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2017年06月27日08:22

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「四谷怪談の研究」

おれの母親は東京・四谷の生まれで
母親はよく四谷時代の想い出話をしていた

四谷とひとくちにいってもいささか広く
母親の実家があったのは「谷町」と呼ばれていたと聴いた

四谷谷町という地名は現在ではない
調べてみると現在は「四谷南元町」と町名が変わっているということだ

母方の実家は
「千日谷の一行院」という寺の檀家だったというから
まず谷町が南元町だったことは間違いないだろう

この谷町(南元町)と大通りを鋏んで
左門町という町があり
ここに「四谷於岩田宮稲荷神社」という神社がある

いわゆる「四谷怪談」の発端になった田宮家があったとされる場所である

田宮家は徳川家康とともに駿府から江戸に入った直臣で
そういう意味では由緒ある家柄だ

母親の話だと
隣接したところは「お屋敷町」だったというから
この「於岩田宮稲荷」にも近いところに実家があったのかもしれない


そんな立派な武家の家が
なぜ「怪談」の舞台になったのだろうか

記録によると
「お岩さん」は天寿をまっとうして亡くなったので
非業の死を遂げた怪談の主人公とは明らかに異なる

そこで少し掘り下げてみると
田宮家にゆかりのあるオンナが失踪するという事件があり
それを軸にストーリーが構築されていた気配がある

「四谷怪談」の原型で
伊右衛門の重婚を知ったお岩さんが発狂の末
失踪してしまうくだりがある

つまり奇っ怪なストーリーの大本には
この失踪事件というキーワードがあると考えられる

失踪は
当時「欠け落ち」と呼ばれ
ひとびとは生活に困窮すると比較的簡単に欠け落ちをしたが
欠け落ちすると「人別(戸籍)」から抹消されてしまうので
あまり武家階級では生じない

それだけに「怪談」の要素として扱われたのかもしれない

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