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2017年08月14日10:44

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『星とくらす』の腰巻に<星を眺めようとすると、暗いところへ、暗いところへ、意識が向く。>星を眺める意識は内宇宙が逆転された外宇宙が投影される。>図地逆転

2017年06月21日


『星とくらす』できました


先日もお知らせさせていただいた、『星とくらす』が出来上がりました。そろそろ店頭に並びはじめていると思います。蟲文庫にはすでにあります。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく三部作の完結編。


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『星とくらす』田中美穂 著 木下綾乃 絵(WAVE出版)1600円+税

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帯を外したところ。

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カバー裏は南天の天の川。

装丁は、今回も松田行正さんのマツダオフィスです。


「苔」「亀」は、基本的に「そのことに詳しい人」の立場で書いていますが、今回はまったく違って、かなり素人の目線のもの。内容も、「自転車での帰り道に星空を眺めている日常についてのエッセイ」が中心で、どことなく『わたしの小さな古本屋』に近い部分もあるかと思います。「天文の基本について」ではなく、そこへいたるもう一、二歩手前あたりの、星に親しむきっかけやとっかかりになれば楽しいなと思って書きました。かえる目の「天文台もなかのうた」についての文章もありますよ。

3年ほど前にこの本を書きはじめた頃から、母が「天文はぜんぜん興味がない…(私には難しいかも)」と暗い顔をしていたのですが、先月、試しに4校くらいのゲラを見せてみたら、「わ、これなら読めそう!おもしろそう」と目が輝いたので心底ほっとしました。これは内容もだとは思いますが(思いたいですが)、木下綾乃さんによるイラストのおかげも大きいと思っています。案内役のヤマネコくん、とてもかわいいのです。

ところで、この本は「秋のころ」のオリオンの話しからはじまっています。季節外れもいいところですが、秋の終わりから見えはじめるオリオンは、日頃から星に親しんでいる人にとっても、それほどでもない人にとっても、印象深く、頭の中でイメージしやすいのではないかと思ったからです。とはいえ、季節に関係のない話題も多いですし、たったいまが初夏なだけで、季節はどんどんと移り変わるので、目次などで気になったところから読んでいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

星空をはじめとした写真や、専門的な内容の確認については、多くの方ににご協力をいただきました。
『苔とあるく』からちょうど10年。「おわりに」にも似たようなことを書いたのですが、同じ編集者と10年かけて、このような3冊の本を作ることができたのは、とてつもなく幸せで、ほとんど奇跡のようなものだと思います。これまで、さまざまな形でお力添えくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。
無事出来て、よかったなー。


「この本が、ふだんより少しだけ目線を上げ、星々に近づくきっかけとなりますように。」





posted by 蟲文庫 at 20:09 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://mushi-bunko-diary.seesaa.net/article/451079108.html


トップカスタマーレビュー

5つ星のうち5.0
これから星とくらします
投稿者Hideki Ota2017年7月15日

駅から7km離れたところで生まれ育ったことで一番の恩恵は星と蛍かもしれません。夏になれば当たり前のように用水路に蛍が飛び交い、見上げれば天の川が盆地の架け橋になっていました。そのまますくすくと星に興味を持ったまま育てば眠たい文系にならなくて済んだかもしれないと後悔することもありますが、ともあれ幼少期の大きな思い出です。しかし、大人になって都内23区に住むと星には縁がなくなってしまいます。海の方を眺めると冬のオリオンがかろうじて見えるくらいで、高い建物に阻まれて東京には星がないことを歎きながら暮らしてきました。

そんな中、武蔵野方面に引っ越して最上階から外を見ると意外なほど星が多い。夏の窓を開くと西にアルクトゥールス、スピカと木星、東を向くと織姫ベガと彦星アルタイル、南を向くとアルタイルと土星。肉眼でも一等星ならはっきりと見える家に住んだことで、俄然幼少期の記憶がよみがえり星についてもう一度知りたいという欲求が起こりました。そこにちょうど出版された本書。

星について書かれているのだけど、それ以上に著者の思いや知識が滲み出てきて、単なる星のガイドでは収まりきらない。普段の生活の中で見る星、という観点からエッセイのようであり、観察の手引きでもあり、ストレスなく読めます。イラストが入っていることでより分かりやすいこともありますが、専門用語を極力廃してあるところも嬉しい。気軽に見るなら夏ですけど、やはり空気のきれいな冬こそ見応えがあります。古書店主ならではの書籍ガイドとともに、星に関する書籍の内容やそこから受けた影響などが垣間見えて、自分も同じ本を読もうという読書ガイドにもなっています。

『苔とあるく』もそうですが、著者の楽しむスタンスが押さえた筆致から音楽のように流れ出てきて、こちらも鼻歌を歌うように気軽に読みつつ、いつの間にか対象物にはまってしまう感じがとても好きです。これから毎日外に出て(30分間目を暗闇に慣らす必要があるとか……)この本を横に星を眺めてくらそうと決意するに足る一冊。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://www.amazon.co.jp/dp/4866210427
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