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2018年01月20日00:24

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おらおらそれもいらね(6)

1月20日(土)晴れ
王さんからのプレゼントを受け取ってから一週間ほど過ぎた日。
王さんからメールが届く。
新年の挨拶の後・・・

 早速ですが、お客さんからラルフローレンのカシミア混セーターの返品があります(胸にあるポニーの刺繍の色が気に入らないそうです)
 Nさんにプレゼントしたいと思います。いかがでしょうか。
 郵便番号と住所を教えてください。
 着払いでお願いしますので、国内宅配便の送料だけ払ってくださいね。

また、Nの心はザワザワする。
王さんは、日本人向けのネットショップのサイトを開いている。
おそらくそれの返品分をプレゼントするわということだ。
まず、親友と思ってるなら、服の趣味くらい知ってるよね!ということ。
Nはブランド品を好まない、というか知らない、興味がない。
よって、ポニーじゃなくキャメルやゼブラの刺繍の入ったセーターを着ることはあるかもしれない。
そして、みる人によっては「あれってラルフローレンのパクリ?」と失笑されるかもしれない。
しかし、Nはたまたまその刺繍が気に入って着ているだけなのである。
もっといえば、「ピンクのラクダの刺繍のセーターをチョイスするセンスって、世界広しと言えどあたしだけよね〜
となるとこれは一点モノよ」と一人悦に入ってるかもしれない。

Nは返信する。

 プレセントの件、いただいてばかりで恐縮ですし、ご存知の通りのファッションに疎い人間ですからせっかくいただいても着こなせないわ。
 お似合いになる方にどうぞ。

やんわり断った後に、写真で見た王さんのリビングを褒め、成長した王さんの子供のことを話題にする。
もう、セーターの話は終わりね!とやんわり(このやんわりがいけないと知りつつ)釘を刺したつもりだ。
ところが・・・またもメッセージが・・・
 
 あのセーターは普段着るもので、ファッション性がありません。
 アメリカに返送されても私は洋服が多すぎるから着ません。
 なので、もらってくれたら助かります。

これは、王さんなりの気の遣い方なのかもしれない。
あとは、微妙な日本語の言い回しが日本人とそうでない人との感覚の違いか。
Nは「あたしゃ、謙遜して『ファッションに疎い』って言ったのです。
自分で言う分にはいいけど、人様から『ファッション性がないから安心して着て!』と言われる筋合いはないわ。」
もう、こうなると、王さんの「プレゼントしたいのよ」と言う気持ちが全く感じられなくなり、単に、返品にまつわる諸々の手続き等が面倒なのねとしか思えない。
最初から「ラルフローレンが好きじゃないのよ」と言えばよかったとか、悶々と悩んでいるうちに時間が過ぎ、また王さんからメッセージ。
 
 ご迷惑のようでやめますね。

迷惑、そうね、迷惑なのよ、でも、でも、でも・・・
なんだか自分が悪者というか好意を受け入れる度量のない人間に思われてもやもやする。
Nがそっとほどいたつもりだった糸は、王さんから大きな裁ちバサミでぷっつりと切られたような気持ちになる。
Nは左手人差し指の爪を噛む。
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