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2017年02月17日14:16

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イヌ・ネコの肝機能を改善するデナマリン

デナマリンレジスタードトレードマーク
動物用栄養補助剤として特許を取得しているデナマリンは、純粋で安定したS-アデノシルメチオニン(以下、SAM-e)塩と、シリビン-ホスファチジルコリン化合物の配合錠です。

下の写真は90mgのSAM-eと9mgのシリビンAとBを含んだ小型犬用および猫用。
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フォト

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<背景>
SAM-eは動物の生体内に広く分布している分子で、生体の多くの細胞内で食事によって摂取された必須アミノ酸のひとつであるメチオニンとほかの栄養素によって生成されるATPによって合成されます。

SAM-eはメチル基移転、含硫基移動、アミノプロピル化といったさまざまな代謝経路に必要不可欠な物質で、体内のすべての細胞にとって欠かせませんが、特に動物の体内で代謝の中心となる臓器である肝臓においては非常に重要な物質となっています。

そのため、SAM-eの不足は肝臓をはじめ、脳を含めた全身の細胞の構造や機能に異常を生じさせる可能性があります。

逆にSAM-eの補充は、細胞傷害や重篤な副作用を引き起こすことなく低下した肝細胞の機能を改善することが生体外、生体内の実験によって認められています。

この肝細胞の改善効果はSAM-eの前駆体となる物質の補充では認められません。
肝機能の低下している動物へのアデノシルメチオニンの投与は肝臓のS-アデノシルメチオニンの濃度を上昇させることはなく、また有害となる可能性があります。

つまり体内のSAM-eの濃度を上昇させるために最適な方法は、SAM-eそのものを補充することとなります。

シリビンはオオアザミから抽出され、シリマリンとして知られている生理活性物質で、その吸収はホスファチジルコリンによって促進されます。シリビン/シリマリンは肝機能に有益な効果を持つことが知られています。

<投与目的>
デナマリンに含まれているSAM-eとシリビンの組み合わせは多方面からの肝機能をサポートします。

SAM-eは犬や猫の肝臓内のグルタチオン値を上昇させることが知られています。グルタチオンは強力な抗酸化物質で、毒素をはじめとした有害物質から肝細胞を保護し、細胞死を抑制する作用があるとされています。

このグルタチオンの濃度は肝胆道機能の低下した犬や猫においては正常値を下回る濃度であることが研究によって認められています。
デナマリンはこれらの動物において、グルタチオン濃度を上昇させて正常な肝機能の維持や保護を目的に使用することが推奨されています。

ほかにもデナマリンは活性酸素によって引き起こされる組織の損傷に対する治療や、グルタチオン濃度の減少と関連付けられている特定の毒素や薬剤によって起こる赤血球の脆弱性などに対して使用されることもあります。

デナマリンの作用機序は単にグルタチオン濃度を上昇させるだけではありません。
SAM-eは肝細胞を細胞死から防ぐ作用があり、また細胞再生に有用である可能性が示唆されています。

さらにSAM-eには猫の胆汁の流れを改善する可能性があることが、とある研究によって報告されています。
SAM-eには神経保護薬としての効果も認められているため、デナマリンには肝臓だけでなく脳の健康もサポートすることが示唆されています。

シリビン/シリマリンはさまざまな働きを持つ成分で、品種や細胞のタイプにかかわらず、酸化ストレスから組織を保護する作用が多くの研究によって認められています。

また猫におけるある研究において、シリビン/シリマリンは好中球の細胞内のグルタチオン濃度を高め、その貪食機能を高めることが認められています。

またほかの研究では肝細胞のタンパク質合成促進作用、肝細胞再生機能、1L-1β(インターロイキン-1βによって誘導されるケミカルメディエーター(PGE2、1L-8、MCP-1)の産生と重要な細胞内伝達信号となるNF-KB(核内因子-Kappa B)の移行の阻害作用がある上、炎症反応を生じる物質となるロイコトリエンの産生も阻害するとされ、胆汁の流れや肝保護作用のある胆塩(βムリコール酸、ウルソデオキシコール酸)の産生や促進、グルタチオンの濃度を上昇させる効果を発揮するとされています 。

