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2016年04月06日09:14

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二十面相の復活

江戸川乱歩「怪人二十面相」、青空文庫で公開
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=3930528

 初版の、明智小五郎が満州国に招聘されている件はやはりカット。戦後の版になっているが、これは仕方がない。ただ、この「語られざる事件」は、江戸川乱歩ファン、明智小五郎ファンには想像力を喚起させる記述で、これまでに書かれたパスティーシュも少なくない。
 明智小五郎は、もしかしたら満州で、甘粕正彦や李香蘭や赤川次郎のとっつぁまに出逢っていたかもしれないのである。果たして彼らにまつわるどのような事件を解決したのか、これからは二次創作を自由に書ける。

 さらに『怪人二十面相』には語られざる事件があって、それはほかでもない、タイトルロールの二十面相が、明智と相対する以前に起こした、数々の盗難事件だ。
 「そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。」
 そこまで噂になっているのだから、二十面相が起こした事件は、おそらく一つや二つではない。「予告状」には律義に「二十面相」と署名されているのである。大富豪にも乞食にも、学者にも無頼漢にも女にも化けたという、その変装の腕前を、明智小五郎と少年探偵団に敗北する前の勝利の軌跡を、読んでみたい、目にしてみたいと思うファンは少なくなかろうと思う。

 そしてもう一つ期待したいのは、『ルパン三世』で未だアニメ化されたことがない『対二十面相』のエピソードだ。怪盗の先輩である二十面相にルパンが挑戦する話だが、弱点の全くない二十面相を相手に、ルパンは手も足も出ない。起死回生のルパンのアイデア、あれはぜひアニメで観たいと長年思っていたのだが、同じく漫画には登場したが、アニメにはパイロット版でしか描かれなかった老名探偵明智小五郎とともに、合わせ技でスペシャルなり映画なりにしてほしいと望んでいるのは、決して私だけではないと思うのである。
 時代背景は、ちゃんと整合性の合う1970年代で。今やると、ルパンたちも還暦越えてるし、明智や二十面相は百歳以上なのは確実だから無理。小林少年だけは永遠の少年だからいいんだけどね(原作では明智は年を取るのに、小林君は16歳で成長が止まるのである)。

 映画で、テレビドラマで、二十面相を演じた俳優も数多いが、私の世代では、やはり『わんぱく探偵団』で若山弦蔵が演じた二十面相が絶対的なイメージとして刷り込まれている。りんたろうデザインの二十面相は、イラストでお馴染みのシルクハットはかぶらず、マントというよりもインバネススタイルで、より活動的になっているが、実は原作の二十面相は毎回別の怪人に変装して明智たちの前に現れるので、これといった定番のスタイルというものはないのである。アニメのデザインとしては秀逸だったと言えるだろう。
 音楽を担当したのは『ルパン三世』1st.シリーズの山下毅雄。奇しくも二十面相とルパン三世の二大怪盗のテーマソングを作曲することになった。「二十面相はうたう」は名曲なんだが、ようつべにも上がってないな。残念。



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