18941002 NO2426 朝鮮税関雇用外国人並びにその他政府雇用外国人の処分案について上申
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駐韓日本公使館記録 5巻 四. 機密諸方往 一 (11) 朝鮮税関雇外国人並びにその他政府雇外国人の処分案について上申
文書題目 (11) 朝鮮税関雇外国人並びにその他政府雇外国人の処分案について上申
文書番号 機密第一九二号 本一一五
発信日 明治二十七年十月二日 ( 1894年 10月 02日 )
発信者 特命全権公使 大鳥圭介
受信者 外務大臣 陸奧
(11) 朝鮮税関雇外国人並びにその他政府雇外国人の処分案について上申
機密第一九二号 本一一五
朝鮮政府税関雇外国人処分ノ困難ナル義ハ先般本館参事官ノ携帯セル条件ノ一トシテ及上申候筈然ルニ該雇外国人中清国税関ヨリ派遣ノ分ハ到底此侭ニ従事セシメ難ク乍去今急ニ悉皆解雇スルコトハ朝鮮官吏ノ微力且ツ因循ニテハ断行シ能ハザルハ勿論各自ノ本国公使領事ノ感觸ヲ害ス可キ恐レモ有之義今日迄荏苒決行セザル儀ニ有之候然処該税関吏等ハ新政府ノ主義方針如何ニ拘ハラス依然独立ノ姿ヲ有シ改革前ノ感情モ更ニ変セス随テ彼我ノ交際円滑ナラザル故我各領事ノ苦情不少候処恰モ英領事ノ交代アリ殊ニ数日来当政府ノ方針稍々確定シタルガ如ク被推察候ニ付此際朝鮮政府ヲ促シ処分ヲ決行スルハ好時機ナルベシト思考シ別紙甲号ノ処分案ヲ草シ一昨日総理外務ノ両大臣ニ相渡シ置キ候将又当政府雇外国人ハ税関ノ外ニ八名有之候間外務大臣ハ甚タ処分ニ相苦ミ居リ候故別紙乙号案ニ従ヒ取計方相勧メ置キ候其中陸軍�鎧嬖匿優論荼杣團淵譽于罐�陸軍�確�ヲ担当シタル一事ニ対シ不快ノ感情ヲ懐クハ勿論ニ付彼ガ雇期限中(今後二ケ年未満)ハ矢張軍務衙門ニ属シ旧ニ仍リ士官学校中ノ某科(測量数学等)ヲ担当セシム可キ見込ニ有之其他最モ処分ニ困難ナルハ海軍�鎧娜竸容麑哨僕�之昨今同人等ハ頻リニ当政府ニ向ヒ生徒練習ノ軍艦購入方相迫リ居リ候由致承知候
就テハ愈愈処分ノ方法ナキニ於テハ練習船ヲ求メ生徒航海運用ヲ練習セシメ候トモ可然ト勧告致キ置候依テ別紙相添此段及上申候也
明治二十七年十月二日
特命全権公使 大鳥圭介（＊発信）
陸奧 外務大臣 殿
（＊私訳）
(11) 朝鮮税関雇外国人並びにその他政府雇外国人の処分案について上申
機密第一九二号 本一一五
朝鮮政府税関で雇用している外国人の解雇処分が困難である件は、先般本館参事官が用意している条件の一つとして上申致したと思います。
ところがその雇用外国人のうち、清国税関から派遣した者は到底このままの状態で従事させることは難しく、とはいえ今急にすべて解雇することは、朝鮮官吏の力不足と因循（＊古いしきたりに従っているだけで改めようとしないこと）では断行することができないことは勿論、雇用外国人各自の本国公使領事の感触を害する恐れもあり、今日までなすこともなく決行しないままとなっているわけです。
ところがこれらの税関吏などは、新政府の主義・方針がどうであろうとも依然として独立した状態を有しており、改革前の感情（＊態度、か）も一向に変化していない。
随ってお互いの交際が円滑でないため、我が各領事の苦情が少なくないのでしたが、ちょうどその時イギリス領事の交代があった。
特に数日来、朝鮮政府の方針が次第に確定してきたように推察されますので、この際朝鮮政府を促し外国人の処分を決行するのには好時機であると考え、別紙甲号の処分案を作成し、一昨日こちらの総理・外務の両大臣に渡しておきました。
また当政府雇用外国人は税関の他に八名おりますので、外務大臣はその処分に非常に苦しんでおりましたので、別紙乙号案に沿って取計らい方法を勧めておきました。
その中で陸軍�鎧佞離▲瓮螢�人は先雇者であるので、日本が陸軍�確�を担当した一事に対して不快の感情を懐くのが言うまでも無いことなので、彼の雇用期限中(今後二ケ年未満)はやはり軍務衙門に属して今まで通り士官学校中のある科(測量数学等)を担当させる見込みで、その他最も解雇処分が困難であるものは、海軍�鎧侫ぅ�リス人二名であり、最近この二人はしきりに当政府に向かって生徒練習用の軍艦購入について迫っていると承知しております。
