佐藤愛子さんの本は好きで大方読んでいたが、この血脈だけは、泥沼ドロドロじゃなかろうかって勝手に推測してずっと買うこともなかったけど、先日、地元の古本屋さんの閉店セールで買ってきて、昨日一昨日と2日かかって読みました。 まあ、内容は凄まじいほどのゴタゴタ複雑一族、だけど、佐藤愛子さんの書く才能っていうか、筆性っていうか、全然悲壮感がなくて、ただ、ちょっとあきれながらも、サトウハチローさんの弟たちが可哀想に思えたり、またハチローさんの亡くなった息子さん達に哀しさを感じたり。 89歳のわが父は、本は嫌いだったが佐藤紅緑の本を読んで、今こそ、志願して海軍に入らねば、と思い、戦後復員してからは、サトウハチローさんの、リンゴの唄を聞いて、頑張らねばって思ったもんだったけどな〜ってしみじみ言ってたけど、ブライベートは別の話。 夏目漱石もプライベートでは、短気でカンシャク持ちで作品とは全く別のような人だったっていうし、北原白秋も実家の火災、破産の他、ものすごい悋気な性格だったらしいし、与謝野晶子にいたっては、最近の文春が飛び付くようなもので。 子供の頃、読んだ[偉い人のお話]には、野口英世はやけどで指が開かなくなったけど、後々勉強して偉いお医者様になりました、とか、一休さんは、小さい時にお母様から離れて寒いお寺で修業して立派なお坊様になりました、ってあって、それはそれで子供に読ませるにはいいかもしれないけど、あまりに美化され過ぎるのもな〜ってちょっと思いましたね。 しかし、まあ、この本、引きずり込まれるように読みました。きっと他の作家さんなら、ドロドロなんだろうなって思ったりしながらも、面白かった
素敵な作品でした。
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