最凶の剣士の過去と、最強の剣豪のその後「Thunderbolt Fantasy 生死一劍」を観た！

　密かに上映されていた劇場版サンファン。一応公式サイトはチェックはしていたのだが、２期の続報かと思いきやいきなり期間限定公開、しかも先日始まったばかり（千葉では）と、かなり急だったので免許更新のついでに観てきました。内容？　ああもう最高だよ。

●「Thunderbolt Fantasy 生死一劍（サンダーボルトファンタジー　セイシイッケン）」

◆公式サイト
http://www.thunderboltfantasy.com/gaiden/

【サンファンとは？】

　２０１６年TV放送された日台合作の人形劇。台湾のグリグリ動かす派手な人形劇（例えるならば「ひょっこりひょうたん島」に高速バトルと流血持ち込んだ感じ）に、ニトロ+のキャラデザやら虚淵さんが加わって、アジアンテイストながらも日本人も楽しめるエンタメ作品として人気を博する。最近だとポプテピピックの１話で「見た目トトロだけどやりとりがまんまサンファン１話」という謎のネタでちょっと注目を浴びる。

　で、この作品当時面白さのあまり、勢いでブルーレイ買ったぐらい好きだったんですが、パンフを読むと「２期を前に何か１作作れないかと思い、急きょ作りました」との事で、ファンとしては嬉しい不意打ち。なお話は２部構成で、約３０分ずつの計１時間。最近流行の「劇場で見るOVA」的なボリュームですが、中身は気合の入りまくったスペシャルエピソードとなっております。

　ただし一方は前日譚、一方は後日談と、完全に本編を観た人向けの作品なので、ネタバレ厳禁というか、気になる人は急いで全１３話見るんだ！


●第１部：殺無生編

　TV放送１期の前日譚で小説版の１エピソードを映像化したもの。凜雪鴉（リンセツア）の用心棒として共に行動していた殺無生（セツムショウ）が、凜雪鴉の勧めで剣技を争う大会に出場するが……という話。

　大会とあって個性豊かな剣士（まさかのモーニングスター使いがいるので必見）同士の戦闘シーンはもちろん、本編では殺戮マシーンとして大暴れした殺無生の意外な過去や一面がうかがえるエピソード。まあ凛がいるせいで悪い予感しかしないのだが、本編でも語られてきた「極悪人」と呼ばれる由縁が存分に描かれる。

　それにしてもサンファンの戦闘シーンは何度見てもカッコイイ。ビームライフルみたいな音で手も触れずに抜刀し、そのまま斬り合いになったりソードファンネル飛ばしあったり、必殺技は大体くるくる回って突撃。首チョンパ・大出血・人体爆発と目に見えて分かる勝敗の決し方。文字にするとアレだけど映像にするとカッコいいんだぞ。


●第２部：殤不患編

　１期の後日談で本作の為のオリジナルエピソード。戦いを経て、旅人に戻った殤不患（ショウフカン）は、ある日町で殤不患を名乗る男と出会う。男は自身の武勇伝を意気揚々と語り始める……という話。

　いわゆる「偽物が本物と知らずにホラを拭きまくる」というコッテコテのギャグ話で、明らかに偽物と分かる殤不患（顔がふっくらしてる）のホラ話に合わせて、道中の出来事や登場人物が律儀にシーンを再現するため、全編公式MADみたいな映像で観ていて笑いを抑えるのに必死だった。女性キャラクターが全員もれなく自分に惚れたり、並みいる敵は全員撃退したり（戦闘シーンがしっかりしているのも笑いを誘う）と、「飛影はそんな事言わない」を地で行く話。

　当然偽物展開には付き物の「本物によるネタばらし」もあるのだが、意外にもギャグを散々かましておきながら最後はシリアスでまとめるあたり、殤不患の男気が感じ取れるエピソードでもある。

　余談だが殺無生編と対比すると、凜雪鴉と殤不患という凸凹コンビがいかにかけ離れているかが実感できて面白い。殤不患と関わった人は全員救われているが、凜雪鴉と関わった人は全員不幸になっているというね……。


【まとめ】

　サンファン幻の０話と１４話が劇場で見れる！　というだけで価値アリ。もっとも、スピード感溢れすぎるアクションシーンはたまに目で追いきれない所もあるが、あの外連味あるアクションを劇場のスクリーンで見れる贅沢もそうそうないわけで、上映館少ないけど多少の遠出は覚悟で観に行ってほしい。

　パンフは１０８０円と高額の部類だが、中身は最低限のビジュアル＆スタッフ座談会と少々ボリューム不足か、とはいえ他に物販もないので買っていいかと。

　入場者プレゼントはポストカードセット４枚組（全２種）。キャラクターのイラストと人形の複合で、自分の引いたシークレットはW殤不患（人形）でした。片方はイラストかあるいは殺無生編の誰かか……知ってる方教えてください。

　ブルーレイは４月発売なのでアマゾンポチる。