2015-09-15_横須賀水道みち

時は大正初期、日露戦争後の軍備増強の結果不足することとなった水を確保するため海軍当局は半原石小屋地区の中津川より横須賀まで鋳鉄管を通した。
今日この水道管が埋設されている土地は横須賀水道みちと呼ばれている…

地図で見ると半原から横須賀までほぼまっすぐ続くこの道を辿るポタをしている人の日記を見て真似てみようと思う。
横須賀ゴールなので昼食にハンバーガーかカレーでもと思い、すいていそうな平日を考えていたが、ちょうどよく天気もいいので決行することに。
基本的に自然の高低差で水を流しているはずなので下り基調と考えられるのと、スタンドが付いていたほうが何かと便利だろうと折りたたみで行くことにした。

スタートは海老名駅。
八王子か高尾辺りから走ろうかとも思ったが、JR使いたくない週間だったので千代田線から小田急線を乗り継ぐことにした。乗り換えも便利だし正解。
市街地を抜けるまではちょっと走りにくいが相模川を渡って中津川を遡上する道に入ると眺めも良くなり走りやすくなる。
所々交通量の多い道もありながらも暫く行くと土手の上を走れたりする所もなり、気分は郊外のツーリングといった感じで楽しくなる。
目的だとまた市街地に戻ることになるので、もう予定を変更して郊外を走ろうかなとも思ってくる。
一時間ほど走りやっとスタート地点の半原浄水場に到着。
やっぱり折りたたみは時間がかかる。
しばらくは来た道を引き返し、いよいよ水道みちに入る。地図上のルートがありえないほど真っ直ぐな線を引いているとともに水道みちの標識も現れる。
が、いきなりの激坂の登りが現れる。小径車はギアを軽くすれば坂道でも漕ぎは軽いのだが全く前に進まない。歩いたほうが速いくらいに…
坂を登り切るとしばらくは市街地を行く。
大通りからは逸れているので交通量は少ないがただの裏道をひたすら走る感じ。
水道みちの痕跡も特に無く早くもちょっと飽きてきた。
ふとGPSに目を落とすと地形図に横須賀水道の文字が。
100年も前に軍事目的が元で作られた道の痕跡がこうやって残っているのかと思うと感慨深い。
昔やったソード・ワールドSFC2というゲームを思い出す。
国の命を受けた騎士が街道整備技術を求めて大陸を横断する自由人たちの街道を西へ向かい旅をする。
その旅の途中で道は人々や文化を交流させるが疫病や戦争も運ぶものでもあるということを知る。（昔の日本人は道祖神でそういう悪いものが入ってくるのを防ごうとしていたんだよなぁ）
主人公は戦争のために街道を整備しようとしている国を見限り姿を消すという話だった。（超うろ覚え）
この道の行先を見届けてやろうじゃないかという気になってきた。
途中、道は相模川に遮られる。しかしそこは、やっと水道管を目で見ることの出来る場所でもあった。ちょっと嬉しい。
川は渡れないので迂回路を探す。
海老名市内にもどると、田圃でかかし祭りなんていうのをやっていた。自転車を押して見ていく。
平坦か下りだけだと思っていたが、わりとアップダウンが多く、時には切通のようになっている地形もあったりする。
市街地をひたすら走るよりは変化があって楽しい。
途中、大きな浄水場がルート上に。綾瀬浄水場とある。
綾瀬っていつも交通情報で渋滞している綾瀬バス停の綾瀬か！（千代田線の綾瀬の事だと昔は思っていた。）
いすゞの工場を迂回。水道みちは工場内を通っているようだ。
引地川を跨いで再び水道管を見ることが出来る。
引地川にはサイクリングロードがあるようだ。
境川を超える時にまた迂回。今度は道に迷いなかなかルートに復帰できなかった。
鎌倉大仏を過ぎると観光客が多くなってくる。ここでちょっと寄り道。
御霊神社は鳥居の直前を江ノ電が走っている。
電車が通過する時は人だかりができてしまい写真を撮ることが出来なかった。平日なのに人が多い。
南鎌倉高校（のモデル）の前を通り過ぎる。平日に学校の写真を撮っているおっさんは不審者そのものだろう。
江ノ電沿いの道は車が少なく走りやすい。
しかし江ノ電って本数多い単線なのによくこんな短い間隔で走らせられるものだ。
陵南高校前踏切。
君が好きだと叫びたい〜。連載開始時、桜木花道のいっこ下だった。
帰りは海岸線を。晴れていて景色もいいが、交通量も多くて走りにくいんだよなぁ。
鎌倉って海と山に囲まれて道が限られるから渋滞するんだろうな。
だからこそ軍事拠点として成り立ったのだろうが。ってまた道と戦争か。
新田義貞のように海を割って進みたいところだ。
水道みちに戻り更に進む。逗子へのトンネルと並走して水道管用のトンネルが。
お昼を過ぎてお腹が空いてきた。逗子でなにか食べたかったが横須賀で食事をするために自販機で野菜ジュースだけ買って飲んで先を急ぐ。
田浦配水場の脇から奥に進むと水道管用のトンネルが。ついにここを越えれば三浦半島の東側へ。だが、ここは通れないので大きく迂回。
ラストはコンクリの坂を押して登って逸見浄水場でゴール。
何となく面白そうで走ってみたがいろいろ考えさせられる事もあった。
横須賀線も16号も軍港のために作られたとかいう話だし、調べると面白そうだ。
何はともあれ遅い昼食だ。閉まっているお店は多いが昼時からずれていると待たずに済むのも良い。
ドブ板通り隣のモールの駐輪場が一時間まで無料なのを発見したので安心して食事に行けた。
今回はハンバーガーを食べた。ボリュームがあって満足。
帰りは堀ノ内まで。急行停車駅だし、ここからなら座れるので横須賀中央から乗るのより良い。
何より、駅前の焼鳥屋が安くて旨い。さっきハンバーガーで満足したのに（もっとも最初からそのつもりだったのだが）結局は電車を一本遅らせて駅のホームで焼き鳥でビールを呑んだ。