mixiユーザー(id:63738621)

2017年01月15日02:01

195 view

1月14日の行書問題その2

H21

○憲法の経済的自由ーレベル3

11、次の手紙の文中に示された疑問をうけて、これまで類似の規制について最高裁判所が示した判断を説明するア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

  前略大変ご無沙汰しております。
  お取り込み中申し訳ありませんが、私の進路選択について、折り入って貴兄にご相談したいことができました。演劇三昧だった学生生活を切り上げて、行政書士をめざして勉強を始めたのですが、最近、自らの職業選択が抱える不条理に、少々悩んでおります。
  行政書士になりたい私が、試験に合格しなければ行政書士になれない、というのは、職業選択の自由という、私のかけがえのない人権の侵害にはあたらないのでしょうか。他方で、もし行政書士になれたとしても、行政書士法1条の2で行政書士の独占業務とされている書類の作成に関する限り、他者の営業の自由を廃除しているわけですから、私は、かけがえのない人権であるはずの、他人の職業選択の自由を侵害して生きることになるのでしょうか……。
  拝復 お悩みのご様子ですね。行政書士業を一定の資格要件を具備する者に限定する以上、それ以外の者の開業は禁止されるのですから、あなたのご疑問にはあたっているところもあります。問題はそうした制限を正当化できるかどうかで、この点は意見が分かれます。ご参考までに、最高裁判所がこれまでに示した判断についてだけ申しますと、

ア、医薬品の供給を資格制にすることについては、重要な公共の福祉のために必要かつ合理的な措置ではないとして、違憲判決が出ていますよ。
イ、小売市場の開設経営を都道府県知事の許可にかからしめる法律については、中小企業保護を理由として、合憲判決が出ていましたよね。
ウ、司法書士の業務独占については、登記制度が社全生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどを指摘して、合憲判決が出ています。
エ、公衆浴場を開業する場合の適正配置規制については、健全で安定した浴場経営による国民の保健福祉の維持を理由として、合憲とされていますね。
オ、酒販免許制については、職業活動の内容や態様を規制する点で、許可制よりも厳しい規制であるため、適用違憲の判決が下された例があります。

1. ア・イ・ウ  2. ア・イ・エ
3. イ・ウ・エ  4. イ・ウ・オ

11
こたえ
『3』
イ.妥当である。
最大判昭和47年11月22日
「小売市場の許可規制は、国が社会経済の調和的発展を企図するという観点から中小企業保護政策の一方策としてとつた措置ということができ、その目的において、一応の合理性を認めることができないわけではなく、また、その規制の手段・態様においても、それが著しく不合理であることが明白であるとは認められない。そうすると、本法三条一項、同法施行令一条、二条所定の小売市場の許可規制が憲法二二条一項に違反するものとすることができないことは明らかであ(る)」(最大判昭和47年11月22日)

ウ.妥当である。
最判平成12年2月8日
「所論は、司法書士法19条1項、25条1項は、憲法22条1項に違反すると主張する。司法書士法の右各規定は、登記制度が国民の権利義務等社会生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどにかんがみ、法律に別段の定めがある場合を除き、司法書士及び公共嘱託登記司法書士協会以外の者が、他人の嘱託を受けて、登記に関する手続について代理する業務及び登記申請書類を作成する業務を行うことを禁止し、これに違反した者を処罰することにしたものであって、右規制が公共の福祉に合致した合理的なもので憲法二二条一項に違反するものでないことは、当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかである。」(最判平成12年2月8日)

エ.妥当である。
最判昭和30年1月26日
「濫立により、浴場経営に無用の競争を生じその経営を経済的に不合理ならしめ、ひいては浴場の衛生設備の低下等好ましからざる影響を来たすおそれなきを保し難い。このようなことは、上記公衆浴場の性質に鑑み、国民保健及び環境衛生の上から、出来る限り防止することが望ましいことであり、従って、公衆浴場の設置場所が配置の適正を欠き、その偏在乃至濫立を来たすに至るがごときことは、公共の福祉に反するものであって、この理由により公衆浴場の経営の許可を与えないことができる旨の規定を設けることは、憲法22条に違反するものとは認められない。」(最判昭和30年1月26日)

