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2017年11月04日00:52

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「ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜」(梅田芸術劇場)10/28

マチネ観劇。たしか、たまたまBS-TBSかなにかでやっていた特番か何かを、ほんとにたまたま目にして、なんだかものすごく気になるというか、これ、見に行かなきゃいけないやつじゃないか?って直感的に思ったというか、そんな感じでチケットをとりましたが、私の直感は間違ってなかった!今まで見たことあるミュージカルとなにか違うような、なんだかすごいものを見た、というのが幕が降りた直後の気持ち。
主人公ビリー・エリオットがバレエダンサーになる夢をかなえる物語かと思いきや、それは確かにそうなんだけど、そんな言葉から受けるような優しい話でもなくて、かなり重くて深いテーマを抱えた作品。少年が主人公だけど、子供向けの作品ではなかったです。背景は、1984年のイギリスの炭鉱の町。労働者階級のストライキ。炭鉱ってもうちょっと前の時代かと勝手に思い込んでいたけれど、思っていたよりずっと近い時代、サッチャー首相って私だって覚えてますからね。当時小さかったからこのへんの社会的背景は全然知りませんけど。そんな中でバレエと出会ったビリー少年、この時代、特に田舎町ですから「男がバレエなんて!」っていう意識が強い中、それでもどうしようもなくその世界に惹かれていくビリーの姿は、閉塞感のあるその世界の中でひどく眩しく見えました。そして、親友のマイケルは親に隠れてこっそり母親のスカートをはいたりしていて、ビリーもマイケルも、社会の中での所謂マイノリティーな存在で、そんな彼らがどうやって自分らしく生きていくのか、というのもテーマなんでしょうね。
ビリーは、まだ声変わり前の男の子が演じますが、歌と演技はもちろん、バレエにタップに、たくさんの踊りがあって、果てはフライングまで。ほぼ出ずっぱりだし、ものすごい役を子供にやらせるんだから、まずそれだけで驚き。しかも、踊るのだって、言葉でないところでビリーの感情を乗せて表現しなければならない場面が多いので、ただ踊るだけじゃない。そんな「Angry Dance」とか、圧倒されるばかりでした。すごかった。私が見たビリーは、前田晴翔くん。踊るときの姿とか動きのひとつひとつが、とにかく美しくて素晴らしかったです。歌声はストレートに響いてくるまっすぐさが印象的。かわいいんだけど、子供だからかわいい、っていう気持ちにはならなくて、ただひとりの役者として見てた気がします。
お父さんの吉田鋼太郎さん。炭鉱の町、ってことで台詞がみんな九州なまりだったんですが、鋼太郎さん+九州弁+炭鉱って、なんだか某朝ドラしか思い浮かばなくて、最初ちょっと困ってしまいました(笑)。でも、粗野だけど愛情のあるお父さんのちょっと不器用そうな雰囲気、素敵でした。
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