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2018年07月24日14:15

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「耳嚢−みみぶくろ」は恐ろしい本!

江戸中期に奉行職をしていた
根岸鎮衛(1737年〜1815年)が同僚や
古老の話を聞き
書き留めた随筆集です。
これは、受験用としても使えそうな・・・内容です

猫が人に化けた話、安倍川餅の由来
塩漬けにされたカッパの話、

珍談・奇談を満載した世間話の集大成です

これが上・中・下巻あるんですわ


ずっと目に付いていても
恐ろしくて・・手を出してなかったのですが
(絶対に難しいと思った)

しかし、
読む物がなくなったので
手に取りました

開いて絶句!


古文体でした
そう・・・現代訳が付いていませんの
注釈はあるんですが・・
センター試験か?位のレベルです

古文の宿題を
やっているが如くの本なのです・・・。

江戸の時代劇を読むと
大抵この方の事が出て来て
この「耳嚢」みみぶくろが目に付きます


昔の世間話が残る、リアリティのある本なのでしょう
世間で起こっていた噂話が
書かれているのだと思います


なので
宇江佐真理とか佐伯泰英とか
高田郁とか山本周五郎
とか好きな私ですが


上記の本を読んでいて
知ったんだと思います
上は江戸を得意とする作家さん達です

先日読んだ
「商いせいでん金と銀」高田郁は面白いです
「花筵−はなむしろ」山本周五郎は凄かったです


江戸の話を読むと
洪水・水害がなんと多かったことかと・・・わかるんです
「花筵」・山本周五郎では氾濫して堤が壊れて
我が子が流されたりします

「みをつくし料理帖」・高田郁の話も大阪の水害が原因で
親を亡くしてしまった娘二人が出て来ます

江戸時代は
火事と水害と地震が多かったそうで、
丁度、今もそうなんだと思います


先日の川の増水で
うちの町に残っていた
最後の木の橋が流されてしまったそうです

ああ、風情があったのに・・・
凄い破壊力で水が流れていったことが分かります
何しろ土をえぐって行っていましたからねえ

さて、ぱらりとめくって大発見です
友人が


津山(美作加茂)のサムハラ神社へ行った話を
以前、言っていました
この本の中に
サムハラのことが!!!!

漢字でサムハラと書くのですが
この漢字は存在しないので(この本では作り文字と書いてありました)
パソコンでも文字書きパットでも出てこなかったです

怪我をしないおまじないだそうです
天明2年と書いてあります
馬と一緒に転び落ちたが怪我をしなかった
この守護札を持っていたそうです

これは雉を射るが,矢が雉に当たったと思ったのに
雉はつつがなく立とうとした
弓上手が何度射かけても当たらなかった
この雉を追い回し捕らえると
羽にこの文字が書かれていたそうであるとのこと
馬から落ちた人は
この文字を書きたる札を懐中していたとのことであると
その頃は貴賤と無く、子供にも懐中させていたそうである

「この本では「サンバラサンバラ」と読むそうでありますが
「宝暦現来集」では「ショウヨウシヤウカク」ともよむそうです
本では一番下の字が少し違います




民間信仰なのかもしれませんね
しかしながら
津山のこのサムハラ神社が政府のお達しで
立ち退かされた時期に
なんと「津山30人殺し」の事件が起こっています(八つ墓村のモデル)


ああ・・・”くわばらくわばら”に近いのではって思いました


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