安倍総理の真珠湾アリゾナ記念館慰霊
今朝のニュースで総理とオバマ大統領がそろって記念館での慰霊の様子を放映していた。この地の慰霊は吉田総理などがなされたことがあったが、両首脳がそろって慰霊の場に立ったのは初めてのこと。
真珠湾慰霊
「安倍首相の演説全文」
http://mainichi.jp/articles/20161228/k00/00e/010/165000c
今年は開戦75年の記念の年。
総理の掲げた戦後レジームの打破に向けて大きな一歩となるエポックであったように思う。
日米の軍同士の戦争のこととはいえ、あくまで真珠湾攻撃は軍と軍との戦闘での犠牲。広島長崎原爆・日本本土空爆・沖縄での民間人大虐殺とは比較にならないことだが、それでも日米開戦の端緒となったこの地で両国首脳が献花して米兵の鎮魂慰霊をなしたことは意義深きことであります。
総理が引用された「勇者は勇者を敬う」(アンドローズ・ビアス)の言葉がいかなる作品の文脈で使われたのかは私は知りませんが、当時米軍にもペリリュー島での碑文にあるニミッツの言葉のようにそんな心意気の人もいたのかもしれません。
しかし前記の民間人虐殺に躊躇しない当時の米軍がそうした精神を持ち合わせていたとは残念ながら信じがたい。
しかし、総理のスピーチは日本の武士道精神の発露のように感じられた。米国が日本を戦争への道に引きづり込んだのは多くの研究者の指摘するところ。それを知ったうえで戦後の米国への謝意を盛り込んだスピーチ。
わだかまりを恩讐の彼方へと遠ざけ、これを機に真の和解を図り、これを乗り超えて、日米の同盟関係を希望の同盟にして行く事を主張。両国および世界の和平への努力を惜しまぬ決意を表明したのです。
オバマ大統領はこれで引退。次はトランプ氏。
がさつにして外交の読めない新大統領でありますからオバマ氏の間にこの式典ができたのは幸いであったかもしれません。
国家と国家の代表者のなした和解の象徴・相互信頼の式典であり、両国国民及び世界へ向けた貴重なメッセージであり、トランプ氏もその道を簡単には拒絶できないでしょう。
しかし戦後レジーム打破の日本国民の願いの実現はまだ端緒についたばかり。米国との信頼なくして米国製憲法の打破改変には困難が付きまとうと想像されるから。
対プーチンにせよ対チャイナにせよ、対北朝鮮対韓国にせよ、米国の理解は必須。その前段階での日米両軍の「和解の力」に期待したいものです。
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