エディタ・グルベローヴァがプラハ国立歌劇場とともに来日して、ベルカントオペラのリサイタルを行うので、水戸の県民文化センターに行ってまいりました。 これから、グルベローヴァは、東京はじめ全国各地でコンサートと「ノルマ」を上演してゆきます。水戸はそのスケジュールの最初のようです
開場前から長い列ができていました。「二つの狂乱の場を歌う」というタイトルの通り、ドニゼッティとベッリーニのコロラトゥーラの難曲を歌うのですが、グルベローヴァは70歳になるので、こういうコロラトゥーラの高音を歌いあげるのは大変なはずです。
この世界的なコロラトゥーラソプラノというと、夜の女王の印象が最初でした。さらに、コンスタンツェ、ドンナアンナ、ツェルビネッタ、アデーレ、イタリアオペラでは、ヴィオレッタ、ジルダ、ルチア、ノルマなどを歌って来ています。10年前にウィーンでドンナアンナを聴いて以来です。
今回のリサイタルに期待をしてゆきました。座席はステージから3列目、いわゆる「かぶりつき」ですので、表情までよく見えました
■プログラム
・ロッシーニ:「セビリアの理髪師」序曲
ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」第1幕より アリア「私の心の光」
・ドニゼッティ:「ドン・パスクァーレ」序曲
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」〜狂乱の場〜(「あの方の優しいお声が」〜アリア「苦い涙をこぼして下さい」)
・ドニゼッティ:「ロベルト・デヴリュー」序曲
ドニゼッティ:「ロベルト・デヴリュー」より「あなたには明かしましょう、この心のすべてを
(インターミッション)
・ベッリーニ:「ノルマ」序曲
ベッリーニ:「清教徒」第2幕より 〜狂乱の場〜 (「ここであなたの優しいお声が」〜アリア「いらっしゃい、愛しい方」)
・マスネ:「タイス」より間奏曲“タイスの瞑想曲”
ベッリーニ:「異国女」よりレチタティーヴォ「彼らは祭壇にいます」〜2幕フィナーレ
見事なコロラトゥーラ、70歳の歌手が目の前で歌っているとは思えません。一曲ごとに、会場から「ブラーヴァ!」の嵐です。 鳴りやまぬ拍手に、応えてアンコールです。
グルベローヴァは、歌い出す前に、大きなため息、(いや、疲れましたよ)という感じで、咽を指差して「でも大丈夫!」というしぐさで、会場の笑いを誘いました。
(アンコール)
プッチーニ:「トゥーランドット」 リューのアリア
さらに、2曲目は、グルベローヴァが日本語で「コウモリ!」と言って歌い出しました。
ヨハン・シュトラウス:「こうもり」 アデーレのアリア
さすがに演技も素晴らしく、アデーレのように、チャーミングに、指揮者やヴァイオリン奏者と絡んで、満場を笑わせてくれました。ブラーヴァ!
次はオーチャードで「ノルマ」です。期待しています。
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