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2016年09月26日12:51

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あれは25年前

ある日の早朝、私は道端に立っていたらしい。
そこに100km/hを超える勢いでワゴン車が突っ込んだらしい。
らしいと言うのは、私は頭をしこたま打ってしまって、記憶がすっ飛んだからだ。
この記憶障害はいまだに残っていて、学生時代の記憶が80%以上無い。

救急車で運ばれ、即入院。
気が付いたのは翌日。ベッドの上。
検査などがすごくたくさんされたらしいが、何しろ頭を打ってるから意識が飛んでて覚えてない。
ただ、受け答えなんかはちゃんとしていたらしい。そのせいでカテーテルは入ってなかった。
「・・・トイレに行きたい」
尿意が私の意識を戻したのだろう。猛烈に小をしたい。
私は痛む全身を引きずるようにしてトイレを目指した。
小便器の前で私は途方に暮れた。歩ける状態ではなかったので、手を放すと立っていられない。
しかし、その病院は当時、救急患者は浴衣を着ることになっていたのだ。
浴衣はまくり上げないと、前を隠してしまう。それには自分の足でしっかり立って、両手でまくらないとならない。
しかし私はその時、掴まっていないと立っていられない。つまり手が自由にならない。

どうしたものかと悩んでいると、突然名前を呼ばれた。
「何してるんですか!?」
その日の担当看護婦(当時は婦でしたね)だった。
「ベッドでしてください!」つまりは尿瓶を使えと言うことらしい。
「お願いだから今ここでさせて!」戻るまで持たない。それに恥ずかしい。
「ベッドでならさせてあげます!」
「俺はここでしたいんだ!」
傍から聞いてるととんでもないやり取りのあと、看護婦が折れた。
「1回だけですよ? じゃあ、後ろから・・・」
看護婦が私の後ろに立った。
「支えますから、しっかり立って」
そういって彼女が支えたのは、私の身体ではなかった。
「はい、どうぞ」
浴衣をまくり、丁字帯をずらし、私自身を。
視線を落とすと、美しい白い指が私を握ってる。手のぬくもりが伝わる。
ヤバイ。あらゆる意味でヤバイ。手なんてのは添えればいいのだ。握るもんじゃない。
「早く出して?」
ヤバイヤバイヤバイ。
緊張と恥ずかしさで出ない。むしろ違うものが出てしまうかもしれない。
残念ながらそこまでの元気はなかったが。

あきらめと耐え切れぬ尿意で何とか終わった。
「いっぱい出ましたね」
だからヤバイってー!


■【懺悔】入院中にやらかした失敗エピソード
(ママスタジアム - 09月25日 20:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=176&from=diary&id=4210121
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