また別の研究においては、シリビンは犬のベニテングタケ中毒症において解毒作用があるとされていますが、これはベニテングタケ中毒症にかかったうち、シリビンの投与を受けた犬が生き残ったのに対し、投与を受けなかった犬の1/3が死亡したという事実によるものです。
ほかにもシリビンを投与された犬は投与されなかった犬と比較して、ビリルビン、ASTそしてALP濃度の低下やプロトロンビン時間の延長が認められたほか、シリマリンを30日間投与した犬6頭中5頭においては肝酵素値が改善されたことがそれぞれの研究によって報告されています。

さらに最近の臨床試験では、デナマリンはロムスチン(CCNU)の化学療法で併用されています。

<薬理動態>
空腹時の犬にS-アデノシルメチオニンのチュワブル錠と腸溶性のコーティング錠を投与した場合の生体利用率は、薬の形態の違いにかかわらずほぼ同じでした。しかし体内への吸収速度はチュワブル錠のほうが腸溶性のコーティング錠よりもはるかに速く、また安定していました。

シリビンの生体利用率は高いものではありません。この点を改善するために、デナマリンに含まれているシリビンは大豆のホスファチジルコリンとの化合物の形態となっており、これによって吸収率と生体利用率がシリマリン、あるいはシリビン単独での投与よりも優れたものとなっています。

実際、シリビン-ホルファチジルコリンの吸収率と生体利用率は、ある研究においてシリビン-ホルファチジルコリン化合物(SPC)の投与における血清中のシリビン濃度とシリマリンの単独と比較して4倍も高かったという事実が示されています。

またネズミを用いた動物実験では、SPCは肝細胞のミクロソーム内で有効とされる濃度に達しましたが、これはシリビン単独投与では不可能でした。さらにSPCは猫においても有効な生体利用率を示しました。

<安全性>
動物へのシリビン/シリマリンの使用における使用禁忌事項や他の薬剤の使用による相互作用は報告されていません。犬や猫における副作用は認められていません。

デナマリンに含まれている特殊なシリビン-ホルファチジルコリン化合物の安全性に関しては、緊急時の使用と長期的な使用を想定して行なわれており、犬の急性中毒症に関する研究においてはデナマリンに含まれている80倍以上のシリビン-ホルファチジルコリン化合物が投与されましたが、特別な副作用の発現は認められませんでした。

また長期的な使用における副作用の研究としてデナマリンに含まれている80倍以上のシリビン-ホルファチジルコリン化合物が26週間猿に投与されましたが、化合物と関連した副作用の発現はありませんでした。

<栄養補助剤としての投与量>
SAM-eの効果が水分によって失われてしまうことを妨げるために、適量に最も近い錠剤数とし、以下に記載する量を目安として投与します。

SAM-eは食物と共に摂取することによってその吸収が妨げられるため、より効率的に吸収するためには、空腹時か少なくとも食事の1時間前の投与が好ましいとされています。

錠剤を直接投与することが難しい場合には少量の餌に混ぜて投与することもできます。

錠剤やカプセルを水なしで飲み込んだ猫の多くにおいては、これらの薬剤が胃に到達せず食道に詰まってしまうことが報告されています。そのため薬剤を胃に到達させるためには、投薬後ただちに3-6ccの水を与えることが望ましいとされています。

犬猫に対して1日に推奨されているデナマリンの投与量

小型犬および猫用
SAM-e(90mg)とシリビンA+B(9mg)を含有
体重5.5kg未満 1錠
体重5.5kg以上 1錠を1日2回

中型犬用
S-アデノシルメチオニン*(225mg)とシリビンA+B(24mg)を含有
体重6-15.5kg 1錠

大型犬用
S-アデノシルメチオニン*(425mg)とシリビンA+B(35mg)を含有
体重16-29.5kg 1錠
体重30-54.5kg 2錠
体重54.5kg以上 3錠

*錠剤数は必要に応じて適宜増減できます。ほとんどの動物は2日あるいは3日に1回の投与頻度によって、症状の良好な状態を長期間維持することが可能となっています。

シリビンの血中濃度をより高いものとし、ビタミンEと亜鉛の補充による効果を得るために、デナマリンはマリンレジスタードトレードマーク と併用することも可能です。
その場合、それぞれの投与間隔を12時間あけて投与するようにしてください。
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