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2018年02月01日09:18

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1月の読書記録

先月は久しぶりにページ数が6千を超えた。後、ナイスが169というのが嬉しい。それから先月はいつになく女性作家の作品の割合が多かったかな?今年もなるべくたくさんの本を読みたい。

2018年1月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:6065ページ
ナイス数:169ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■きもの (新潮文庫)
文体にこれまで読んできた他の作品にあったコクのようなものが希薄に思えたのだが、読み進めるうちにこの物語にはこの文体でありなんだ…と思えるようになったのが不思議。これも著者の上手さと言えるのかもしれない。直向きであるのと同時に強情で何かとそんな役回りをさせられるるつ子には何かと身につまされることに。特に母親を最後まで看病しながらも、結局母親から愛されなかったという行には胸がつまる思いがした。それだけに父の愛人そのとの交流には何とも言えずほっとする。解説にもある恐らく構想されていた筈の続編が気になるのだが…
読了日:01月31日 著者:幸田 文
https://bookmeter.com/books/546678

■台所のおと (講談社文庫)
舞台が戦後なのに、その文体が醸し出す雰囲気のため、つい大正か昭和初期の話かと思い込み、ふと現代用語に突き当たり、「ああ、そうか」と気づかされるということが度々あった。そしてそれが大きな魅力になっているというのが、何とも不思議。また解説にもあるように、病気や死が度々テーマになっているのにも拘らず、それ程暗さや陰惨さを感じさせない…もっと何か透徹とした物が横たわっている感じがした。それと著者独特の擬態語が、その格調高い文体と相まって独特の魅力を織り成すのもさすが。もっと再評価されるべき作家では?と思う。
読了日:01月29日 著者:幸田 文
https://bookmeter.com/books/546675

■(017)母という病 (ポプラ新書)
この生きづらさ、こんなはずではなかったのに…という悔恨を積み重ねる人生をいつまでやり過ごすのか?人知れず抱えていた思いが本書によって抉られた感が…誰も親…特に母親を恨みたいと思わない。それは人道に悖るものだという思いが誰しにもある。しかし、親とて人間。決して完璧ではないがゆえ、親の思いとは逆に子供に深い傷を残すことがある。そして、多くの子供はそれを傷と自覚しないまま大きくなり、大人になって初めてきづく。「これって何かおかしくない?」と。今更親に毒づいても、しょうがないが、けれど放っておくにもいかない…
読了日:01月27日 著者:岡田 尊司
https://bookmeter.com/books/7856783

■入門 現代物理学 - 素粒子から宇宙までの不思議に挑む (中公新書)
かねてから抱えていた理数系コンプレックス。でも、なぜか物理には妙な憧れを抱いていて、つい手に取ったのだけれど、思いの外楽しめた。タイトルに「入門」とあるから、高校物理の再入門的な内容かな?と想像したのだけれど、様々な物理の発見のエピソードを盛り込んだ読み物的な要素が強い。話の細部までは理解できなかったけれど、何と無くイメージはつかめたか?様々な苦労と紆余曲折を経て、偉大な発明や発見に至るプロセスは、分野を超えて人の心を打つものがある。それと同時に、さらなる壁や目標が立ちはだかるという現実に人間の限界が…
読了日:01月25日 著者:小山 慶太
https://bookmeter.com/books/8188432

■秩序なき時代の知性 (ポプラ新書)
僕より若い世代で、これだけ日本のことを真摯に考え、その類い稀な知性を惜しみなく発揮している人がいる…その事実に「まだ日本も捨てたもんじゃないかな?」という気にさせられた。個人的にとりわけ興味深く読んだのが、原発についての対談。推進派、反対派を問わず、何かにつけ、感情的、イデオロギー的な意見の応酬になりがちな原発について、あくまで客観的に取り組むという姿勢に、些か虚をつかれた感さえあった。しかし、問題はこの視点がなかなか共有できないということだろう。何にしても、自らの知性を鍛えることの重要性を最認識。
読了日:01月25日 著者:佐藤 優
https://bookmeter.com/books/11241138

■アウグスティヌス――「心」の哲学者 (岩波新書)
既に『告白』や山田晶の『講話』を読んでいる者にとっては、やや新味に乏しいが、それでもそれなりに発見はあったか。とりあえず、アウグスティヌスの生涯と思想をコンパクトにまとめた良書だと思う。個人的にとりわけ意外だったのは、アウグスティヌスの肖像が多く残されているという事実。また、若き日の放蕩生活、愛人との別離、母親との死別…といったよく知られる一連のエピソードは何度読んでも何とも言えない余韻を残す。それにローマの崩壊を目にしながら迎えた晩年を思うと、キリスト者として生きることの意味を今一度問いたくなる。
読了日:01月24日 著者:出村 和彦
https://bookmeter.com/books/12356856

■われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)
読み進めていくうちに、「あれ、この感じ誰かに似てるな…」と思っていたら町田康だった。軽妙かつ人を食ったような語り口で駄法螺をふりまくというのは、まさに町田?この二人に影響関係はあるのだろうか?とつい考えてしまった。それはともかくとして、タイトル通り幾度となく笑わせられたが、それと同時にさりげなく哲学的命題を忍ばせるところが著者の真骨頂か?後、折に触れてご自分が女性にもてない、あるいは奥さんに尻を敷かれていることを示唆しているが、紫門ふみによる解説を読むと、どうも疑わしく思われてならない…真相はいかに?
読了日:01月24日 著者:土屋 賢二
https://bookmeter.com/books/557600

■日本問答
非常にスリリングかつ画期的な日本論。主にデュアルという言葉をキーに、古代から現代に渡る日本の歴史や文化を縦横無尽に語り尽くす、二人の膨大な知識と深い見解に圧倒されることしきり。かねてから日本という国の成り立ちのプロセスに興味があったのだけれど、そこについて新たな視点が得られたのが、個人的にとりわけ大きかったか。また、これまで独自の豊潤な文化を形成してきたのにも関わらず、現在あまりに省りみられることが少なかったり、その継承者がいなかったりという現象には心が痛む。それとお二人が若くないという事実が何とも重い。
読了日:01月23日 著者:松岡正剛・田中優子
https://bookmeter.com/books/12535608

■大いなる夢よ、光よ (津島佑子コレクション)
愛する者を失った悲しみ…いや、「悲しみ」という言葉だけではとうてい言い尽くせない思い。作者の著作で幾度となく繰り返され、その度に深化していくこのモチーフ。「ああ、またか」と思いながらも、つい読み進めてしまう。息子の死によって穿たれた穴を埋めようとする一連の行為は、ある意味弔いと言ってもいいのだろうか?その中で関わる数人の男性。それぞれと微妙な関わりを持ちながらも、最終的には平行線のままというのが妙とも言えるか。また、後に幾つかの作品で見られる伯父とその一家というモチーフが本作でも見られるのも興味深かった。
読了日:01月20日 著者:津島 佑子
https://bookmeter.com/books/12451469

■アンの娘リラ―第十赤毛のアン (新潮文庫)
とうとう最終巻か…何とも言えない感慨を覚える。娘だったアンは初老に入り、末娘リラが主人公の本作はこれまでにないシビアな状況が延々と描かれ、幾分気が滅入るが、それでもそうした中で希望と明るい気持ちを忘れず生きる人々の姿が感動的。とりわけ、ひょんなことから自ら育てねばならなくなったジムスを相手に果敢に奮闘するリラには賞賛の声をあげたくなるほど。ただ、個人的には前巻で大きな位置を占めていたメアリーの登場が少ないのに、ちょっと不満だけれど。そして、ラストのリラのセリフは失笑してしまうのと同時にホロリときた…
読了日:01月19日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/517709

■虹の谷のアン―赤毛のアン・シリーズ〈9〉 (新潮文庫 モ 4-49)
「炉辺荘」に引き続き、話の中心は子供達…というより、むしろ子供達の友人メレディス兄妹、それにメアリーに焦点が絞られている感が。個人的にはこれが大正解。これらの人物によって物語がぐんと躍動感と膨らみが増したような気がする。とりわけメアリーのキャラはやや停滞気味だったこのシリーズにこれまでにない新鮮味と強烈さを与えている。著者としては彼女を第二のアンと思っているのでは?という気さえする。それから、本書においても中高年カップルのラブストーリーが重要な位置を占めるのは相変わらず。余程好きなんだね、このネタが…
読了日:01月14日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/557604

■騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編
上巻に比べると引き込まれる部分があったけれど、それでも「何だかな…」感は拭えない。謎が謎を呼び、その多くの謎は宙ぶらりんなまま…というのは、著者の常套手段だけれど、今回はなぜかそれがこれまで以上に御都合主義的に映ってしまうのは僕だけか?それにこれまで使ったネタの使い回しもすごく気になる。年齢的な事情もあるのかもしれないが、それだったら実年齢に応じたスタイルを作り上げるべきだったのでは?と今更なことを思ったりもする。それから、終始一貫して、まりえの胸に言及するのも、セクハラ親爺みたいでちょっと不快だった。
読了日:01月13日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/11491852

