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2018年06月11日03:11

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「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」〜感想

録り貯めしていたアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」全50話を一気観しました。

観終わって思ったのはこれは『ガンダム』ではない、
少なくとも『ガンダム』としてTVシリーズでやる必要はないと感じました。
一応断っておくと自分はガンダムオタクではありません。が、一般教養として
宇宙世紀は大体(8割ほど)は抑えていますし近年のTVシリーズは一通り観ています。
そんなライト?ノーマル?ユーザの感想となります。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。ご了承ください。


『ガンダム』として観たとき気に入らない点を大きく2点ほど挙げると
・ストーリー、戦いの規模の小ささ
・メカ、システムについて
となります。

まず、『ガンダム』での物語の多くは、
虐げられた者たちの独立、自治を懸けた星vs星、大国vs大国の戦いが描かれています。
なので「鉄血〜」も火星vs地球(ギャラルホルン)という形になるのかと思っていましたが、
その様な世界規模・民族の尊厳を懸けた戦い、になる事はありませんでした。
主人公三日月やオルガの目的、手段といったものがはっきりと定まっておらず、
最初は「安定した商売を」と言っていたオルガでしたが途中から済し崩し的に
テイワズ傘下に入り、あとは最後まで大局に流されるままギャラルホルンの内乱に
巻き込まれ内輪もめという規模で終わってしまいました。

話は鉄華団がこのテイワズというマフィア組織に入ってからが特につまらないです。
落とし前をつけるだの敵討ちだのVシネの世界かと、
TVシリーズで1年かけてやる話ではないなと、
話の内容、ガンダムとしての世界観的にもやるならOVAで十分だろと感じました
)
おそらくマクギリスの名前は事件の首謀者として残っても
鉄華団の名前は残らない、若しくはすぐに忘れられてしまう、
そんな「鉄華団が存在した事で後の世の歴史に影響を与えた」という事もない
(強いて挙げればクーデリアの命運を変えたという事でしょう)
そんな規模の戦いで終わってしまいます。

次に「阿頼耶識システム」(全話観終わってWIKIで調べてこの字である事を知りました)、
このシステムがなぜ他のパイロットを圧倒するのか理解できません。
パイロットとモビルスーツを直結したところで、入力ミス・操作ミスが無くなるくらいで
機体性能の上限というものは決まっているので他を圧倒するという事は無いでしょう。
車の運転でいくらハンドルを素早く右左右と切ったところで
頭の中で描いた同じ早さで右左右と動く事はなく、そこには慣性や物理法則も働き
他を圧倒・超越するほどの動きをする事はあり得ません。
ファーストガンダムのニュータイプの先読みの能力はそうした機体性能・物理法則の限界
を違う次元で超えるための産物だと思っています。
「阿頼耶識システム」の「モビルスーツの性能を限界まで引き出す」というのは
そのシステムを使わずとも一流のパイロットなら可能な事でありそこが
他を凌駕する理由である事に納得出来ませんでした。

他にメカデザインについて、カラーリングや一部デザインがガンダムっぽくなっていますが
これはガンダムではないでしょうという点もあります。

上記が『ガンダム』として観た時納得のいかない点となります。

あとは脚本についても少し物申したいです。
無駄にキャラが死に過ぎです。
世界規模の大きな戦いの中で「民族の誇り・尊厳」などの為にと仲間が散って行くのであれば
まあ納得するのですが、テイワズの中の内輪もめという小さい小さいイザコザの中で
仲間キャラが散って行ったり(おそらく最終決戦前のキャラ整理だったのでしょう)
妹や弟、恋人と家族愛を語ったりしたキャラが見事なほどフラグを回収して散っていくのは
ちょっと辟易しました。

そんな中、恋人・愛を語りながらフラグ回収されなかったおやっさんと経理のねーちゃん。
家族や愛を語ったキャラを悲しみ要員として配置し子供はバンバン殺すのに
大人は殺さないのかな?岡田麿里さんは。
思えばアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のメンマもそうですが
子供を殺して悲しみ・感動を作るのが得意なのでしょうか。
悲劇でしかドラマを作れないのは二流三流のやる事だと思っています。
せっかくのロボットものなのだからバトルで魅せる熱い展開などで
もっとドラマを作れなかったのでしょうか。
最初の数話でモビルスーツ戦が面白くないなと思っていましたが岡田麿里さんは
バトルを描くのは得意ではないのでしょう。


あとは物語終盤の構成についても・・・
革命軍(マクギリス)vsアリアンロッド(ラスタル)の大勢が早い段階で決まってしまいますが、
残り数話でこの絶望的な状況からの革命軍・鉄華団の逆転、カタルシスがあるのかと
期待していたのですがそれもないままフェードアウトしていくように終わったのがツマラナイ。
別に絶対勝利しろというワケではありませんが、早い段階で大勢が決したと見せるのであれば
逆転劇というものを用意した方が話し的に盛り上がると思うのですが。。。

物語最終盤の展開として想像していたのは、、、(ご都合主義的な展開ですが)
火星に降りたったアリアンロッドのモビルスーツ大部隊、その大量のモビルスーツに反応して
火星地下に眠っていたモビルアーマーが起動しアリアンロッド部隊を宇宙まで上がって駆逐し
最終的に革命軍・鉄華団とアリアンロッドが戦力的に拮抗する状態にまでなる、
みたいな話を想っていました。
火星が最終決戦の舞台になったのもモビルアーマの話が伏線になっているのかなと
考えていたのですが関係なかった様で出てきませんでしたね。
(結局あのモビルアーマーの話は何だったのかよく分からなくなりました)

唯一面白と思ったのは、革命軍とアリアンロッドの大勢が決する前まで、の話
マクギリスとラスタル、どちらも正義と言えない様な状況で
どちらが勝つのか判らない、どちらが勝っても物語の決着が想像できない段階が
一番面白かったです。
早々に大勢が決してしまいその後特に盛り上がる事なく終わってしまいましたが・・・

何かのアニメランキングで「鉄血〜」の名前が出ていたので
面白いのかもと期待していたのですががっかりな内容でした。

以上
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