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2016年12月06日18:59

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子供嫌いがパパになるということ

■旦那さんへの妊娠報告!その時の反応は!?
(ママスタジアム - 12月05日 21:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=176&from=diary&id=4327266

もともと子供が好きな方ではなかった。
というより子供嫌いだった。

仕事柄、小さな子供と接する機会もあるのだが、一応は通り一遍の対応はする。
近くにその子のお母さんやお父さんがいれば、だ。
いざ、その子と二人っきりになれば、どう接すれば良いか分からない。

子供も敏感だ。
そんな僕のことを良く知っているというか、きっとそういうオーラが出ているのだろう。
そんな大人の近くには寄ってもこないし、懐こうともしない。

独身の頃の僕はそんな感じだった。

たま〜に近所の公園でお父さんが子供と仲良く遊んだり、赤ちゃんをあやしたりする姿を見掛けたりするが、果たして自分が将来そんなことができるかと言われれば、全然自身が無かった。
そんな自分の将来の姿が想像もできなかった。

きっと僕は結婚しても、子供は要らないな。
いやいや、そもそも結婚すらしないかもな。
そんな風に思っていた。

人生とは分からないものだ。

そんな僕でも結婚したいと思えるような相手と巡り合った。
それが今の嫁だ。
だが、嫁の方も嫁の方で、自分は結婚に向いていないし、結婚なんてしないなんて、独身の頃は仲の良い女友達に吹聴していたようだ。

それが26歳で結婚するなんて、しかも仲の女友達の中でも一番最初に結婚するなんて、友達はおろか自分自身も夢に思わなかったろう。
あまり、将来についての決めつけや断言は、迂闊に周りに言い触らさないことだ。
後で、それをネタに揶揄われることになりかねない。

それは僕もそうだ。
今の嫁と付き合っていた時から、彼女には自分が子供が苦手だってことを、散々言ってきた。
その頃は、まさか結婚するなんて意識もなかったから、僕は子供が要らないんだなんて、言わなくて良いことも言ってたような気がする。
嫁も嫁で、子供がそんなに好きな方でなかったから、その辺は気が合っていたのだろう。

人生とはホンッとに分からないものだ。

一緒に結婚生活を送るようになって、2か月も経たないのに、嫁が妊娠した。
自然の流れといえばそうなのかもしれない。
でも子供が欲しかったわけではない。
避妊をしていても、出来る時はあるんである。
特に結婚生活は送っていたとしても、まだ籍を入れただけ。
半年後にささやかな結婚式を挙げようと2人で働いて貯金をしていた。
そんな矢先の嫁の妊娠だった。

嫁から妊娠の報告を聞いた時。
僕の胸の内に去来したのは、喜びというよりも、戸惑いや不安だった。
でも、それはきっと僕よりも嫁の方が大きかったろう。
だから、僕は嫁にウソをついた。
本当は戸惑いや不安で一杯だったので、努めて喜ぶフリをしたのだ。
大袈裟に喜んでみせた。
嫁もそんな僕の姿を見て、安心したと喜んでくれた。

ただ、僕のウソなんて、きっと嫁にはお見通しだ。
僕が自身の気持ちを誤魔化して、その場を取り繕っているなんて、嫁はちゃあんと分かってる。
うまく誤魔化せたと思っているのは僕だけだ。

あれは嫁の妊娠が分かって、3か月くらいした頃だろうか。
洗面所を通りかかると、隣の風呂場でシクシク泣く声がする。
嫁は僕に分からないようにして、風呂場で泣いていた。
産むのが怖い、怖いとシクシク泣いていた。

本人に言わせれば、それは産む時にどんなに痛いだろうか、とそれを想像すると怖くて怖くて泣けてきたのだという。
でも、きっとそれだけではないだろう。
嫁は嫁なりに、将来の不安やこの先どうなるんだろうという不安があって、それでも、そんな不安を僕の前では見せないように、僕の前では明るく振る舞っていたのだ。

彼女は、僕よりも先にママになろうとしていた。
そんな彼女の姿を見て、僕は自分が恥ずかしくなった。
新しい家族ができることを素直に喜び、先に進もうと前向きになれない自分が恥ずかしくなった。

女性はどうあれ、オトコってのは、自分の赤ちゃんをその手で抱いても、自分がパパになったことを実感出来ない。
いや、それは僕だけなのかもしれないが。
だから、妻の妊娠を聞いて、手放しで喜び、心底からその喜びを表現できる男性を、僕は本当に尊敬する。

恥ずかしい話、僕が自分がパパになったと本当に実感できたのは、もっともっと後。
息子が初めて僕のことを、「パパ」って呼んでくれた時だ。
そして、本当に自身の子が可愛いって思ったのも、この子を自身の命に代えても守ってやりたいって思ったことも。
独身の頃、あの公園で見掛けたお父さんの気持ちがわかったのも。

それまでは、将来の不安や責任感の重さばかりで、そんな気持ちがちっとも分からなかった。
僕はダメなパパでスタートした。
でも、嫁や息子によってパパとして成長させて貰ったのだと、今ではそう思っている。

今では、ちょっとは子供嫌いも治ったかなぁってそんな風にも思っている。

だって、ホラ。
最近は職場でも、子供の方から寄ってきてくれるコトがあるから。
子供は敏感だ。
僕から出ているオーラが変わったのを、子供たちも気付いてくれているのだろう。
それとも、それは僕の思い過ごしか。

でも、本当に本当に人生とは分からないものだ。
僕はいまだに、独身時代に嫁に言っていた子供嫌いのことをネタにして、嫁に揶揄われる。
あんなに子供が嫌いだって言ってたのに、この変わりようはなんだ、と。

まぁ。

将来についての決めつけや断言は、あまり周りに言い触らさないことだ。



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