救ったのである。世界で食べられている野菜の半数が南米原産といわれている。
ジャガイモ・トウモロコシはもちろんのことヤーコン・トウガラシ・コカ・アボガド・トマトルクア・チリモヤ・ホオズキ・キヌアなど。
ガイドは日本人の梅野氏。専用バスで高原列車の玄関口、オリャンタイタンボ駅に行くのだが、地元のストライキの影響で迂回ルートをとる。目的地まで時間がかかるのでクスコ市内観光は早めに切り上げた。迂回ルートは未舗装の悪路で、道路が閉鎖されないようにポリスが警備してくれていた。オリャンタイタンボ駅16:36発に乗り、ウルバンバ川が深く削り取った谷を進み終点のマチュピチュ村には18:09到着した。ホテル・エル・マピで泊まりとなった。
9/14,5日目、シャトルバスに乗りマチュピチュ歴史保護区を訪れる。
このシャトルバスはマチュピチュ遺跡入口まで、急カーブを13回も折り返ししながら、標高差400mを上った。9:00。マチュピチュはケチュア語で老いた峰を意味するマチュピチュ山と若い峰を意味するワイナピュ山△2720mとの鞍部に築かれた、海抜2400mにある「天空都市」である。ワイナピチュは1日に登山できる人数が400人と決まっており、我々が行った時も登山者の列ができていた。歩き出す。見張り小屋までくると、マチュピチュ全体が見渡せた。
絶壁の急斜面に広がっている段々畑。これによって耕作面積を増やし豊かな土壌の維持を可能にしている。インカの時代には灌漑設備はなかった。そのため、アンデスに降る雨を横に流しまた排出する水路は、重要な役割を果していたと考えられる。
石切場→太陽の神殿上→3つの窓の神殿→日時計→メイン広場→聖なる石（これは遠くに見える槍の形をしたヤナンティン山そっくりだ）→ワイラナ（準備室）→天体観測の石→2階建て
の家→コンドルの神殿（地面にコンドルの頭と嘴をかたどった石が置かれていた）。
マチュピチュ遺跡群を周回して、11:30に入口に戻ってきた。
マチュピチュの建設は1450年頃、インカ帝国第9代皇帝パチャクティの時代に始まった。
マチュピチュの西側で強い勢力を保っていたチャンカ族の征服に伴い、王の離宮又は宗教的な意味合いをもって造られた。しかし1536年頃から人口は減少し、1540年頃には人々はマチュピチュを捨てて、どこかへと消えてしまう。1911年にハイラム・ビンガムが世に伝えるまでマチュピチュは人知れず長い眠りに就いていた。
マチュピチュを400年の眠りから覚ましたのは、エール大学の考古学者ビンガムだった。1911
年7月インカの最後の都・ビルカバンバを探してウルバンバ川沿いを下っていた。マチュピチュはビンガムが探していたビルカバンバではなかったが、山の上に広がる見事な都市跡に驚愕した。翌年、ビンガムは調査隊を結成し1915年までの発掘調査で、173体の人骨をはじめ銅製品
銀製品、織物、キープ、土器など計4万8000点を発掘し、アメリカに持ち帰った。
なぜ、スペイン人によってインカ帝国は滅んだのか？
インカの名が南米の歴史に登場するのは15世紀になってからだ。その頃からアンデス世界全域への拡大を開始し、またたく間に南北5000kmにわたる大帝国をつくりあげた。ところが1532年にピサロが率いるスペイン人の侵入によって、インカ帝国はいとも簡単に終焉の時を迎える。帝国拡大のスピードも速かったが、滅び去るスピードも速かったのだ。16世紀のスペイン公文書によれば、わずかに抵抗していた最後のインカ族は、1572年熱帯の盆地の隠れ家で降伏したとの記述があり、それはマチュピチュのような高地では、なかったという。
マチュピチュは現在では、要塞ではなく東西が断崖の為、太陽の動きを知るのに絶好の場所であったことやインカ帝国では太陽を崇拝し、皇帝は「太陽神の子」として崇められ暦を司っていたことからインカ人が崇めていた太陽を観測するための建物群と推測されている。
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