日本人は「後進国コンプレックス」から抜け出せていないのではないかと思います。ですから、アメリカから何か言われたら、すぐにアメリカの意向を受けて国内の犠牲を顧みずアメリカの要望を受け入れ、困難な問題が起きればヨーロッパの国の例を探し出して国内政策を変更し。「戦勝国」を名乗る中国や韓国からのクレームがあれば何でも受け入れようとし、結局『日本は戦後のもっとも国が弱体化した昭和２０年代よりもはるかに主体性のない国家』に成り果ててはいないだろうかと思います。日本が東京オリンピックや万博を開いて高度成長期を迎えたころは、日本には何にもなくても『主体性と知恵』はある時代で、「官民協力」して「護送船団方式」で欧米の先進国との戦いを挑みました。
もし、日本がこれから再び「高度成長時代」を迎えたいのであれば、日本が「高度成長期」から「停滞期」に入った時に何があったかをよく反省してみれば、よ〜くわかることです。この時期に多くの日本人は「バブルがはじけた」と言う言葉でごまかされて、「本当の原因は何だったか？」を見失っていますが、ここでアメリカの「目くらまし」に遭ったのが、『グローバル・スタンダード』と言う言葉です。よく考えてみてください。日本はなぜ「高度成長を遂げられたか？」。それは「グローバル・スタンダード」に従ったからではなく、日本独自の「年功序列・終身雇用」や「護送船団方式」や「カイゼン・TQC」など優れた「主体性と知恵」があったからにほかなりません。
ところが９０年代に入ると、一変して「BIS規制」とか、「物言う株主」と言った外圧で、日本の「成長エンジン」を壊され始めました。それまで日本は「外国からの投資」も仰がず、「財界の総理＝経団連」と「政界の総理＝政治家」の二人三脚で、主に「銀行」を中核としたグループで「資金」や「人財」を融通しながら、新しい技術開発に挑戦し、優れた「製品」と「管理システム」によって、JAPAN AS NO.1と言われるほどの国になりました。
ところが「バブル崩壊」と言われた時期から、「ハゲタカ・ファンド」などの暗躍やホリエモン・村上ファンドなどの「株主の台頭」で、会社の業績を社員があげても、「トンビが油げをさらう」ように、ピンハネを許し、「法人税」を引き下げ、高額所得者の所得税を引き下げ、消費税を引き上げ、リストラを断行し「非正規労働者の拡大」『中間所得者の購買力を失わせ』デフレの世界へ真っ逆さまに墜落してゆきました。必要もないのに「グローバル・スタンダード」の名のもとに「執行役員」と「取締役会」などと言う「意思決定機関の複雑化」を招き、揚句「◎◎ホールディングス」などと言う屋上屋を重ね、社外取締役を導入し、それでも却って「不正会計事件」は多発しています。
昨日の日経新聞によれば、「上場企業の経常利益は２４％増」で、４〜６月は非製造業も回復したのだそうです。しかしこのままでは日本は「高度成長エンジン」である「研究開発」や「人材育成」へ向かうべき資金が「配当」に取られ、「非正規社員の縮小、従業員の残業代の増加」に繋がらなければ、いくら日本経済は「９０％が内需だ」と言っても、いつまでたっても「本格的な景気回復」は望めません。つまり、日本の「人は石垣、人は城」と言った「従業員は会社の財産」と言う感覚に戻った時初めて「愛社心」が湧き、「信頼関係」が強化され、「不適正会計」はなくなるのです。
もう一度、よ〜く胸に手を当てて考えてみてください。日本が「グローバル化」の名のもとに「日米構造協議」の「年次改革要望書」に従って、多くの政策を変更して何かよくなったことがありましたか？今なお続く「日米合同協議」が日本の官僚組織を影でコントロールして、「郵政民営化」をはじめ「アメリカ製の新自由主義政策」を進めていますが、それは所詮『アメリカのための政策』であって『日本のための政策』ではありません。このままいけば、TPPの合意を契機に、現在の韓国のサムソンや現代それに銀行がすでにアメリカ資本に支配されているように、ドッとアメリカ資本が日本企業を飲み込みに来て、韓国同様日本人労働者の賃金は低く抑えられ、多くの利益はアメリカ資本に持ち去られることになり、当然のことながら「法人税収」は低く抑えられて、国家財政は改善されず、「消費税」はとめどなく引き上げられます。
これは、日本の政治の貧困です。戦後日本は国が解体され、国の基本が「政治」「経済」「軍事」で成り立っているのに、「政治」と「軍事」をアメリカに支配される体制を継続したために、アメリカに『主体性』を奪われたまま生きることが当たり前のような錯覚を国民が持ってしまい、優秀な若者が「政治」や「軍事」を目指さず、「経済」に集中しました。しかしその結果「国の安心安全」を日本人が「主体的に担う」意識が欠落し、「平和憲法と抱き合い心中」するような意見が横行しています。
誤解しないでください。アメリカは「日本人のためのアメリカ」ではありません。「血は水よりも濃い」と言います。アメリカがまず守るのは「イギリスをはじめとするヨーロッパ」。次に守るのはユダヤ。残念ながら多くの日本人が信じたくないでしょうが、今でもアメリカは建前では人種差別はないことになっていますが、毎年多くの黒人や有色人種が殺されているのは事実なんです。「朝鮮戦争が休戦のままになっているのはなぜか？」アメリカにとって得るところがないからで、本心は「日本に肩代わり」させて、「アジアはアジア人の手で」解決させたいのです。アメリカはそこで日本や中国を戦わせて疲弊させれば、自国の軍事費を抑えても大丈夫だし、いろんな物資を中国や日本に売りつけられます。だからいくら日米安保＝日米同盟があっても、「日本に助太刀する」とは言わないのです。
もうアメリカ頼みの生き方はやめて、「主体性のある生き方」をしませんか？どう考えても、「終戦の日に靖国神社にお参りする」ことを外国人の攻撃でやらないというのはおかしいと思います。国内向けの総理大臣談話に外国からの圧力がかかるのもおかしい。それだったらイチイチ習近平講話や朴槿恩談話にもイチイチこちらから注文を付け、内容を批判し、国交を混乱させる外交方針に転換すべきです。
「主体性を保とうとする安倍総理の方が正常」で「主体性を放棄して諸外国にオモネッタリ、追従する方の方が異常なのだ」と言うことを、はっきりさせてくれませんか？
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