mixiユーザー(id:14121777)

2017年09月28日01:24

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傘寿まり子。

傘寿まり子(1) (BE・LOVEコミックス)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=14121777&id=4311395

というわけで、鉄道ピクトリアル住金台車特集買いにいって浮気をしてしまい(笑)これを買ってきました。
聞けば今朝のテレビでも紹介されたそうで。


~あらすじ~

今年80歳になる小説家のまり子は、4世代同居の家族に囲まれて(旦那とは15年前に死別)何となく家に居場所がなくなっていた。
そんな中、かつての小説家仲間が自分と同じ境遇で家族に看取られず孤独死してしまったことがきっかけとなり、まり子は家を出ようと決心し実行に移すも、世間の風は冷たく、現実は容赦なく彼女に襲いかかる。
しかしまり子はそんな境遇でもめげることなく、ネットカフェの人たちや野良猫クロ、そして昔の憧れ人だった八小坂さんなどとの交流を経てこれからの道を模索していくのだった。


ね?少年誌ならボツになるでしょこんな昼ドラみたいな胃の痛くなる展開(笑)

今、週刊少年サンデーでは前代未聞のオジン忍びが主役のマンガが連載されてるそうですが、そんなもんまだ甘いわ!このヒロイン80の婆さんやで。普通考えもつかんわそんなん。
作者のご母堂が80歳でかくしゃくとしていること、取材で出会ったご老人が元気な人が多かったことからこの物語を思いついたそうなんですが、いやまいりました。

世代同居家族で軋轢、これは古今東西いろんな形でドラマやら何やらで描かれたテーマですけど、あんまりそこばっかり追求するとかつての「二時のワイドショー」鬼嫁コーナーになってしまい(爆)物語として成立しませんので、主役は稼ぎのある設定にして尚且つバイタリティ溢れる性格づけをし、話が転がりやすいようにしています。
それでもこの婆さんにふりかかる現実というのは中々に厳しいもので・・・


・自分の建てた家なのに、勝手に改築の話を進められそこに居場所が無いことを知るまり子
・世間体を極端に気にする息子の嫁と、孫の嫁との対立
・高齢を理由に出版社から仕事を減らされるまり子
・老人が独りで住まいを見つけるには保証人が必要
・ペットを病院から引き取るには住まいを確定させないとダメ
・家族と同居しながら放置同然で孤独死するまり子の作家仲間
・飼い主がやはり孤独死した老人でそこから野良猫になったクロちゃん


・・・アカン、書いててこっちまで暗くなってきたorz

一話の冒頭で、まり子は昼寝中に曾孫から買い物ビニール袋を頭から被せられるシーンが出てくる。
家族が彼女をどう思ってるか暗示してるんですね。

さらにはかつての憧れ人・八小坂さんから元妻の作家仲間の葬式を知らされて駆けつけるシーン。
同居していた娘との間で口論になる八小坂さん、まり子は娘さんを必死で止めるんですね。
生きててごめんなさいと彼女は思ってた、だからもう許してあげてと。
あー辛いわこれ。うちの父も母も「ボケてみんなに迷惑かけるくらいなら殺してな」と冗談半分で言ってたけど、現実的な形としてこんなん見てまうとなんともはや・・・



このままストレートに書きつづけると物語としては救いがなさすぎるので、まり子はどこか世間ずれした性格にして、なんとかしようと奮戦するけどどこか笑えるシーンになるってのがお決まりになってます。それが読者の笑いを誘ってバランスがとれてる。

何せ担当編集者からネットカフェの事を聞きつけるや早速仕事場代わりにして本借りっぱなしでオーナーから怒られたり(笑)ペット持ち込み禁止のカフェでクロちゃん隠して飼うのに悪戦苦闘したり・・・
果ては憧れ人と同棲までになってやんの(汗)

ワタシ一番泣けたのは、まり子が街を放浪中に出会った野良猫クロちゃん。
なんと元の飼い主は孤独した老人で、自分はもう動けないからと首輪に書き置き結びつけてたのをまり子が見つけるのね・・・
実際に飼い主亡くなってそのままどうなったか分からんペットはようけおるんやろな。なんかもう切なくなってね。


物語作るのに少々無理はしてますが、絵柄と読みやすさで見始めれば一気に読めると思います。
僕らも何十年かしたら、こんな未来が待っているのです。老いは誰でも等しく訪れる。
姥棄山は冗談事では無いのね。
ワタシも多分孤独死やろなーこのままいったらorz




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