避難所1日目。
さすがに母を一人にはしておけず、会社を休む。
近所に住む姉と連絡を取りながら夜明けを待つ。
空が白みはじめたとみるや自宅へ。
屋根は見える。無事らしい。
なにはなくともブルー!
家への私道に入ったらびっくりして心臓止まるかと思った。
家の庭に、死んだ父と同じ黒と紫のジャージを着た、白髪で痩せ細った姿が!!
空を見上げて立ちつくしている。
「お父さん?!」
と思いきや、隣の家のおじさんだった。
脅かすない!!
おじさんは瓦の落ちた自宅を呆然と見つめていたのだ。
おはようございます。夕べは怖かったですね」
と声をかけるまで気づかなかったらしい。
一人暮らしでさぞや怖かったろう。
大型犬と小型犬がいるので避難はしないとのこと。
話もそこそこに家の中へ。
名前を呼びながら探す。
こたつの中、テーブルの下、ソファーの下、どこにもいない。
二階へ。
思い切って自室を開けると、本棚2つが倒れ本が散乱。
窓辺に置いていたコンポは1.5メートルぐらい吹っ飛んで床に。
足の踏み場も無い惨状にとりあえず後!と扉を閉めた。
寝室に入ると地震の反動で窓が開いてた。
外か?!と思い「ブルー!!」と叫ぶと「にゃん…」と返事が!
物陰からブルーが顔を出した。
どこも怪我はしていないのを確認。
それからラップ、飲料、お菓子、着替え、母の薬、電話帳、父の写真
ペットフード、ペットシーツ、猫砂トイレを準備。ブルーを連れて避難所へ戻る。
入口で役所の人に猫を入れてもいいか聞いた。
すでに犬も猫の中に連れてきてる人がいたので
迷惑をかけないように、と言われてOKが出た。
ブルーの無事を確認できたところで、母に思わぬ試練が訪れた。
今日で母の薬が切れるのだ。普通なら通院日だ。
まだ7時だったが病院に電話。当直の人が出たけど今日の診療は無理とのこと。
薬だけでもとお願いしたが、薬剤師も来ないとの返事だった
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