12年も前に、とあるごたごたに巻き込まれてしまったことがありまして。
そのごたごたを解決するためだけに、数度チャットで会話した人がいましてね。
キャラチャットなので、最寄のバーに集まりました、みたいな設定で話をしてたんですよ。
まあなんていうか、詳しく説明するにはあまりにもややこしいので省きますが、こちらはいわば間接的な被害者の立場。
相手さんは間接的に間接的を重ねたくらいの、私にとっては加害者的存在ではあったものの、間に入ってる『問題の人』との軋轢で疲れ果ててしまった、かわいそうな人。
『自分が間接的であれ加害者なので非常に心苦しいのだけれど、もうどうしていいのか判らないから、貴方に意見を求めたい』……ということで、共通の知人を通して話し合った次第。
まあそのときの事件については、なしくずしてきにどうにかなったというか、もう手の施しようが無いってことで、お互いその『問題の人』から離れて逃げ隠れる、という消極的な手段を取ることしか出来なかった訳なのだけれども。
その話し合いの最中、なんかもうとても話しやすくてですね。
会話が心地いいというか、判りやすいというか。
あー。この人とは、ゴタゴタなしでゆっくり酒でも飲むロールを回しながら、会話したいなー、と思ってた。
なんだけど、お互いに隠れるってことで、自動的に音信不通になっていた。
それからしばらく経ち、うちのキャラは同じ名前で地味に復活。
それなりに仲のいい人も増えたりして、懇意にしてもらってた。
で、たまにその友人が不必要なくらいにこちらに謝り倒すことがあったりして、
謙虚も度が過ぎるとよくないぞ、みたいなことを言ったりしてたんですが。
なんと、昨日発覚。
逢いたい逢いたいと思いながらも、後ろ髪引かれる思いで別れたその人でしたよ!
名を変え、口調を変え、地味に過ごしてるうちのキャラの暇つぶしにでもなれれば、という罪滅ぼし的なつもりで傍にいてくれたらしい。
どうりで、もっと遊んでおいでとか、ごめんごめんと執拗にあやまってくるわけだ。
本人はこの10年ほど罪の意識に苛まれ続け、仲良くしてくれるうちのキャラにずっと負い目を感じていたらしくて。もし自分があのときのキャラの別人格だと知ったら、傷つくんじゃないか、と、思い悩んでいたそうだ。
重圧にも耐えかね、でもうちのんにショックを与えてしまったら……傷つけてしまったら……と、ずいぶんずいぶん悩んだそうだ。
実際、それっぽい告白会話が始まってから、実際に当時のキャラ名を思い出すまでに三時間半かかったからね。
自分から言い出す勇気まではなくて。だからうちのが、あいつ?こいつ?と訊ねては、違うよ、違うよ、というまどろっこしい展開だったのだけれども。
ようやく私が、当時のキャラに思い至る。
名前を打ち込む指が、リアルに震えたね。台詞を噛むというか、打鍵が噛むわ噛むわ。
そりゃもう、こっちは大歓声とともに狂喜乱舞。
知らないうちに10年越しの心残りが氷解した!もう一度ゆっくり話したいという夢はとっくのとうに叶って居たんだ!私は間違いなくいま世界で一番幸せだ!というようなことを、マシンガントークで打ち込んだ。
向こうはあっけに取られていたよ。
そりゃ、ずっと自分は加害者だと思っていて、そんなのが名前をかえてしれっと友人面して、過去の話とかも聞いていたんだから。憎まれてるだろう、裏切られたと罵られるだろうか、傷つくだろうかとおびえていたら、真逆の反応されたんだからね。
韓国ドラマでも見ないようなベタな展開ではあったけれど、私にとってはもう嬉しくて嬉しくて。
当時の友人たちは、ぽろぽろと脱落して消えてったりして入れ替わってしまったけど、もう一度、せめて一度だけでも会いたいと思ってた相手だったからね。
これからもぜひともぜひともよろしくぜったいよろしくよろしくな!と、最後までハイテンションだったよ。うちの。(と、私)
今夜も探しに行ってみよう。会えるといいが。
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