■天翔る
それぞれに深い傷を負った三人の世代が違う男女。その三人が馬という共通項を通して深く交わっていく…正直エンデュランスという競技は勿論のこと、馬という生き物にも殆ど興味がなかった僕だけど、本書にはそんな個人的な事情を突き抜けるくらいの吸引力があった。父親との忘れがたい思い出と深く結びついた馬に引き込まれ、前人未到とさえいえる頑張りと成果を見せるまりも。その頑張りが決して大成功に至らせないというところに著者の妙味を感じる。また志渡、貴子とその他二人との関係の描写も見事。続編を読んでみたいきもするのだけれど…
読了日:01月10日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/6374075

■正しい本の読み方 (講談社現代新書)
こういう読書論、読書の効用を説いた本というのは、それなりにはまって読むのだけれど、本書はなぜか期待はずれというのが正直なところ。こんな当たり前のことをあえて言わなければならない程、読書離れが進んでいるのか?」と突っ込みたくなるとでもいうのか。いや、問題はそんなところにはない。単純に本書を読んでもすごい本、胸がすくような面白い本を読んでいるときの既視感が蘇ってこないというのか…それともこんなことをウダウダ綴っている自分に問題があるのか?とも思ったり。ただ、旧態依然の日本の教育への苦言には溜飲がさがったけど。
読了日:01月09日 著者:橋爪 大三郎
https://bookmeter.com/books/12224177

■天使の梯子 Angel's Ladder
細部はともかくとして、高校時代憧れだった新任の女性教師と思わぬことから恋仲になるというシチュエーションがどうしようもなく羨ましかった(笑)。それはともかくとして、どうして、この人は男性の嫉妬心や独占欲をこうもリアルに描けるのか?と驚かされることしきり。後、作品の随所に思わず「うまいなあ!」と声をあげたくなる叙述が頻出する事実に驚愕。個人的に「この人何で直木賞だけでなく、芥川賞を取れなかったんだろう?」てなことを思ってしまう。人はどうしたって、人を愛してしまう。そのごく当たり前の事実を確認したい人向けかも?
読了日:01月08日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/570422

■夜の光に追われて (津島佑子コレクション)
十数年ぶりに再読。その内容の殆どは忘却の彼方だけれど、それだけに様々な発見があったのも事実。何より恐らく最初読んだ時には感じ得なかった著者の思い、愛息を亡くすという未曾有の経験を文章に綴るという行為に、物を書くというのは、物語を紡ぎ出すというのは一体どういうことなんだろう?ということを改めて考えさせられたというな気にさせられたというのが大きい。また、著者のカトリック洗礼の背景を思わせる場面が散在するのも興味深い。そのかなりの部分が失われた古の物語を自らの物語へと昇華させる著者の思いは何なのだろう?
読了日:01月06日 著者:津島 佑子
https://bookmeter.com/books/12209442

■使徒的勧告 福音の喜び
福音宣教…キリスト者として当然果たすべき重要な役目であるのにも関わらず、恐らく多くの信者が疎かにしているもの。とりわけ、未だキリスト教が浸透していないこの日本において、キリスト者として証しすることがいかに困難か?ということを本書を読んで改めて思い知らされた次第。本書で幾度となく繰り返される物質主義への警鐘にも関わらず、それに飲み込まれてしまっている我々は、それでも霊的な物の存在を信じ、それを見極め、それを人々に伝えていかねばならない。恐らくそれは英雄的な行為ではなく、小さな行為の積み重ねによるのだろう。
読了日:01月05日 著者:教皇フランシスコ
https://bookmeter.com/books/8129338

■アンをめぐる人々―第八赤毛のアン (新潮文庫)
解説にもあるように『〜友達」の続編的な短編集で、アンは殆ど登場せず。そのいくつかは、モダンなアメリカの短編という趣で、本来のアンとは幾分毛色が違っているのが妙か。後前編で見られたユーモアや快活さは後退しており、人生の悲哀を感じさせるものが目につく。個人的にとりわけ印象に残ったのが、順風満帆の時は見向きもせず、逆境にあったときにこそ愛情を示すヒロインの姿を描いた「セーラの行く道」か。それこそアンの一面をより強調した感がある。後、「ベティの〜」は中年男の妄想を掻き立てること請け合い?ある意味罪作りな作品かも?
読了日:01月03日 著者:モンゴメリ
https://bookmeter.com/books/421761


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