私は、父方の祖父を知らない。
父が生まれて3ヵ月後に亡くなった祖父。当然父も自分の父親を知らずに育った。
今年は、うちの父も、父の兄にあたる伯父も亡くなったことから、我が家の新盆が終わった9月になってから、伯父の家へ線香を上げに行ってきた。
うちの父は、自分の母親の実家で育ったものだから、祖父に関する遺品や写真は我が家にはなく、今回、伯父の家で初めて祖父の写真を見ることになった。
若くして亡くなった写真の中の祖父は、「じいさん」と呼ぶにはふさわしくない、今の私よりもはるかに若い「じいさん」がそこにいた。
じいさんは、33歳で亡くなっていた。
京都での学生時代の写真に遡っても、集合写真を見ても、初めて見るじいさんは、不思議と一発で見つけ出せるほど目を引く存在。
そんな写真を見て、私の弟が「頭蓋骨が自分に似ている」と言った。
確かに、若いじいさんは、私の父とも違い、伯父とも違う。伯父の息子である従兄弟の兄ちゃんとも違う。
一発で見つけ出せるのは、弟と似ているからだった。
さすが血筋。面白いなぁ。
私の母のすぐ下の妹に当たる叔母が亡くなった後、その叔母の旦那さんである叔父に、大学生時代の写真を見せてもらったことがあり、その時は、叔父ではあるが血のつながりがないせいか、学生の中からなかなか叔父の顔を探し出せなかったことがあった。
その時の感覚とはまるで違い、じいさんの顔は一発で分かる。
じいさん、会えなかったあなたの孫は、あなたの遺伝子を受け継いでいましたよ。
今はもう、あなたを直接知る人は、あなたの娘しか残っていませんが、じじぃになったあなたに、お会いしてみたかったです。
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