mixiユーザー(id:60165349)

2016年12月27日11:15

742 view

山田太一劇場始まる

昨夜CATV日本映画専門チャンネルで

山田太一劇場『今朝の秋』脚本: 山田太一
音楽: 武満 徹
演出: 深町幸男
○1987年NHK 制作ドラマを観る日本映画専門チャンネルでは暫く山田太一さんのドラマを特集するようだ
日本のドラマを変えた人が二人居る山田太一さんと倉本總さんだ山田太一さんのドラマグラフィを見てみると
ほとんど観ていたTBSのドラマ中心だがその中で私は金ドラでは『岸部のアルバム』より『思い出づくり』が最高傑作だと思っている
その『思い出づくり』もオンエアされる楽しみだ。
NHKの連ドラでなく単発ドラマの未見が多いその中の一つがこの『今朝の秋』で
息子(杉浦直樹)が末期ガンで独り暮らしをしている父(笠智衆)の所に息子の妻(倍賞美津子)が訪ねて来る
息子の死が早いのを知った父はお見舞いに顔を出す。父と離婚した母(杉村春子)も顔を出す息子(杉浦直樹)は自分は長くないと思い父母に問う母(杉村春子)が思わず号泣して部屋を出て行く父(笠智衆)と息子(杉浦直樹)がお互いの顔を見やる対処に困る父(笠智衆)「やっぱりそうなんだ」と言い泣き出す息子(杉浦直樹)「お前はわしらより長生きするよ」と言う「俺の人生て何だったのだろう」と言い泣き続ける息子(杉浦直樹)博物館入りの二人の名優(笠智衆・杉村春子)相手に病棟のベッドに寝っきりの板付き芝居で息子(杉浦直樹)は頑張る杉浦直樹はこの作品でギャラクシー賞を受賞している上手い役者。山田太一さんの傑作中の傑作『岸部のアルバム』でも難しい父親役で素晴らしい演技を披露していた
これだけ唯一無二の上手い役者が揃うと、ただ居るだけで全てが伝わる。
ラスト蓼科の別荘で家族全員が集まり居間で息子(杉浦直樹)を囲み雑魚寝をしているこの蓼科の別荘という設定が軽井沢の別荘ではない小津ぽい、息子(杉浦直樹)が「家族ていいねこんないいものだとは思わなかった」と言い突然ピンキラの『恋の季節』を歌い出す突然なので回りが驚く、妻(倍賞美津子)が歌に加わる母(杉村春子)の妹(樹木希林)が調子を合わせる・・一通り歌い終わると父(笠智衆)が調子外れのテンポで後を歌い出す笠智衆の歌を始めて聴いた笠智衆さんは何をしても笠智衆だったその笠智衆さんの『恋の季節』を聴いていると泣きたくなった深夜観ているのは私だけ
と回りを確認してさめざめと泣いた、私も死ぬ時、家族の前で『恋の季節』を歌ってやろうかと思った、私は死ぬ時に思い出す映画は小津さんの『東京物語』と決めていただがこの作品を観て『今朝の秋』にしょうと思ったそして『恋の季節』を歌ってと・・・何故『恋の季節』なんだ?本当に好い歌だ・・山田さんのドラマには何時も驚かされる
どうしてこのような発想が産まれたのか?と考える・・
笠智衆、倍賞美津子、樹木希林、杉浦直樹、名古屋章、五大路子、加藤 嘉、杉村春子、久々に加藤 嘉さんの演技を観ることが出来た・・
今回も山田太一脚本・NHK制作だからこれほどのキャストが集結できたのだろうと思う。


0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する