風潮があったでしょう。
一方、ネット環境が向上しGB単位のデータのやりとりも可能となり、
ミュージシャンが完成させた音楽を、ほぼ、そのままの形で
私たちが聞く事が可能となりました。
それは、CD、SACD、DVD-Audio、Blu-rayといった物理メディアを超えてます。
先日公開されたアニメ映画「リズと青い鳥」のサントラは、
PCMで制作した音源を、DSD 5.6MHzという、SACDの倍量フォーマットで配信し、
確かにその繊細かつダイナミックな音はCDでは表現不可能な世界でした。
音=音楽も登場人物である映画に相応しい英断でした。
★配信フォーマットについて
配信の目安として、ファイルサイズが大きい方が、音が良い物とします。
PCMとDSDでは、得意とする音の傾向があるので
フォーマットとしての優劣は単純に言えません。
力を感じるPCM、空間表現に長けたDSDという大ざっぱな区別かな。
以下のリストは上からファイルサイズが大となります。
波線で区切っている中が、音質的に同等という所でしょうか。
()内は相当するパッケージメディア
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DSD 11.2MHz
DXD 24bit 384kHz or 24bit 352kHz
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DSD 5.6MHz
PCM 24bit 192kHz (音楽用Blu-ray、DVD-Audio)
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DSD 2.8MHz (SACD)
PCM 24bit 96kHz (映画、音楽用Blu-ray、DVD系)
PCM 24bit 88kHz
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PCM 24bit 48kHz (アニメなどTV番組のBlu-ray、DVD)
----------<CDが超えられないハイレゾの壁>----------
PCM 16bit 44.1MHz (CD)
★ハイレゾの問題点とMQA登場
単純に、同じbit数で周波数が倍に成るとファイルサイズが倍に成ります。
音楽を聴くことに慣れた人が聴くと
PCM 24bit 88kHz以上と、PCM 24bit 48kHz以下では明白な差が有るようです。
ところが、PCM 96KHzと192KHzで比較し、音質が極端に違うのか?と
聴いてみると、それほどの差がないわけです。
ファイルサイズの増大≠音質改善という事です。
幾らネット配信が早くなっても世界的に使用者が増えれば追いつかなくなる。
主流になりつつある流し放しと、巨大なファイルサイズは両立が難しい。
また、スマホなど現在主流の携帯機器で保管出来る容量には限りがある。
そう言った点を不自由に感じ、MQAフォーマットを考案したのは良い着眼点ですね。
MQAは上記リストではPCM 24bit 88kHzよりファイルサイズが小さく、
それなのに、DXD 24bit 352kHzに相当するデータを格納可能としています。
これは驚異的です。
MQAにも得手不得手は有るのかもしれませんが、有り難い事じゃないでしょうか。
MQA-CD購入編に続きます。
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