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2015年12月24日23:10

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クリスマスの帰りみちに

幸い戦後、日本が「本物の怪物」に見舞われることはなかった。ジングルベルの音色に心休まる日々はいつまで続くか。
地球のどこかで、きょうもまた怪物があばれているかもしれない。

今朝の北海道新聞「卓上四季」より

オーストリアのアルプス地方ではクリスマスが近づくと、クランプスという怪物がまちに現れるそうだ。
大人たちが悪魔の姿の仮面をかぶって化けているのだが、子どもたちは怖がる。
最近、米国でもこの習慣をまねする地域があるそう。親に代わって悪い子をしかるところは、日本のなまはげに似ている。

子どもに道を誤らせてはならない。どんな時も強く生きてほしい。
他人の子であってもその思いは変わらない。
サンタクロースとは違うが、大人の愛情が感じられる。

きょうはイブ。
70年以上も前、戦争という「本物の怪物」が暴れた後の様子はどうだったのか。
広島で被爆した詩人、峠三吉は
「クリスマスの帰りみちに」に記している。

〈戦後最初のクリスマスは焼け焦げた臭いの中にひそやかで
神は戦争の悲しみの奥でお菓子のように美しい
渡ってゆく原爆の廃墟は闇の中で無数にささやく
神と戦争について様々な不協和音をささやく…神があってもなくっても少女とわたしは歩きつづける〉

28歳の峠はカトリックだったが、原爆の理不尽さから人生に迷っていたようだ。
それでも、少女を見て前を向くしかないと決意した姿がうかがえる。

幸い戦後、日本が「本物の怪物」に見舞われることはなかった。ジングルベルの音色に心休まる日々はいつまで続くか。
地球のどこかで、きょうもまた怪物があばれているかもしれない。
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「地獄の2日間」クリスマスはどう過ごす?
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=44&from=diary&id=3774441
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