H21

○憲法の精神的自由ーレベル2

12、精神的自由権に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし、正しいものはどれか。

1. 憲法19条の「思想及び良心の自由」は、「信教の自由」(20条1項)の保障対象を宗教以外の世俗的な世界観・人生観等にまで拡大したものであるため、信教の自由の場合と同様に、固有の組織と教義体系を持つ思想・世界観のみが保護される。
2. 憲法19条の「思想及び良心の自由」は、国民がいかなる思想を抱いているかについて国家権力が開示を強制することを禁止するものであるため、謝罪広告の強制は、それが事態の真相を告白し陳謝の意を表するに止まる程度であっても許されない。
3. 憲法20条1項の「信教の自由」は、公認された宗教に属さない宗教的少数派であった人たちにも、多数派と同等の法的保護を与えるために導入されたものであるため、すべての宗教に平等に適用される法律は違憲となることはない。
4. 憲法20条3項は、国が宗教教育のように自ら特定宗教を宣伝する活動を行うことを禁止する趣旨であるため、宗教団体の行う宗教上の祭祀に際して国が公金を支出することが同項に違反することはない。
5. 憲法20条3項は、国と宗教とのかかわり合いが、その目的と効果に照らして相当な限度を超えた場合にこれを禁止する趣旨であるため、国公立学校で真摯な宗教的理由から体育実技を履修できない学生に対して代替措置を認めることを一切禁じるものではない。

12
こたえ
『5』
正しい。
「信仰上の真しな理由から剣道実技に参加することができない学生に対し、代替措置として、例えば、他の体育実技の履修、レポートの提出等を求めた上で、その成果に応じた評価をすることが、その目的において宗教的意義を有し、特定の宗教を援助、助長、促進する効果を有するものということはできず、他の宗教者又は無宗教者に圧迫、干渉を加える効果があるともいえないのであって、およそ代替措置を採ることが、その方法、態様のいかんを問わず、憲法二〇条三項に違反するということができないことは明らかである。」(最判平成8年3月8日)

H23

幸せは歩いてこない、だから歩いていくんだよってか(^^)/

○憲法の多肢選択式ーレベル3

13、次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

 ある主張や意見を社会に伝達する自由を保障する場合に、その表現の[ア]を確保することが重要な意味をもっている。特に表現の自由の行使が行動を伴うときには表現の[ア]が必要となってくる。表現の[ア]が提供されないときには、多くの意見は受け手に伝達することができないといってもよい。[イ]が自由に出入りできる[ア]は、それぞれその本来の利用目的を備えているが、それは同時に表現の[ア]として役立つことが少なくない。道路、公園、広場などは、その例である。これを[ウ]と呼ぶことができよう。この[ウ]が表現の[ア]として用いられるときには、[エ]に基づく制約を受けざるをえないとしても、その機能にかんがみ、表現の自由の保障を可能な限り配慮する必要があると考えられる。
 もとより、道路のような公共用物と、[イ]が自由に出入りすることのできる[ア]とはいえ、私的な[エ]に服するところとは、性質に差異があり、同一に論ずることはできない。しかし、後者にあっても、[ウ]たる性質を帯有するときには、表現の自由の保障を無視することができないのであり、その場合には、それぞれの具体的状況に応じて、表現の自由と[エ]とをどのように調整するかを判断すべきこととなり、前述の較量の結果、表現行為を規制することが表現の自由の保障に照らして是認できないとされる場合がありうるのである。

1、手段 2、とらわれの聴衆 3、ガバメント・スピーチ
4、時間 5、一般公衆 6、プライバシー 7、公共の福祉
8、敵対的聴衆 9、フェア・コメント 10、デモ参加者
11、パブリック・フォーラム 12、内容 13、警察官
14、思想の自由市場 15、方法論 16、管理権
17、権力関係 18、社会的権力 19、場 20、現実的悪意の法理

13
こたえ
アの19の場→イの5の一般公衆→ウの11のパブリック・フォーラム→エ16の管理権

ア.場。
始めのいくつかの[ア]には、「手段」や「方法論」でも文章が通るが、「自由に出入り(することの)できる[ア]」というところで、「場」が入ると判断できる。

イ.一般公衆。
「多くの受け手に伝達することができない」「自由に出入りできる」というところから、「デモ参加者」「一般公衆」に絞ることができ、また、ウが埋まっていれば、パブリック(公の、 公共、公衆)と「一般公衆」を結びつけることができるし、エが埋まっていれば、私的な管理権に服するところにデモ参加者が自由に出入りすることができるのはおかしいため、「一般公衆」が入ると判断することができる。

ウ.パブリック・フォーラム。
パブリック・フォーラムとは、直接和訳すると「公共の広場」という意味である。
パブリック・フォーラムという用語自体を知らなかったとしても意見公募手続(パブリックコメント)、スタジアムのスクリーンによるスポーツ観戦(パブリックビューイング)、東京国際フォーラム(展示場などに使われる東京を代表する大型施設)などを頭に描ければ、パブリック(公の、 公共、公衆)・フォーラム(広場、集会所)と「道路、公園、広場などは、」を結び付けることができよう。

エ.管理権。
一つ目及び二つ目の[エ]で、「[エ]に基づく制約」「私的な[エ]に服する」となっているため、入りうるものは「管理権」「権力関係」「社会的権力」に絞られる。

三つ目の[エ]で、表現の自由と調整・較量されうるものと考えた場合、「管理権」がもっとも適当であると判断することができる。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する