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2017年10月17日19:57

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傷害致死の検討の方が容易だろう

■逆上男による東名の夫婦死亡事件、停車中ワゴンに追突、執拗かつ悪質な進路妨害は「過失」か「危険」か 
(産経新聞 - 10月17日 15:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=3&from=diary&id=4816414


前例から考えて、素直に傷害致死に持っていけるレシピがあるにも関わらずなぜスルーしているのか、そっちの方が気になるけどな。

最決平成15年7月16日のヒント(暴行を受けて逃げ込んだ高速道路で交通事故死。これって何罪?) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1963112012&owner_id=65933753&full=1

■「ライト点滅、止まれだと理解」 東名の夫婦死亡事故
(朝日新聞デジタル - 10月12日 18:28)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4809731

東洋経済を読んでいて、コメントをみていたらこんなヒントがあった。
https://legalus.jp/criminal/assault_and_injury/ed-1027

暴行を受けて逃げ込んだ高速道路で交通事故死。これって何罪?

[投稿日] 2016年03月17日 [最終更新日] 2016年10月28日

 執拗かつ長時間の暴行を受けたYは、恐怖感を抱き、必死の逃走を図った。咄嗟に逃げ込んだ先が高速道路であり、Yは車にはねられて死んでしまった。

 この時、暴行を加えていたXは何罪に問われるか?(Xは単に暴行を加えている意識であり、殺そうとは微塵も思っていなかった)

高速道路で車にはねられて死亡するところまでは想像しておらず、傷害罪に留まる。
執拗かつ長時間の暴行が、結果的にYの死を呼び込んだのであるから、死の結果について責任を負う。したがって傷害致死罪。
A正解(2)執拗かつ長時間の暴行が、結果的にYの死を呼び込んだのであるから、死の結果について責任を負う。したがって傷害致死罪。
 説例で用いた状況は、実は裁判例としてあります(最決平成15年7月16日)。この事案では、暴行を加えた犯人が死の結果まで責任を負うのかが問題になりました。

https://blogs.yahoo.co.jp/kenmei152/58418936.html
理由:Bが逃走しようとして高速道路に進入したことは、それ自体極めて危険な行為であるというほかないが、BはAらから長時間激しくかつ執拗な暴行を受け、Aらに対し極度の恐怖感を抱き、必死に逃走を図る過程で咄嗟にそのような行動を選択したものと認められ、その行動がAらの暴行から逃れる方法として著しく不自然不相当であったとはいえない。そうするとBが高速道路に進入して死亡したのは、Aらの暴行に起因するものと評価することができるから、Aらの暴行とBの死亡との間の因果関係は肯定できる。
(参考書から)行為と結果の間に被害者自身の行為が介在した場合の問題です。最高裁は因果関係を広くとらえています。


高速道路では、故障の場合などを除いて路肩や路側帯への駐停車を禁止されており、高速道路会社なども「追突の恐れがあり大変危険」として注意喚起している中で、無理矢理ドライバーを引っ張り出し、執拗な嫌がらせが結果的にドライバーの死を呼び込んだのであるから、死の結果について責任を負うというのが、最高裁判例を見ればわかるはず。


http://blogos.com/article/252535/

高速の追い越し車線で停車させたら何罪なのか (1/2)

本件では、前に回り込んで自動車を停車させたと報道されているが、これが運転上必要な注意を怠りに該当するか、また、車から降りて被害者の胸ぐらをつかむなどしたと報道されてるがこれが運転上必要な注意を怠りに該当するかが問題になる。

なんとなく、後者は、運転上の注意義務じゃなさそうなので、自動車を停車させた行為が運転上必要な注意を怠ったに該当するとしよう。その場合、死亡との因果関係が認められるかが問題になる。死亡したのは、後続車が追突したからと報道されているからである。

これは因果関係といわれている論点で、いかなる場合に因果関係を認めるかは古くから諸説あって、これだけで、お酒が何杯も飲めるネタである。

本件は、行為後に第三者の行為が介在した事案に区分されよう。
因果関係についての裁判例としては、大阪南港事件(最高裁平成2年11月20日)がある。
これは、被害者の頭部を多数回殴打して、そのまま立ち去ったところ、被害者は生存中に何者かによってさらに殴打され、死期が早まった事案で、裁判所は因果関係を認めた。

また、交通事故事案では、最高裁平成16年10月19日がある(園田先生は平成16年10月17日と記載されておられるようであるが、同じ裁判例と思われる)。

これは、高速道路の追い越し車線に被害車両を停車させて、暴行を加え現場を立ち去った後、被害車両が後続車両に追突された事案であるが、裁判所は、被告人の上記過失行為及びこれと密接に関連してされた一連の暴行等に誘発されたものであったといえるとして、因果関係を認めている。

裁判例では、よっぽど奇異な事象が介在した場合でもない限り、因果関係を肯定しがちである。

報道を見る限りでは、追い越し車線に車を止めさせた場合、後続車両が追突することは特段奇異な事象ではないので、一般的には因果関係が否定されることは少ないと思われる。

(・・・)ここで参考になるのは、大阪地方裁判所平成29年3月3日である。
これは、163キロで暴走させた結果制御不能となり対向車線に飛び出して対向車と衝突した事案で、危険運転致死を認めている。要するに、事故を起こすつもりでなくてもいいのである。

この点について、菊間弁護士は「容疑者もその同乗者の女性も外に出ていたのだから、まさか事故が起こるとは思っていなかったと推察し」同罪の成立を否定したと報道されているようであるが、事故が起こると思っていたかは、同罪の成立要件ではないので、正直何の要件をおっしゃってるのか、私にはわからない。

園田先生は、「妨害運転に内在する危険性が死亡の結果という形で現実化した」ことが必要という基準を提唱されて、車を降り、ワゴン車のところまで歩いて行っていったので、本件は妨害運転に内在する危険性が具体化したものではないというお立場のようである。

ただ、その基準自体が一般的なものではないので、裁判所が採用するかというのと、最高裁平成16年10月19日判決を見る限り、妨害運転の危険性から生じたと認定するような気がする。


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