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2015年08月16日16:28

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「火垂るの墓」の都市伝説

火垂るの墓には都市伝説があって、2回目のテレビ放送のときにラストで清太が死ぬシーンが公開時にはないオリジナルで描かれていたというもの。
んなシーンはねえよ!
ラピュタにも「公開時にはラストでパズーがシータの故郷に行くシーンがあった」という都市伝説がありますが、これは小説で描かれたイラストを勘違いしたもので、アニメにはそんなシーンはありません。
ちゃんと見てない映画でくだらねえ都市伝説を信じるバカばっかりだな。

この金曜日に久々に「火垂るの墓」の再放送がありました。
今回特に確認したかったのはネットでよく言われる以下の4点
1・清田が冒頭でなにを食べていたか
2・清太は節子の分まで食べたから節子だけ餓死したか
3・節子の死因は餓死ではなく、目からの病気ではないか
4.本作品は反戦映画ではないか

まず1の清太が冒頭で食べてるものを検証。
駅で死んじゃう清太はそのとき節子の骨を食べていたのですが、高畑監督の絵コンテには「生のイモを食べている」という説明があるそうで、骨じゃなくて実はイモであることを確認できるかなと思ったのですが、

冒頭で、清太はなんも食べてませんでした。

うむー
節子の骨を食べていたという都市伝説を信じていたバカはオレのほうだった。
2回目の放送の時には食べてたんじゃなかったっけ?公開時にはなかったオリジナルで!
だってオレが見たときは白いもの食べてたんだもん!

続いて2の清太は節子の分まで食べたかを検証。
この物語は作者である野坂昭如氏の実体験を元に、1歳4ヶ月の妹を餓死させた(アニメでは4歳)ことへの食材、いや贖罪のために書かれたものであることを野坂氏は告白しています。
原作では清太が節子の分まで食べちゃったから節子だけが餓死したと解釈して間違いないようです。
このアニメ版も同様のテーマで、現実の厳しさ、人間の身勝手さをテーマにしてると解釈してる評論があって、今回はそれを確認してみました。
確かに火事場泥棒ならぬ空襲泥棒で民家の残り物をひとり清太だけが食べちゃうシーンはあるのですが、基本的に清太は常に節子のことを案じており、泥棒も節子に食べさせることが目的であって、原作の根底にある「節子の分まで食べちゃったことの反省」はアニメでは微塵も描かれていません。
このアニメから節子が死んだ原因が清太が食べたことにあり、その反省が物語の主要なテーマであると解釈するのはムリがあると判断します。

続いて3。節子の死因は目の病気ではないか。
確かに、最初の空襲のときに黒い雨を左目に受けた節子は、その後たびたびかゆがるようになり、体を壊していく描写があります。
ぶっちゃけ節子が餓死しただけなら、この一連の描写は全部カットしちゃっても構わないのです。
けれどもあの高畑監督がわざわざ繰り返し描いたのはやはり死因に繋がる描写だったからと解釈するほうが自然です。
つまり原作では純粋に節子は餓死したが、アニメでは死因を目からの病気とすることで、死因を清太の責任による餓死とはしてないと判断すべきですね。

最後に4。本作品は反戦映画ではないのか。
宮崎監督は沖縄でサヨクに擦り寄ってしまったことでこれまでの全作品がそういう流れに置かれていると思われてもしょうがない判断をしたわけです。
しかし高畑監督は「本作は反戦映画ではない」ことを明言しており、また彼の全作品を見ても、反戦に特に興味があるとは思えません。
にもかかわらず、高畑監督は共産党支持を明言してしまいました。
高畑監督は本作品で清太を当時では考えられない現代っ子として描くことで、現代子批判をしたという解釈をウィキは否定していますが、私はそう解釈して構わないと思います。
しかしこれからは明確な反戦映画と受け取られていくのでしょうね。

ほたるはどこに向かって飛んでいくのでしょうか。

>■3週連続ジブリが金曜ロードSHOW!で!本日21時から「火垂るの墓」
(週刊アスキー - 08月14日 08:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=200&from=diary&id=3565754
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