mixiユーザー(id:3521490)

2017年03月26日07:35

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「クワイエットルームにようこそ」を見たけど。

日本映画をまじまじと見るのは久しぶりで。あんまりまともに見れるであろう作品の絶対数が少なくて目にかかる機会がないのが主な原因ぽい。あと、個人的に映画の魅力は、二時間でその世界に連れてってくれる、というのがあって日本の風景じゃドラマと変わんないじゃん、みたいな感じで見てなかったのだけど。
 蒼井優を殴ってしまった時に「ここで終わり?」と思った。何となく、どっかで放り出されるんじゃないかという雰囲気があったのでそう勘違いした。でも、ようこそからさよならでちゃんと終わり。
 制作側が意図しているか確信は持てないけど何となく、主人公が社会生活を送っている場面は映画らしい雰囲気で、恋人との生活はドラマ、病院内はコント、みたいに段階的に安っぽく描かれている気がする。正常を保つ必要が無い場所になるにつれて…という区分け。なので、拘束された状態で病院で目覚めるシーンでは、まだ映画っぽい雰囲気だったりする。
 何となく流し見だったのと、私が男ということもあり、ある程度の距離を持って見てたからか、じんましんや大竹しのぶに私物を侵されるシーンでそこまでキツくなかったのは幸か不幸か判断しかねる。本来であれば生理的嫌悪をかなり抱いていいシーンである。いや私も普通にそういうの凄く嫌ではあるのだけど。でも、それを真芯で受ける状態で、最後のシーンは見てたら危なかったかも、という程度には心が動いた。病院内の雰囲気の人ではないハズだったのだけど、最も近かったのかな…という。そう考えると、この雰囲気の軽さ=命の軽さ、だったりするのかも知れない、とも思った。
 こうして、全部が終わって、繋がってはいかないんだ、という余韻のためだけにある物語だとしたら、嫌いじゃない映画である。


ちゃんと見てなかったリュック・ベッソン版ジャンヌ・ダルク見直した。
 神への狂信と妄想で周囲を振り回しヒステリックに叫び、全体的に情緒不安定なジャンヌ像を描いていて、漠然と抱いていた強い聖女というイメージと比べると結構ひどい解釈なんだけど、実際はこんなもんだったんだろなぁ感はある。つーかあの後半の妄想に出てくる死神フードのダンディは何だろう。しかし悪魔に唆されてるっていう訳ではなく、都合の悪い現実を諭されるあたり皮肉というかリアルではあるが。と言うか、彼女の行動は彼女の意志によるものであったと劇中でも明確に示されている。一方神は勿論何も言わない。ジャンヌの妄想の中でも存在すら描かれず、彼女が勝手に偶然の出来事に神の啓示を見出しているに過ぎない、と死神ダンディに突き付けられる。
 戦闘シーンで敵の弓の名手っぽい奴は、これ史実でも有名な人なんだろうか、登場シーンからスロー演出で優遇されててかっこよかったんだけど。
 あとは死神ダンディとの対話が面白い。一貫して嘘は吐いていないし、いっそメタ的でもあり痛快だ。しかも最後には許しを与える辺りも、物語の創造主レベルで強引に諭して終わらせた感はかなりある。それでもノーカットだともっと長いのか。今回の放送時間はCM含めて二時間だからかなり端折られてんな。
 ただ、結末含めて全体の話としてはつまんないと言えてしまう。しまう。しまうま。


アメリカン・ビューティーも割と良かった。登場人物みんな一生懸命にやってる故のコメディ。
 娘の友人に妄想のセクシーダンスを見ちゃう辺り笑えたけど確かに魅力的だよな、とか思ってたら、隣のナチ被れ軍人親父のホモ勘違いは面白すぎた。この勘違いがもっとえらい方向に行くかと思ったけど、そこはそんな大事にならずにパパは何とか回避して済んだのも微笑ましい。まぁその後どうせ死ぬんやけど。


シカゴ。これはだいぶ前に見たやつだけど。リチャードギアの周りで踊ってる人たちがエロかった印象が一番強い。アカデミー賞獲ったらしいけど、別の人が絞首刑されるのを見て危機感を覚えるとこだけしかグッと来なかった。あ、でも、話は割と面白いかな。でも個人的に評価高くないのは、舞台、牢屋、法廷のほぼ密室劇で連れてってくれるやつじゃないからか。登場人物の主張や心理描写をミュージカルの演目に置き換えたのが斬新だなぁ、とだけ。でも、それで心動かされたのがミュージカルを使わず普通に描かれた、死刑シーンというのが何とも言えない。
 やっぱ日本人だから大袈裟な表現より、小さな仕草や描写のが好みなのかも知れない。そういう意味では、冒頭に書いたクワイエットルームの生理的な感覚に触るシーンではもっと攻めても良かった気がするのだけど、原作者が監督・脚本もやってるから逆に入り過ぎないようにドライにしている感じがある。原作とは別の人がもっと容赦なくえぐり込んでじっとりと映したのも見たいなぁ。結局は舞台演出の人で、どっか登場人物は深刻だけど客観的にはちょっと可笑しい、てのを残してあるんだろう。前述の蒼井優を殴ってしまうシーンも、主人公ショック!観客あちゃー。みたいなニュアンスを何となく薄っすら覚える。あーでも、あんまり重くし過ぎてもキツいし、そもそも最初の方で先生役の庵野が不慮の事故()で死んじゃう?あたりからして、こんくらいで見てもらうことを想定してたんだろうし、これで良いかも、と思う。


…なんて偉そうに色々書いてるけど、当然ただの感想。見てる数が今まで少なすぎるからなぁ、浅く狭い個人の感想。逆に、ニュートラルではあるかも知れない。
 ゲームはラインナップに偏りはあるけど昔から多少はやってきてて、色々考えたりすることが多かったからこちらはやや狭くそこまで浅くもなくって程度。…ニュートラルじゃない可能性が高い分、映画の感想の方がマシなのかも…。
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