目覚めると
外の光に薄暗く透かされた
籐の椅子が浮かび上がっていた。
なんともセクシー
「透ける」と言うのがいいね。
一番好きなのは、陽に透かされたカーテン。
でも、和調の部屋でこの光景、やはりセクシー
目が少し慣れた
地窓とは言えないほど、高さのある開口部。
そこから川岸の緑に遮られながらも、優しい光が届いている。
その ほのかさが、いい。
なんとも素敵な空間。
時間軸は、どうやら外された空間のようだ。
まさに縦・横・高さの三次元。
いつもはこれに時間軸とやらがっちり食い込み、四次元で暮らしている。
今日は、「ただの三次元空間」の住人だ。
時が解らないわけではない。
障子に映し出される影・光の濃淡で、おおよその時は判断できる。
でもそれは、時間が解るのではなく「とき」が解るだけ。
そして、そのとき口から出る言葉も素敵。
時が解るだけだから、時間を告げるだけじゃなく、会話の投げかけになる。
「まだ夜明け前だよ、もう少し寝よ。」
「夜が明けたみたいだね、鳥のさえずりが聞こえる。」
「明るくなった、朝だね。まだ寝る?」
「日が昇ったよ。そろそろ起きようか、宿の朝は気ままでいいね」
「もう日が高いんじゃない? お腹すいたなあ、朝なの昼なのご飯?」
と言いながら寝床に逆戻り・・・・
時はとまらない、その流れが心地いい
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