つきましてはいよいよ解雇処分の方法がない場合は、練習船を求め生徒航海運用を練習させてもよいとの勧告を致しておきます。
よって別紙を添えこの件上申致します。
明治二十七年十月二日
特命全権公使 大鳥圭介（＊発信）
陸奧 外務大臣 殿
[別紙 甲号]
文書題目 朝鮮税関雇欧米人処分案
朝鮮税関雇欧米人処分案
第一条 京城ニ於ケル税関総局及ヒ各港税関雇欧米人中清国税関ヨリ派遣セラレタル者ハ此際一切其雇ヲ解ク可シ
但シ其中朝鮮政府ノ雇トナリ留任ヲ願フ者ハ第五条ノ例ニ従テ之ヲ用ユベシ
第二条 京城ノ税関総局ヲ廃シテ其事務ヲ度支衙門主税局ニ帰セシメ主税局長之ヲ管務シ別ニ日本人壹名欧米人壹名ヲ雇ツテ其事務ヲ輔翼セシム可シ
第参条 各港税関長ノ任務ハ新ニ朝鮮官吏ヲ派シテ之ヲ掌ラシメ又ハ各港監理事務ヲ兼掌セシム可シ
第四条 各港税関雇外国人ノ内朝鮮政雇ニシテ清国ヨリ派遣セラレタル者ニアラザルモノハ其侭雇傭ヲ為ス可シ
第五条 清国ヨリ派遣ノ欧米人解雇ノ後更ニ日本人及ヒ欧米人ヲ招聘シテ其欠ヲ補フ可シ
（＊私訳）
[別紙 甲号]
文書題目 朝鮮税関雇欧米人処分案
朝鮮税関雇欧米人処分案
第一条 京城における税関総局、及び各港税関雇の欧米人のうち、清国税関から派遣された者はこの際全員解雇する。
但し、そのうち朝鮮政府の雇用となり留任を願う者は、第五条の例に随って之を雇用すること。
第二条 京城の税関総局を廃止して、その事務を度支衙門主税局に帰せしめ、主税局長がこれを管轄し、別に日本人一名、欧米人一名を雇ってその事務を援助させること。
第三条 各港税関長の任務については新たに朝鮮官吏を派遣してこれを司（つかさど）らせ、または各港監理事務を兼務させること。
第四条 各港税関雇用の外国人の内、朝鮮政府雇用で清国から派遣された者でないものは、そのまま雇用すること。
第五条 清国から派遣された欧米人は解雇した後、さらに日本人及び欧米人を招聘してその欠員を補うこと。
[別紙 乙号]
文書題目 朝鮮政府雇外国人処分案
朝鮮政府雇外国人処分案
姓 名
職掌
俸 給
処 分 案
米人リゼンドル
政事顧問
毎月八百円
軍国機務処ハ両度解雇ノ決議ヲ為セシニ付之ニ従フ可キ見込
米人グレ―トハウス
法律顧問
毎月六百円 法務兼外務顧問官ニ為ス可キ見込
米人ダイ
陸軍�鎧�
毎月六百五十円
雇期限中軍部衙門ニ属シ士官学校ノ内算術測量等ノ�慨吋暴璽張觚�込
米人ニンステツト
語学�鎧�
毎月二百円
英語学校ノ�鎧侫暴璽張觚�込
魯人サバチン
工師
毎月不詳 二百円程
工部ニ属シ工務営繕ヲ担当セシム可キ見込
英人海軍士官 二名
海軍�鎧�
毎月共 五百六十円
海軍学校ノ如キモノヲ設ケシメ、航海運用術ヲ練習セシム可キ見込
英人ハチソン
海軍語学
毎月百五十円
語学�鎧嬲凜和饗哨忙藩僖魑瓮爛戰�見込
計八名 �鎧�
（＊私訳）
[別紙 乙号]
文書題目 朝鮮政府雇外国人処分案
朝鮮政府雇外国人処分案
姓 名
職掌
俸 給
処 分 案
米人リゼンドル
政事顧問
毎月八百円
軍国機務処は二度解雇の決議をしているのでこの決議に従う予定
米人グレ―トハウス
法律顧問
毎月六百円
法務兼外務顧問官となす予定
米人ダイ
陸軍�鎧�
毎月六百五十円
雇用期限中、軍部衙門に属し士官学校の内算術・測量等の教官に充てる予定
米人ニンステツト
語学�鎧�
毎月二百円
英語学校の�鎧佞暴爾討詬縦�
魯人サバチン
工師
毎月不詳
二百円程
工部に属し工務営繕を担当させる予定
英人海軍士官 二名
海軍�鎧�
毎月共 五百六十円
海軍学校のようなものを設置させ航海運用術を練習させる予定
英人ハチソン
海軍語学
毎月百五十円
語学�鎧佞泙燭呂修梁召忙藩僂魑瓩瓩詬縦�
計八名 �鎧�
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