ヒンドゥー教のイメージは＜前世の業(ごう)が人生を決定する＞と考えてよい。
インドでは、現世の自分の立場は前世の行ないによって決められたもの。又、現世での行ないによって、来世で生まれ変わるものが決まると考えられている。つまり、現世の行為がよくないと来世では、低い身分の人間や虫・動物に生まれ変わることもある。逆に、現世の行ないがよければ、来世でよい身分に生まれ変わることがでる。このように、人の行為がその人の次のあり方を決める基準となる力を、カルマ＜業＞と呼び、魂が＜カルマ＞に縛られて生まり変り続けることを＜輪廻(りんね)＞という。
インドを旅行していると、しつこい物売りや物乞いに遭遇することも多い。インドでは物乞いも「社会の一部」という印象を受ける。この国は、家柄によって就ける仕事が限られ、貧富の差も激しい。その為、生まれた時から物乞いをせざるを得ない人々も多い。そういった背景もあってか、人々は自分たちよりも貧しい彼らへの「喜捨(バクシーシ)」を当然のことと考えているようだ。今なお残るカースト制度・・・・・・インドの身分制度として知られるカースト制度。もともとは、インドに侵攻したアーリア人が、先住民族のドラヴィダ人を支配する為、自分たちを頂点として作り上げた制度といわれる。「僧侶」「王侯・武士」「平民」「奴隷」の4階級が有名だが、さらにその下にふれてはいけないとされる「不可触民」がいる。
カースト制度は、憲法で禁止されており、政府は特に、不可触民の地位向上の為、さまざまな政策をとっている。しかし、これらの身分制度は、ヒンドゥー教の＜業＞と＜輪廻＞の概念と密接に関わっている。現世のカーストは前世の報いであり、自分の「役割」をしっかり果たせば、来世はさらによいカーストに生まれ変わるとされる。この宗教観が根本にある為、なかなか差別撤廃には結びつかないのが、現実だ。
アグラに向かう途中にある世界遺産「ファティープルシークリー」を見てくる。ここはムガール帝国が最盛期へと向かう16世紀後半の第3代アクバルの城跡で、預言者の言葉にしたがって
この地に都を移した皇帝だったが、水不足の為に、たった14年で再び、アグラに遷都した。
広大な敷地内には、イスラムとヒンドゥーの様式を融合させた独特の建物が残る。特に「ディワニカース」と呼ばれる風の塔の玉座は、仰ぎ見る形になる彫刻が見事で、皇帝は日中、風通しのよい、この玉座で過ごすことが多かったという。
アクバル帝には、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒とキリスト教徒の3人の妻がおり、中庭を囲むように3人の部屋があった。昼食は「ターリー」料理だった。
食後、世界遺産の「アグラ城」を見学した。アグラ城は、1565年から10年をかけムガール帝国アクバルによって建てられた。高さ20mを誇る赤砂岩の城壁に囲まれた、堅固な要塞である。
城の高台からは、ヤムナー河が眼下に見え、その対岸には純白のタージマハールの優雅な姿が望まれた。今回のインド旅行で、ここから眺めるタージマハールのベスト・ビューポイントが一番印象的でした。その後、大理石の象嵌細工の店に立ち寄ってから、ホテルに戻り、市内のスーパーマーケットでバラマキ系みやげを購入した。ツアー客の中には「アーユルヴェーダ」に行かれた女性もいたようだ。
1/28,今回のハイライト、世界遺産である「タージマハール」見物に出かける。排ガス規制があり、バスを途中で降りて電気自動車で目的地に向かう。入場の際は、ボディチェックが厳しく、手帳・ボールペン・目覚まし時計も駄目だった。赤砂岩で造られたメインゲートをくぐり中に入る。タージマハールは現在、ヤムナ河側の尖塔1本ずつから改修工事が始まっており、
木製の足場が組まれてあった。(ここで野性の猿が遊んでいた)
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